
Vol.278 読んでみて損はないかと思います。ここにたどり着いたのも縁。ちょっとクリックされてみては?
不動産に関わる契約書、本当に法的効力ある?
― 契約書は万能ではない。だからこそ知っておくべき現実 ―
「契約書があるから安心」は本当?
不動産の取引や賃貸で、必ず登場するもの。それが契約書です。
■売買契約書
■賃貸借契約書
■管理委託契約書
多くの方が、
「契約書に書いてあるんだから大丈夫」
「契約書があるから法的に守られる」
そう思っているかもしれません。
しかし、現実は少し違います。
1.契約書の正体は「約束事のメモ」
まず、大前提として知っておいてほしいこと。
契約書とは、お互いの約束事を文章にしたもの
それ以上でも、それ以下でもありません。
つまり、契約書がある = すべて法的に通るではないのです。
2.法的効力は「書いてある内容」より「状況」で決まる
ここが一番の誤解ポイントです。
裁判や紛争になった場合、契約書は確かに重要な資料になります。
ただし、
■その内容が妥当か
■一方的に不利ではないか
■社会通念上、許される内容か
こうした点を踏まえて、今の状況(現状)をもとに判断されます。
3.「契約書に書いてある」は最強ではない
よくあるトラブルで、こんな声があります。
「契約書に書いてあるんだから、守るべきだ」
ところが実際には、
■消費者に一方的に不利
■内容が曖昧
■説明不足だった
こうした場合、契約書の記載がそのまま通らないケースも珍しくありません。
4.不動産トラブルの多くは「民事」
不動産に関わるトラブルのほとんどは、刑事ではなく民事です。
民事とは、
■白黒はっきりつけるものではない
■お互いの主張を整理するもの
最終的な目的は、「和解」。
裁判官も、基本的には「どこで折り合いをつけるか」を探っていきます。
5.それでも決着がつかなければ「判決」
和解がどうしても成立しない場合、初めて判決が出されます。
ただし、
■時間がかかる
■費用もかかる
■精神的な負担も大きい
だからこそ、多くのケースでは判決まで行かず、
途中で折り合いをつけることになります。
【特に注意したい「賃貸借契約書」】
ここで一番誤解されやすいのが、賃貸借契約書です。
現実的に、
あてにならない部分も多い
これは、契約書がダメなのではなく、法律の考え方が「借主保護」寄りだからです。
じゃ、何のための契約書なのさっ!?
ホントそうです。
裁判になったとしても、証拠の一つでしかなく、強気にいけるものではありません。
6.書類に書いてあっても通らないことがある
例えば、
■原状回復の範囲
■修繕費の負担
■解約時の条件
これらは契約書に書いてあっても、
■経年劣化
■通常損耗
■社会通念
を踏まえて判断されます。
つまり、
■書いてあるから全額請求できる
■書いてあるから絶対通る
という話ではありません。
【契約書を「武器」にしてはいけない】
契約書の悪用は禁止
■相手を脅す
■無理な要求を通そうとする
■書いてあるからと押し切る
こうした使い方をすると、
■信頼関係が崩れる
■話し合いがこじれる
■結果的に不利になる
ことが多いのが現実です。
【本当に大切なのは「内容理解」と「関係性」】
不動産において一番重要なのは、
■契約書を読むこと
■内容を理解すること
■分からないことを確認すること
そして、
話ができる関係性
これがあれば、大きなトラブルにはなりにくいでしょう。
契約書は万全なものでも最強のツールでもないと言うコトは、
お分かりいただけましたでしょうか?
コレは、私たちが一番最初に「裁判」と相対して驚いたコト。
勉強になった経験でもあります。
契約書だなんて重々しく書いてあっても、実際そんなコトない。
だからと言って、軽視してはならない。
それが、契約書なんですね。。。
記:宅地建物取引士 原田