
Vol.366 不動産会社の「買取り」と「仲介」はどっちが得?
売却スピードと価格の妥協点を徹底比較
─ 「早く売りたい」と「高く売りたい」は両立しない、その現実 ─
まず、結論。
“1日でも早く確実に売りたいなら買取り”
“1円でも高く売りたいなら仲介”
両方を同時には取れない。
家やマンションを売るとき、不動産会社から必ず提案されるのがこの2つです。
■不動産会社が直接買う「買取り」
■一般の買主を探す「仲介」
どちらも正解になり得る一方で、状況を間違えると“数百万円単位の差”になる選択でもあります。
この記事では、
■買取りと仲介の仕組み
■売却価格の差
■売れるまでのスピード
■向いている人・向いていない人
を、不動産会社の本音ベースで整理します。
1.【基礎】「買取り」と「仲介」の違いを一言でいうと?
【不動産会社の「買取り」とは】
不動産会社があなたの物件を“自社の在庫”として買取る方法です。
相手:不動産会社1社
価格:相場より安い
スピード:早い(即日対応可能から、1〜2週間程度)
【不動産会社の「仲介」とは】
不動産会社が間に入り、“一般の買主”を探して売る方法です。
相手:一般の個人や法人
売却先:市場全体
価格:相場〜相場以上も狙える
スピード:読めない(1〜6ヶ月が目安)
買取りは「安い」が、それには理由があります。
<仲介の場合の価格イメージ>
市場相場:3,500万円
売出価格:3,680万円
成約価格:3,450〜3,550万円
→ “相場前後”で売れるのが仲介です。
<買取りの場合の価格イメージ>
市場相場:3,500万円
買取り価格:2,450〜2,800万円(相場の70〜80%
→ “相場より20〜30%安い”のが一般的です。
<なぜ買取りは安くなるのか?>
不動産会社は買取った後に、リフォームやリノベーションを行います。
登記、広告、販売活動、在庫リスク(売れないリスク)を負った上で、再販売して利益を出す必要があります。
つまり、「あなたの“リスク”を不動産会社が引き受ける代わりに、その分、価格が安くなる。」
それが、安くなる理由です。
比較②:売却スピード
買取りは“圧倒的に早い”のが特徴です。
査定 → 1~2日
条件合意 → 2~3日
決済・引き渡し → 2〜3週間
比較③:安心感・確実性
→ 「確実に売れる」、「手間が少ない」安心感は仲介以上です。
2.【どっち?】あなたは「買取り向き?」・「仲介向き?」
では、買取りが向いている人はどんな方でしょうか?
■とにかく早く現金化したい
■住み替えのスケジュールがタイト
■離婚・相続などで早期売却が必要
■築年数が古く、傷みが激しい
■瑕疵(雨漏り・シロアリなど)が不安
■内見対応のストレスを避けたい
逆に、仲介が向いている人は、
■できるだけ高く売りたい
■売却を急いでいない
■築浅・人気エリアで需要が見込める
■住宅ローン残債が多く、安く売れない
■売却価格にこだわりがある
【ちなみに、よく使う“合わせ技”もあります】
それは、「まず仲介で出して、ダメなら買取り」という戦略です。
現実的に、“仲介と買取りを組み合わせる” ケースもあります。
■まず仲介で「相場価格」で売り出す(1〜3ヶ月)
■反応が悪ければ、買取り価格を提示してもらう
■期限を決めて「売れなければ買取り」に切り替える
“高値チャレンジ”と“売れ残りリスク回避”の両立となりますが、注意点もあります。
それは、市場に出た物件に対して、買取りは積極的ではない。
これは、ある意味、真の需供が目に見えてしまったが故の事。
上記にも記載しましたが、売れないリスクも抱え込んでの買取り。
それが結果として出てしまったとなると、そもそもの価格よりも下がる可能性は大!!!
なんです、、
3.【注意点】買取り・仲介どちらにも“落とし穴”がある
<買取りの落とし穴>
■買取り価格が相場より低すぎる
■「買取り保証」と言いながら、保証価格が極端に安い
■買取り専門業者がリフォーム費用を理由に値引きしてくる
回避として、複数社から買取り価格を取るのが鉄則です。
<仲介の落とし穴>
■「高く売れますよ」と甘い査定で釣られる
■結局、値下げを繰り返して時間だけ失う
■専任媒介で他社に依頼できず、身動きが取れない
“高すぎる査定”を出す会社ほど危険です。査定はあくまで机上。
提示価格で売れるのであれば、買取りなんて、そもそも不要ですよ。
<<不動産会社としての本音>>
「買取り」と「仲介」は“どっちが得か”ではなく、“あなたの状況にどっちが合っているか?”で決めるべきです。
■価格を優先するのか?
■スピードを優先するのか?
■手間を減らしたいのか?
■リスクを避けたいのか?
この優先順位によって、最適解は大きく変わります。
「少し安くてもいいから、確実に・早く・ストレスなく売りたい」→ 買取り寄り。
「時間がかかってもいいから、1円でも高く売りたい」→ 仲介寄り。