
Vol.256 インカムゲインとキャピタルゲインで見る収益物件の本質
インカムゲインとキャピタルゲインで見る収益物件の本質
―「どっちを狙うか」より大切な話―
収益物件の話は、なぜ噛み合わないのか
不動産投資の話をすると、必ず出てくる言葉があります。
インカムゲイン
キャピタルゲイン
そして、多くの人がこう悩みます。
「結局、どっちが正解なんですか?」
最初に答えを言います。
どちらか一方だけを信じると、失敗します。
収益物件の本質は、この2つを“どう組み合わせるか”にあります。
1.インカムゲインとは何か
【インカムゲイン=家賃収入】
インカムゲインとは、物件を保有している間、毎月得られる家賃収入のことです。
不動産投資の王道として、よく語られます。
『インカムゲインの魅力』
■毎月の収入が安定しやすい
■長期保有に向いている
■老後の年金代わりになる
特に、「安定収入が欲しい人」には、非常に魅力的です。
【しかし、インカムだけ見てはいけない理由】
よくある失敗がこれです。
■表面利回りだけを見る
■修繕費を甘く見る
■空室リスクを軽視する
結果、「毎月黒字のはずが、実は手残りが少ない」
というケースは少なくありません。
2.キャピタルゲインとは何か
【キャピタルゲイン=売却益】
キャピタルゲインとは、買った価格より高く売れた利益のことです。
特に、
■再開発エリア
■立地の良い都市部
では、狙える可能性があります。
【キャピタルゲインの魅力』
■一度で大きな利益
■短期間で成果が出ることも
■資金を一気に増やせる可能性
夢があります。
【キャピタル狙いの落とし穴】
ただし、こちらも危険があります。
■相場に左右される
■出口が読めない
■思った価格で売れない
特に日本では、「必ず値上がりする物件」は存在しません。
3.インカム重視派 vs キャピタル重視派
A.インカム重視派の考え方
■家賃が全て
■売却は考えない
■長期保有前提
安定
流動性が低い
B.キャピタル重視派の考え方
■立地最優先
■短〜中期売却
■相場を読む
爆発力
リスクが高い
4.収益物件の「本質」はここにある
結論を言います。
良い収益物件は、インカムもキャピタルも“最低限成立する”物件です。
【理想的な物件の条件】
■家賃が相場通りに取れる
■売却時も需要がある
■特殊すぎない立地・間取り
つまり、「貸せるし、売れる」物件。
これが本質です。
5.なぜ利回りだけで選ぶと失敗するのか
高利回り物件に多い特徴。
■立地が弱い
■築古
■人口減少エリア
確かに家賃は入ります。
しかし、「売ろうと思った時に、買い手がいない」という事態になりがちです。
6.日本の不動産投資で現実的な戦略
個人投資家におすすめの考え方
■インカムで大きく儲けようとしない
■キャピタルで一発を狙わない
■トータルでプラスを目指す
地味ですが、「これが一番失敗しにくい」方法です。
7.一戸建て・区分・一棟での違い
①一戸建て投資
インカム:安定しやすい
キャピタル:立地次第
初心者向け。
②区分マンション
インカム:管理費に注意
キャピタル:都心向き
出口戦略が重要。
③一棟アパート
インカム:規模の力
キャピタル:立地依存
管理力が問われます。
【よくある勘違い】
「売らなければキャピタルは関係ない」→ 相場を知らない物件は危険。
「家賃が入っていれば成功」→ 出口を失敗すると全体が崩れます。
8.不動産会社が見る「本当に良い収益物件」
私たちが重視するのは、
■需要の継続性
■将来の売却難易度
■繕・管理の現実性
数字だけではなく、5年後・10年後の姿です。
誰かの手に渡った時、その投資は成功・失敗と言えるのです。
『結論、インカムかキャピタルか、ではない』
収益物件の本質は、「どちらも捨てないこと」です。
インカムで耐え、キャピタルで逃げられる
このバランスが、不動産投資を長く続ける鍵になります。
ハマればハマるほど、沼る不動産。
その魅力を出せるも出せないも、アナタ次第。
だからこそ、単に投資とは言えない、思考的ロジックが必要な事業。
とくに、日本人は、歴史からみても土地が好きな人種ですから、
DNAに正直に、手を出してみるのもアリかもしれませんね。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池