Vol.58 「浄化槽あり」物件について考える回
「浄化槽あり」物件って実際どうなの?
今回は、ちょっとマニアックだけど知っておくと得するかも?なテーマをお届けします。
その名も…「浄化槽あり物件」!
「え?浄化槽ってなにそれ?なんか面倒くさそう…」
「下水道がないって、ちょっと不便じゃない?」
そんな印象を持っている方、多いと思います。
でも!
実はこの「浄化槽あり物件」、捉え方と活用次第では、思わぬお得物件に出会えるかもしれません。
今回は、そもそも浄化槽って何?というところから、メリット・デメリット、そして「考え方次第で得する!」ポイントまで、解説していきます。
「浄化槽」ってなに?~下水道がないエリアの救世主!~
まず基本から押さえておきましょう。
▽下水道と浄化槽の違い
日本の住宅で排水を処理する方法は主に2つ
・公共下水道に接続して処理(都市部)
・浄化槽で敷地内処理(郊外・農村部・新興住宅地など)
つまり、浄化槽は「ミニ下水処理場」を家のそばに設置して、家庭から出る排水をキレイにして自然に返すシステムなんです。
昔の汲み取り式トイレとは違い、今の浄化槽は高性能。
嫌な臭いも少なく、静かに黙々と“お仕事”してくれる頼れる存在なんです。
神奈川県では、横須賀市や三浦市、圏央や小田原方面等の一部地域に浄化槽となる物件が多く存在します。
「浄化槽あり物件」のよくある誤解
誤解①
なんか汚そう…
→ 実際は「生活排水をきれいに処理してる」優等生。
むしろ川や海を汚さないエコな存在なんです!
誤解②
臭いがするんじゃない?
→ ちゃんと管理されていれば臭いません。
最近の機種は脱臭機能も充実していて、隣人に「ここ浄化槽なの!?」と言われるレベルで静か&無臭。
誤解③
メンテナンスが面倒…
→ 年に1〜2回の点検と清掃が必要なのは事実。
でも、業者にお任せでOK! 面倒さは、給湯器の点検と同レベルです。
メリット:浄化槽物件の“ここがイイ!
① 地価が安い!
公共下水道が整備されていないエリアは、都市中心部から離れていることが多く、その分地価が安い傾向に。
「下水道がない=不便」ではなく、「その分コスパがいい」とも言えます。
広々とした敷地が手に入りやすく、のんびりスローライフにも最適!
② 自然と共存できる環境が多い
山のふもと、川の近く、畑に囲まれた立地…… 浄化槽エリアには、自然豊かな場所が多いんです。
都市の喧騒を離れて、のんびり田舎暮らし。
子育てや在宅ワークを機に地方移住を考える人にピッタリ。
③ 自分で選べる「エコスタイル」
実は、浄化槽=自前の処理システム。 自治体からの「使用料」も発生しません(点検・清掃は実費)。
さらに最近では、太陽光発電+浄化槽で「ほぼ自給自足住宅」なんて使い方も増えてきました。
「インフラに頼らない暮らし」って、実は未来的かもしれませんよ?
でもやっぱり気になるデメリット
もちろん、浄化槽にもデメリットはあります。
① 定期メンテナンスが必要
前述の通り、1〜2回の点検・清掃が必要です。
費用は地域や方式によりますが、年間1〜2万円程度が目安。
放置しておくと悪臭・故障の原因になるので、ここはサボらないでくださいね!
② 故障したときの修理費が高め
本体が故障すると10万円以上かかることも。
ただし、10年以上使ってからの話なので、給湯器やエアコンと同じ感覚で見ておけば大丈夫。
③ 設置スペースが必要
庭や敷地の一角に浄化槽を設置する必要があります。
コンパクトなものも増えてきましたが、狭小地では工夫が必要な場合も。
「浄化槽物件を買う」って、どう考える?
結局のところ、「浄化槽あり物件」ってどうなの?
答えは……
▶ あなたのライフスタイル次第!
・都会で駅チカ・下水完備の便利さを求める?
・自然豊かで広々した家に住みたい?
・ランニングコストやエコ意識を重視?
浄化槽=“下水道の劣化版”ではありません。
インフラの選択肢の一つと考えると、むしろ「自由度が高い住宅環境」と言えるのです。
浄化槽は“負け組”じゃない、むしろ“隠れ勝ち組”!?
「浄化槽あり物件」というと、どこか“格下”のイメージを持たれがちです。
でも、実際には、
・環境にやさしく
・土地は安めで
・自然に囲まれて
・ライフスタイル重視
と、“分かってる人”にはむしろお得な選択肢。
もちろん、向き不向きはあります。 でもそれは、都心のタワマンだって同じこと。
普段の日常で影響が出るものでもありませんし、下水道を使っている生活と何も変わりません。
住むエリアによっては、浄化槽が必須の地域もありますから、一概にNGにしてしまうのはモッタイナイ。
あのリゾート地「宮古島」だって、浄化槽、多いんですよ?
記:ライフプランナー 武井