
vol.221 固定資産税のアレコレ
不動産オーナー必見!「固定資産税が上がる設備」とは?
不動産を所有していると毎年やってくるのが 固定資産税(+都市計画税)。
支払う金額は1月1日時点の所有状況をもとに決まります。日本では、土地・建物だけでなく、償却資産として扱われる設備も税金の対象です。
そして、ある設備を設置すると、その分 固定資産税が上がる可能性があることを知らない人も意外と多いはず。
■ まずは基礎知識:そもそも固定資産税って?
固定資産税とは、あなたが所有する不動産(土地+建物)に対して毎年課される税金です。
税率は標準で評価額 × 1.4%で計算され、自治体によっては都市計画税(最大0.3%)も上乗せされます。
評価額とは、公示価格などを基に役所が決める「税務上の価格」です。
この評価額が高くなれば、その分税額も上がる仕組みです。
■ 設備で変わる?固定資産税の評価の仕組み
固定資産税の評価は、建物の「本体の価値」だけでなく、建物に含まれる設備の価値も考慮されます。
役所は建物を細かく「点数制」で評価し、建材・設備の種類、構造、仕様のグレードなどに応じて価値を決めています。
そのため、同じ大きさの建物でも設備の種類によって評価額が変動するのです。
固定資産税が上がりやすい「設備・仕様」7選
以下は、固定資産税の評価額を押し上げやすい設備や仕様の具体例です。
新築・リフォーム時に知っておくと節税にも役立ちます。
■ ① ホームエレベーター・エレベーター設備
ホームエレベーターは、建物評価額を高くする代表格です。
快適性・利便性が高い設備として評価が高くなる
評価額がそのまま税額に影響してくる
例えば住宅用でも1基設置しただけで、毎年数万円単位で税額が増えるケースがあります。
■ ② システムキッチン(高機能・高額仕様)
一般的なキッチンと比較して、以下のような高機能キッチンは評価が高くなりがちです。
✔ 大理石カウンター
✔ ビルトイン家電
✔ 本格的な調理機能や収納機構
評価額が上がると固定資産税も上昇します。
■ ③ 床暖房/高機能暖房
床暖房は快適性が大きく評価されるため、一般設備より税評価が高めになることが多いです。
特に電気式床暖房は評価が高く、税額アップの原因になりやすい点にも注意が必要です。
■ ④ 開閉式の天窓(トップライト)や大開口窓
開閉式天窓は建物の価値を上げる設備として評価され、固定資産税にも反映されることがあります。
これは室内の採光性やデザイン性という付加価値が評価されるためです。
■ ⑤ 屋根一体型太陽光発電設備
屋根に組み込むタイプの太陽光発電設備は、省エネ性だけでなく評価額を上げる要因になります。
特に「屋根一体型」は単体設備として価値を評価されるケースになりやすく、税額にも影響します。
■ ⑥ 建材のグレード・構造仕様(鉄骨・高耐久材)
住宅本体でも、以下のような仕様が評価額を引き上げます:
✔ 鉄骨造
✔ 高品質断熱材
✔ 高耐久外装・屋根材
評価額が高い=再建築コストが高いと見なされるため、税金が多くなる可能性があります。
■ ⑦ 豪華な和室・造作や建具
例えば「床の間が広く豪華」「高級建具を多用」といったケースは、評価額に影響します。
これは建物全体の価値を押し上げるため、結果的に固定資産税も高くなることがあります。
設備が税額に反映される「仕組み」を知ろう
固定資産税の評価額は、役所が調査した「建物の再建築価格」を基に決められます。
このとき建材や設備ごとに「点数」が設定され、点数が高いほど評価額が上がります。
つまり、グレードの高い設備や価値が高いと判断される設備ほど税額が高くなりやすいのです。
設備ごとの考え方:本当に固定資産税が上がるの?
ただし「全ての設備が必ず税額アップになる」というわけではありません。
✔ 移設可能な家具や家電は税額に影響しない
✔ 建築確認申請が必要な工事は評価額に反映されやすい
✔ 建物の大きさ・構造・築年数が基本評価の中心
つまり、建築確認申請が必要で役所が価値を評価する対象になる設備ほど影響が出やすいと考えると理解しやすいです。
節税対策のヒント
設備を選ぶ際に評価額を意識すると、長期的な税負担のコントロールに役立ちます。
✔ 優先度の高い快適設備だけを導入
✔ 税評価が上がりにくい規格・仕様を選ぶ
✔ 新築の固定資産税軽減措置を活用(住宅に条件あり)
新築住宅で一定条件を満たすと固定資産税評価額が一定期間半額になる軽減措置があるため、設備導入前に制度もチェックしておくことがおすすめです。
まとめ:固定資産税は「設備でも変わる」
固定資産税は単に土地や建物の面積だけで決まるものではありません。
建物の仕様や設備の 価値=再建築価格 が評価額に影響し、その評価額に税率をかけて税額が決まります。
設備を導入する前に
✔ 本当に必要か
✔ 将来の税負担はどうなるか
✔ 税制の軽減制度がないか
を考えると、長い目で見た税負担と満足度のバランスが取れるはずです。
記:宅地建物取引士 原田