
Vol.121 不動産会社はお客さんを騙す
「不動産会社は騙す」ってホント?
~意外と変なことができない現代の理由~
「不動産会社は騙すんでしょ?」
不動産を借りる、買う、売る、そういったタイミングで、一度は頭をよぎる不安ではないでしょうか。
少し昔の話ですが、お客様を騙してでも契約を取ろうとする悪質な不動産業者がいたのも事実です。
しかし、現代において、不動産会社がお客様を騙すことは、昔に比べて非常に難しくなっています。
なぜ、現代の不動産会社は変なことができないのか。その理由を紐解いていきましょう。
1. 情報開示の徹底義務化とITの進化
昔は、不動産会社だけが物件情報を独占している時代がありました。
そのため、会社にとって都合の悪い情報は隠蔽したり、都合の良い情報だけを伝えることが可能でした。
しかし、今はそうはいきません。
宅地建物取引業法(宅建業法)という法律が、
不動産会社に対してお客様に重要事項説明をすることを義務付けています。
この重要事項説明書には、以下のような内容が記載されています。
物件の概要: 所在地、面積、構造、築年数など
法令上の制限: 都市計画法、建築基準法など
インフラ情報: 水道、ガス、電気の整備状況
契約に関する事項: 契約解除の条件、損害賠償、手付金の保全措置など
これらの項目は、お客様の安全な取引を担保するために非常に重要な情報です。
この説明を怠ったり、虚偽の説明をした場合、不動産会社は罰則の対象となります。
最悪の場合、業務停止処分や免許剥奪といった重い行政処分を受けることもあります。
さらに、2022年5月には、宅地建物取引業法の改正により、重要事項説明書の電子化(IT重説)が完全に解禁されました。
これにより、オンラインで重要事項説明を受けられるようになり、内容がデータとして残るようになりました。
2. インターネットによる情報流通の透明化
昔は、不動産を探すには不動産会社の店舗に行くしかありませんでした。
しかし、今はどうでしょう。
「SUUMO」「LIFULL HOME'S」「アットホーム」といった大手ポータルサイトや、
不動産会社の自社サイトで、多くの物件情報を手軽に調べることができます。
これらのサイトには、物件の間取り、写真、設備、周辺環境、家賃や売買価格まで、
様々な情報が掲載されています。
3. SNSの普及とクチコミの可視化
現代において、不動産会社がお客様を騙すことが難しくなった最大の理由の一つに、
SNSの普及が挙げられます。
悪評はすぐに広まる
もし、ある不動産会社がお客様に不利益な情報を隠して契約を結ばせたとします。
昔なら、その被害は「ごく一部の人の間」でしか共有されませんでした。
しかし、現代ではどうでしょうか。
被害に遭ったお客様が、X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSでその事実を投稿すれば、
その情報は瞬く間に拡散します。
Googleマップのクチコミ機能
近年、不動産会社を探す際に、Googleマップのクチコミを参考にする人が増えています。
Googleマップには、その会社を実際に利用したお客様が星の数で評価し、
自由にコメントを書き込める機能があります。
「担当者の対応が丁寧だった」
「親身になって相談に乗ってくれた」
「説明がわかりやすかった」
といった良いクチコミもあれば、
「契約後に聞いていない追加費用を請求された」
「担当者の態度が悪かった」
「虚偽の物件情報だった」
といった悪いクチコミも、誰でも見ることができます。
4. 業界団体の自浄作用と教育体制
不動産業界全体が、お客様からの信頼回復と業界の健全化のために、様々な取り組みを行っています。
不動産取引には、宅地建物取引士(宅建士)という国家資格を持った専門家が必ず関わります。
宅建士は、不動産取引の公正を期すため、法律で定められた専門知識を持つことが義務付けられています。
重要事項説明は、この宅建士の資格を持つ人が行わなければなりません。
また、宅建士には「信用失墜行為の禁止」という宅建業法上の義務があり、
お客様からの信頼を裏切るような行為は禁止されています。
5. 不動産会社のコンプライアンス意識向上
現代の不動産会社は、単に契約件数を増やすことだけを考えているわけではありません。
「お客様からの信頼」こそが、会社の存続を左右する重要な資産であると認識しています。
クリーンなイメージを確立し、お客様からの信頼を得ることで、継続的な事業成長を目指す企業が増えています。
結果、現代の不動産会社はお客様を「騙せない」
「不動産会社は騙す」というイメージは、もはや過去のものです。
現代社会では、以下のような理由から、不動産会社がお客様を騙すことは非常に難しくなっています。
法律による厳格な情報開示義務と罰則
インターネットによる情報流通の透明化
SNSやクチコミサイトによる評判の可視化
業界団体の自浄作用と専門家(宅建士)の存在
企業としてのコンプライアンス意識向上
もちろん、残念ながら悪質な業者が完全にいなくなったわけではありません。
しかし、情報が溢れる現代において、お客様自身が少しでも「おかしいな」と感じたら、
すぐに情報を調べたり、第三者に相談したりできる環境が整っています。
不動産取引は、ほぼ不動産会社を介さないと出来ない行為です。
この業界で働く一人として、悪徳業者は無くなってしまえ!と思います。
マジメにやっている身からすれば、迷惑の何物でもありません。
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
記:代表 原田