
vol.220 不動産の確定申告について考えよう
不動産と確定申告:購入者・売却者・投資家それぞれのポイントを徹底解説!
不動産に関わると、多くの人が一度は頭を悩ませるのが「確定申告」です。
会社員として給与所得だけなら会社がやってくれますが、不動産が絡むと自分で申告しないといけない場面がやってきます。
この記事では、
✔ 不動産を買った人
✔ 不動産を売った人
✔ 不動産で収益を得ている投資家
の三者それぞれに向けて、何を申告するのか、いつやるのか、どんな税金がかかるのかをわかりやすく解説します。
1.確定申告の基本:まずはここから!
確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の収入と経費を税務署に報告して、税金を確定させる手続きです。
申告期間は通常、翌年2月16日頃〜3月15日頃まで。これは不動産でも同じです。
不動産に関する申告が必要なケースは大きくわけて3つあります。
不動産収入があるとき(家賃収入など)
不動産を売って利益が出たとき(譲渡所得)
減価償却などで経費を計上したいとき
それぞれのパターンで申告内容や税金の計算方法が変わります。
2.不動産購入者(住まいとして買った人)
✔ 初めて家を買ったから何も申告しない?
最初に安心させておくと、購入しただけでは確定申告は不要です。
確定申告は「収入」や「譲渡(売却)」が発生した場合に必要になるものです。
ただし、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けたい場合は、初年度だけ確定申告が必要になります。
これは、住宅ローンを組んで住宅を買った人が、年末のローン残高の一定割合を所得税から控除してもらう制度です。
この場合、購入関連の書類(登記事項証明書・契約書・ローン年末残高証明書など)をそろえて申告します。
3.不動産売却者(不動産を売った人)の確定申告
不動産を売って利益(売却益・キャピタルゲイン)が出た場合、確定申告が必要になります。
ここは多くの人がわかりにくい部分なので、丁寧に見ていきましょう。
✔ 不動産売却で何を申告する?
不動産売却で申告するのは、「譲渡所得(Capital Gains)」という利益です。
これは単純に「売った値段 − (買った値段 + 経費 など)」で計算します。
売却益には税金がかかりますが、重要なのは所有期間によって税率が変わることです:
短期譲渡(所有5年以下)
→ 高い税率:約39%前後の税金がかかることが多いです。
長期譲渡(所有5年超)
→ 低い税率:約20%前後で税金がかかります。
この5年ルールは、「取得した年の1月1日を基準」にするので注意が必要です(カレンダー年ベースで判断)
✔ ただし「住まいの売却」は特別!
自分が住んでいた家を売った場合は、「3,000万円の特別控除」という強力な節税制度があります。
これは、売却益から最大3,000万円を控除できる制度です。
この控除が使えると、売却益が3,000万円以下なら税金がゼロになることも珍しくありません。
ただし、この控除を受けるには確定申告が必須です。
申告しないと自動では適用されません。
✔ 非居住者が売却する場合の注意
外国に住んでいる人が日本の不動産を売る場合、売却時に源泉徴収(税金の前払い)がかかります。
買主が売却金額の約10.21%を税務署に預ける仕組みですが、後で確定申告をして正確な税額に再計算し、過払い分を取り戻すことができます。
4.不動産投資家向けの確定申告
不動産投資家が確定申告で扱う主な項目は次の通り:
■ 家賃収入(不動産所得)
投資物件から得る家賃収入は、「不動産所得」として申告します。
これは給与所得とは別に計算されます。
たとえば、家賃収入があっても…
管理費
修繕費
火災保険料
固定資産税
減価償却費(建物部分)
ローン利息
などを経費として差し引くことができます。
特に減価償却は実際にお金が出ていなくても経費として計上できるため、節税効果が高いのが特徴です。
■ 青色申告 vs 白色申告
不動産投資家は一般的に 青色申告 を選ぶことが多いです。
青色申告には以下のメリットがあります:
✔ 最大65万円の特別控除
✔ 赤字を翌年以降に繰り越せる
✔ 損失を他の所得と相殺できる
確かに帳簿づけが必要ですが、節税メリットが大きく、継続的に投資する人にはおすすめです。
■ 赤字でも申告した方がいい場合
実は、不動産所得が赤字になる場合でも申告した方が得することがあります。
これは「損益通算」という制度で、不動産所得の赤字を給与所得など他の所得と相殺できる場合があるためです。
うまく利用すると、給与所得の税金を減らせることがあります。
5.確定申告の流れ(不動産関連版)
1年間の収入と経費を整理する
家賃収入・売却益・経費項目をまとめる帳簿・書類を準備する
領収書・契約書・ローン残高証明書など申告書を作成する
国税庁のサイトや会計ソフトを使うと楽です税務署に提出する
e-Tax(オンライン)も可能
不安な場合や複雑なケース(売却・多物件・海外在住など)は、税理士に相談するのもおすすめです。
6.まとめ:不動産と確定申告
不動産の確定申告は、最初は取っつきにくいですが、ポイントを押さえれば怖いものではありません。
✔ 住まいの購入は基本的に申告不要
✔ 売却益は必ず申告(特例控除も活用!)
✔ 投資家は家賃収入と経費を正しく申告
✔ 青色申告で節税メリット大!
さらに、節税制度を活用することで、支払う税金を大きく減らすことも可能です。
当社提携先の税理士へのご相談も可能です。
ご不明点がございましたらお気軽にご相談ください。
記:宅地建物取引士 原田