Vol.59 道は“家の顔” 意外と知らない「道路付け」の重要性
道は“家の顔” 意外と知らない「道路付け」の重要性
今回は「物件探しを始めたばかりのあなた」にぜひ知っておいてほしい、ちょっとマニアックだけど超大事なテーマをお届けします。
その名も…「道路付け」!
「え?道路?なんでそんな地味なテーマを?」と思った方、要注意。
道路付けを甘く見ると、後々とんでもない落とし穴にハマるかも!?
この記事では、道路付けの意味からその重要性、注意点、そして“道路付けが良い”ってどういうこと?まで、分かりやすく解説していきます。
「道路付け」ってそもそもなに?
「道路付け」とは、簡単に言えば“その土地が、どの道路に、どう接しているか”という話です。
例えば、
・南側に6mの公道が通っている
・北側に2mの私道が接している
・西側にしか出入り口がない
などなど。
道路付けの種類や幅、方角によって、その土地の価値も使い勝手も大きく変わってくるのです。
まさに、「道は家の顔」なんです!
なぜそんなに大事なの?3つの理由
理由①:建築できるかが決まる!
建築基準法では、「接道義務」というルールがあります。
つまり、建物を建てるには、原則として幅4m以上の道路に、2m以上接していないといけないのです。
接していなければ…建築不可!
え?じゃあその土地買っても家建てられないの!?
…はい、そうなんです。
「安い土地だと思ったら道路に面してなかった」なんてこと、実際にあります。
理由②:再建築できるかにも関係
既存の古家付き物件を買う場合も要注意!
建築当時は合法でも、今は再建築不可というケースがあるのです。
「リフォームすればいいや」と思っていたら、建て替えできない!?なんてオチも。
“再建築不可”という言葉、見かけたら「道路付けどうなってる?」と疑ってください。
理由③:資産価値&住み心地が変わる
接している道路の種類(公道or私道)、幅、方角によって、
・車の出し入れしやすさ
・日当たりや風通し
・防犯性
・ゴミ出しのしやすさ
・将来の資産価値
・解体、建築コスト
…すべてが変わってくるんです。
つまり道路付けは、「その土地の未来」を左右する最重要ファクター!
と、言える馬鹿に出来ないポイントです。
よくある道路付けパターンと特徴
① 南道路:王道人気!でも価格もお高め
日当たり良好、明るいリビングが作りやすい。
その分価格もプレミア価格に近く、競争率も高い!
「明るい家に住みたい」「将来売りやすい土地がいい」なら、南道路は王道中の王道です。
② 北道路:実は設計次第で“穴場”になる
一見地味な北道路。
でも、南側に庭を取りやすいので、リビングにたっぷり日が入ります。
道路に面していないから、プライバシーも◎。
そして、建物の高さも南道路より取れます。斜線規制が逃がしやすいというマニアックな話。
価格も控えめなので、設計センス次第で“隠れ家風”の素敵な住まいに!
③ 東・西道路:朝派?夕方派?
東道路:朝日が気持ちいい! 西道路:夕日がドラマチック!
ただし、西日は夏場ちょっと暑い…などもあり。
あなたのライフスタイルに合わせて選ぶと◎。
④ 旗竿地:安さと引き換えの覚悟
“竿”の部分が細い通路、“旗”の部分が敷地。 安い・静か・プライバシー重視の方には合うけど、
・車の出入りがしにくい
・道路に面していないから再建築に制限がある
・日当たり、風通しがネック
といったデメリットも。
購入前に「これは安いのか?それともリスクなのか?」の見極めが超重要!
私道と公道、何が違うの?
道路付けの話になると、出てくる「私道」と「公道」の違い。
公道:国・都道府県・市町村が管理している道路。維持費不要。
私道:個人が所有する道路。管理責任あり。通行トラブルの可能性あり。
「私道負担なし」と「私道負担あり」では、将来的な費用も違ってきます。
「前面道路は私道。持分なし。」なんて言われたら要注意!
住宅ローンが通らないこともしばしば起こります。
それ以上に、将来のリスクとしてはちょっと高めだったりします。
じゃあどう見極めればいいの?
ポイントは以下の通り
・幅員(道路幅)は4m以上あるか?
・前面道路は公道か?私道なら持分あるか?
・接道義務は満たしているか?
・どの方角に接しているか?
・ゴミ収集や駐車のしやすさは?
不動産屋さんは「方角」「接道長さ」「道路種別」など記載してくれるはずです。
・一見、道路っぽく見えても、実は通路だった!
・他人所有の宅地だった!
なんてことも、あります。
頑張れる方は、道路の謄本を上げてみれば、イッパツ解消!
まとめ:いい家は“いい道”から!
物件探しの際、ついつい内装や間取り、駅距離ばかりに目が行きがち。
でも…!
「どの道路にどう接しているか?」 これが、その物件の“将来の可能性”を決めます。
道路付けが良い=建築もできる・暮らしやすい・将来も売りやすい!
家は買って終わりじゃありません。 暮らしが続き、資産にもなるものです。
「良い物件」は「良い道路付け」から。
ぜひ次の物件内見では、家だけでなく“道路”もじっくり観察してみてください。
記:宅地建物取引士 原田