
Vol.122 変動金利vs固定金利。あなたの「性格」で選ぶべきは?
変動金利vs固定金利。あなたの「性格」で選ぶべきは?
新しいマイホームの購入。
希望に満ちたその一歩を踏み出す際に、誰もが直面する大きな選択の一つが「住宅ローンの金利タイプ」です。
「変動金利」か「固定金利」か。
どちらを選ぶべきか、インターネットで調べれば様々な意見が飛び交い、
頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
「今は金利が低いから変動金利一択だよ!」という声もあれば、
「いや、将来の金利上昇リスクを考えたら固定金利でしょ」という慎重な意見もあります。
結論から申し上げますと、住宅ローンの金利タイプに「絶対的な正解」はありません。
なぜなら、その選択は、あなたの「将来に対する考え方」や「お金に対する向き合い方」、
つまりはあなたの「性格」と深く結びついているからです。
この記事では、住宅ローンを「お金に対する考え方」という切り口で紐解いていきます。
ご自身の性格と照らし合わせながら、最適な金利タイプを見つけるヒントにしてください。
タイプA:リスクを避け、堅実に計画を立てたいあなたへ
選ぶべきは「固定金利」
「将来のことは不確定要素をなくしたい」
「毎月の支出はきっちり決めておきたい」
「急な出費や金利上昇で生活が苦しくなるのは絶対に避けたい」
と考えるタイプなら、固定金利があなたの「性格」に最もマッチしています。
そもそも固定金利とは?
住宅ローンの契約期間中、金利が一定のまま変わらないタイプです。
期間は全期間固定型と、当初10年や20年といった一定期間のみ固定するタイプがあります。
■固定金利のメリット
返済額がずっと変わらない安心感
最大のメリットは、何と言ってもこれに尽きます。
契約時に決まった毎月の返済額は、金利が上がろうが下がろうが、完済まで変わりません。
将来のライフプラン(教育費、老後の資金計画など)を立てやすく、家計管理が非常に安定します。
金利上昇リスクから完全に解放される
世界経済の動向、日本の金融政策の変化によって、将来的に金利が上昇する可能性はゼロではありません。
しかし、固定金利を選んでいれば、そうした外部環境の変化を一切気にする必要がありません。
精神的な安心感は計り知れないでしょう。
長期的な家計の見通しが立てやすい
「子どもの教育費が一番かかる時期に金利が上がったらどうしよう…」といった不安を抱く必要がありません。
完済までの総返済額が契約時に確定しているため、長期的なマネープランが明確になります。
■固定金利のデメリット
変動金利よりも金利水準が高い傾向にある
安心を買うためのコストとして、固定金利は一般的に変動金利よりも高めに設定されています。
契約した時点の金利が市場の動向によって変動金利よりも割高になる可能性があります。
金利が下がっても恩恵を受けられない
もし市場の金利が大幅に下がったとしても、固定金利で契約しているあなたの返済額は変わりません。
市場の恩恵を享受できないことは、割り切る必要があります。(ただし、借換えという選択肢もあります)
<どんなライフプランの人に向いている?>
教育費や老後の資金計画を重視する方
将来的に出費が増える時期が決まっている場合、返済額が安定していることは大きな強みになります。
共働きで、出産や育児で一時的に収入が減る可能性がある方
収入が不安定になる時期がある場合、返済額が固定されていることで、家計の不安を軽減できます。
金利の動向を常にチェックするのが面倒な方
一度決めたら、あとは淡々と返済を進めたい、というシンプルな考え方の方にも向いています。
タイプB:変化を楽しみ、合理的な判断を好むあなたへ
選ぶべきは「変動金利」
「多少のリスクは許容できる」
「金利が低い今は、その恩恵を最大限に享受したい」
「将来の経済状況に合わせて、柔軟に対応できる自信がある」
と考えるタイプなら、変動金利があなたの「性格」に最もマッチしています。
さて、変動金利とは?
市場の金利動向に合わせて、定期的に金利が見直されるタイプです。
一般的には半年に一度、金利の見直しが行われ、5年ごとに返済額が見直されるのが一般的です。
■変動金利のメリット
固定金利よりも金利水準が低い
最大の魅力は、その圧倒的な低さです。
金融機関の競争も激しく、現在は0.5%を下回る金利で借りられるケースも珍しくありません。
毎月の返済額を抑え、借入当初の家計負担を軽くすることができます。
金利が下がれば返済額も減る
市場金利が下がれば、その恩恵をダイレクトに享受できます。
過去には、金融緩和政策によって金利が下がり、返済額が減少した方も多くいらっしゃいます。
借入総額を抑えられる可能性がある
低金利が続けば、固定金利よりも総返済額を大幅に抑えることができます。
これは大きな経済的メリットです。
■変動金利のデメリット
金利上昇リスクを常に抱えている事が一番の不安材料です。
急激に金利が上がった場合、下記の様な対応策がなされます。
5年ルール
金利が上昇しても、5年間は毎月の返済額は変わりません。
1.25倍ルール
5年後の見直し時に返済額が増える場合でも、それまでの返済額の1.25倍が上限となります。
これらのルールがあるため、急激な返済額の増加は抑えられますが、返済額が増加する可能性は常にあります。
最悪の場合、返済額のうち利息分ばかりが増え、元金がなかなか減らない「未払い利息」が発生するリスクもゼロではありません。
変動金利の最大のデメリットは、金利上昇リスクです。
もし金利が上がれば、毎月の返済額が増える可能性があります。
家計の見通しが立てにくい
将来の返済額が確定していないため、将来のライフプランを立てる際に不確定要素が残ります。
金利の動向を注視し、ある程度の変動に備えておく必要があります。
金利や経済の動向に気を配る必要がある
「金利は今どうなっているかな?」「日銀の金融政策は?」など、
経済ニュースに常にアンテナを張っておく必要があります。
<どんなライフプランの人に向いている?>
共働きで、夫婦ともに収入が安定している方
万が一、金利が上昇しても、世帯収入に余裕があれば対応できます。
短期的な返済を計画している方
数年以内に大きな繰り上げ返済を予定しているなど、借入期間が比較的短い方は、低金利の恩恵を最大限に受けやすいでしょう。
金利上昇に備えて、預貯金をしっかり確保できる方
変動金利を選ぶなら、金利上昇に備えて、いつでも繰り上げ返済ができるように手元資金を厚めに持っておくのが鉄則です。
要は、金利が上昇することを前提として変動金利を選ぶ必要があります。
タイプC:いいとこ取りをしたい、臨機応変なあなたへ
選ぶべきは「ミックス(組み合わせ)」
「固定金利の安心感も欲しいけど、変動金利の低金利も捨てがたい…」
そんな風に悩む、まさに「優柔不断」な性格…いえ、「臨機応変」なあなたには、
「ミックスローン」や「金利見直し型」といった、複数の金利タイプを組み合わせる方法が向いています。
なるほどな、ミックスローンとは?
一つの住宅ローンを、変動金利と固定金利に分割して借りる方法です。
例えば、「借入額4,000万円のうち、2,000万円は固定金利、残りの2,000万円は変動金利」といった形です。
■ミックスローンのメリット
リスクとリターンのバランスが取れる
金利上昇リスクを一部に抑えつつ、低金利の恩恵も享受できます。
ライフプランに合わせて柔軟に調整できる
「子どもが小さい頃は返済額を抑えたいから変動金利の割合を多く、教育費がかかる時期に備えて固定金利の割合を増やす」といった戦略も可能です。
■ミックスローンのデメリット
手続きが複雑になる 複数のローンを組むため、事務手数料や保証料が二重にかかるケースがあります。
管理が煩雑になる 返済日や返済額が異なる場合があり、家計管理が少し複雑になります。
結論、あなたの「性格」と「人生計画」が答えを導く
ここまで、金利タイプを「性格」という切り口で解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
もう一度、それぞれのタイプをおさらいしましょう。
タイプA(堅実・計画派) → 固定金利
⇒ 将来の安心を最優先したい。多少コストをかけても、不確実性を排除したいと考える方。
つまり、定期預金タイプ
タイプB(合理的・柔軟派) → 変動金利
⇒ 多少のリスクは受け入れられる。今の低金利のメリットを最大限に活かし、浮いた分を有効活用したいと考える方。
つまり、株式などの投資タイプ
タイプC(臨機応変・いいとこ取り派) → ミックスローン
⇒ 固定金利の安心感も、変動金利の低さも捨てがたい。バランスを重視したい方。
住宅ローンの選択は、単なる金利の数字選びではありません。
それは、あなたの人生設計そのものです。
「もし金利が1%上がったら、毎月の返済額はいくら増えるだろう?」
「その増えた分を、家計は吸収できるだろうか?」
ぜひ、ご自身のライフプランを具体的に描きながら、シミュレーションをしてみてください。
そして、最終的な判断を下す前に、ぜひ専門家にご相談ください。
私たち不動産のプロは、物件探しだけでなく、
お客様一人ひとりの将来を見据えた住宅ローンのご提案も得意としております。
「うちの家計で変動金利は大丈夫?」
「ミックスローンって具体的にどういう組み方ができるの?」
漠然とした不安や疑問を、ぜひ私たちにぶつけてください。
お客様の「性格」と「人生計画」に寄り添い、最適な住宅ローンの選択をサポートさせていただきます。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池