
Vol.99 吹き抜けのメリット・デメリット 〜天井が高ければ気分も上がる!?〜
吹き抜けのメリット・デメリット
〜天井が高ければ気分も上がる!?〜
吹き抜けってオシャレだけど、実際どうなの?
「天井の高い家って憧れる!」 「でも寒そう…」 「掃除が大変そう…」
そう、“吹き抜け”のある家には、 メリットとデメリット、どちらもあるのです。
今回は、戸建では取り入れられやすい「吹き抜け」について、
憧れで終わらせないための基礎知識
実際に住んでわかったリアルな声
吹き抜けが生み出す“快適な空間づくり”のヒント
を、お伝えします!
吹き抜けとは何か?
まずは定義をざっくり。
吹き抜けとは、複数階にまたがって壁や天井のない“開放的な空間”のこと。
リビングに多く、
1階と2階をつなぐような大空間
高窓から自然光が降り注ぐ明るい設計
ロフトや室内バルコニーから見下ろせる演出
など、“家の顔”として設計されることが多いです。
マンションでは構造上、
最上階のメゾネット物件
吹き抜け風の天井高設計(ハイルーフ天井)
などに取り入れられる例があります。
メリット① とにかく開放感がすごい!
まず最大の魅力は、 → 圧倒的な開放感!
「10畳のリビングでも、天井が高いだけで広く見える」
「狭小住宅でも“抜け感”が出る」
これは心理的にも大きな効果があり、 → ストレス軽減、気分が明るくなるなどの副作用(!?)も。
特にテレワークなこの時代には、
圧迫感がない
頭がすっきり働く
オンライン会議で背景がカッコいい
など、“吹き抜け映え”する家が人気です。
メリット② 自然光が部屋の奥まで届く
吹き抜けの高い位置に窓を設ければ、 朝から夕方まで、自然光がたっぷり。
→ 1階リビングでも照明いらずの明るさになることも。
また、上下階の光の“リレー”効果で、 奥の部屋や廊下までほんのり明るくなります。
マンションでも、最上階の傾斜天井+高窓設計は、 「光の演出」が得意分野。
植物を育てたい人にも好評です。
メリット③ 家族とのつながりが増える
「2階の子どもに大声で呼ばなくても会話ができる」 「“声が届く家”って、なんだかいい」
そう、吹き抜けの家は家族間の“距離感”が近くなるのです。
1階で料理する親 → 2階で遊ぶ子どもへ「ごはんよ〜」
子ども「は〜い!」(←吹き抜け越し)
こんなやり取り、ちょっと微笑ましくないですか?
ただしプライバシーを重視する思春期世代には、
「全部聞こえてるのがイヤ…」という声も(のちほど詳しく)
デメリット① 空調効率が悪くなる
吹き抜け最大の弱点、それは → 冷暖房効率の低下。
冬は暖気が上に逃げる
夏は2階からの熱気が下に降りてくる
エアコンが「どこに向かって頑張ってるの!?」状態に。
特に戸建ての場合、
暖房費がかさむ
空気が循環しづらい などの悩みも。
【対策】
シーリングファン(天井の大きな扇)で空気を循環
高気密・高断熱住宅にする
床暖房と併用する
など、計画的に設計すれば回避可能です!
デメリット② 音が響く…プライバシーが皆無?
吹き抜け住宅では、 「生活音が筒抜け問題」が浮上します。
リビングでの会話 → 2階寝室まで丸聞こえ
子どもがドタバタ → 1階に全部伝わる
テレワーク中 → 家族の声が気になる
「家族の気配を感じる」は、 人によっては「ずっと気が抜けない」にもなり得ます。
【対策】
一部に“遮音ガラス”や“間仕切り”を使う
書斎や個室は、吹き抜けと無縁のゾーンに配置
“開放感とプライバシー”のバランスがカギ!
デメリット③ 掃除とメンテがひと苦労
高所にある窓や照明、梁(はり)部分は…… → 掃除がとにかく面倒!
脚立を使っても届かない
ホコリが積もると目立つ
電球交換が命がけ
これが理由で「老後に吹き抜けはツライ…」という声も。
【対策】
照明は長寿命のLEDに
掃除しやすい配置・材質を選ぶ
メンテナンスサービスを年1で活用
「格好よさ」には「労力」がついてくるのは世の常です。
マンションでも“吹き抜け風”はアリ!
マンションでの“本格的な吹き抜け”は少ないですが、
メゾネット物件(2フロアが一体になってる部屋)
天井高3m超えの“ハイサッシ設計”
斜め天井・トップライト(天窓)付き物件
など、“吹き抜け感”を楽しめる間取りは多数存在。
特にペントハウス(最上階)は、
光と風の入り方が抜群
隣室の音も少ない
と、“特別感+実用性”が同居しています。
吹き抜けは、上手に付き合えば最強の快適空間!
吹き抜けを導入すると、
暮らしに変化が生まれる
会話が増える
家が“心地よい場所”になる
という副作用(もちろん良い意味で)があります。
ただし、“設計段階の工夫”がとても大事!
→空調・音・掃除の3点対策をすることで、 快適さはグッとUPします。
「吹き抜け」はライフスタイルと相性がすべて!
吹き抜けは、万人にとって最高!……ではありません。
でも、
日中をリビングで過ごすことが多い
家族の気配を感じたい
明るくて開放的な空間が好き
という方には、 “毎日がリゾート気分”を味わえる最高の空間になること間違いなし!
「掃除が面倒そう…」と心配する声もありますが、
それ以上に得られるのが“圧倒的な心地よさ”。
窓から差し込む光、天井を抜ける風、 広がる空間に浮かぶリビングの灯り。
それは、暮らしをちょっと上質にしてくれる魔法の構造かもしれません。
吹き抜けを、選ぶかどうか。 答えはあなたの“ライフスタイル次第”です!
記:ライフプランナー 武井