
Vol.289 地鎮祭ってやった方が良い???
地鎮祭ってやった方が良い???
~実は不動産のプロも気にする「土地の儀式」〜
家づくりを始めると、
それは、「地鎮祭(じちんさい)」 。
工事が始まる前に神主さんを呼び、
テレビやドラマで見たことがある方も多いかもしれません。
しかし、実際に家を建てるとなると、こんな疑問が出てきます。
■地鎮祭って本当に必要?
■やらないと何か問題がある?
■そもそも何のための儀式?
不動産会社の立場から見ても、地鎮祭は「やる人」と「
今回はそんな 地鎮祭の意味 について、
1.地鎮祭とは何をする儀式?
地鎮祭とは簡単に言うと、「土地の神様に挨拶をする儀式」です。
「これからここに建物を建てます。どうか工事が安全に進みますように」
という願いを込めて行います。
一般的には次のような流れになります。
神主さんが土地を清める
↓
工事の安全を祈願する
↓
施主や工事関係者がお祈りをする
↓
砂山を崩す儀式(鍬入れ)
↓
お神酒やお供えをする
時間としては 30分〜1時間程度。
神社によって多少の違いはありますが、
2.日本では昔から続く習慣
地鎮祭の歴史はかなり古く、起源は奈良時代と言われています。
昔の人は、土地には神様が宿っていると考えていました。
そのため、「土地を使わせてもらう前に挨拶をする」という考え方が生まれたのです。
現代では宗教的な意味だけではなく、工事の節目としての行事という意味合いも強くなっています。
3.地鎮祭は必ずやるものなのか?
結論から言うと、必ずやらなければならないものではありません。
法律上の義務はありません。
実際、最近は地鎮祭を行わないケースも増えています。
■理由としては
■費用がかかる
■スケジュール調整が大変
■宗教的な意味を重視しない
などがあります。
しかし、不動産や建築の現場では今でも、「やる人は結構やる」という印象があります。
体感としては、半分くらいの方が実施しているイメージです。
特に、収益物件を建てる際は、やる方が多い傾向にあります。
【地鎮祭の費用】
気になる費用ですが、一般的には3万円〜5万円程度が多いです。
これは神社へのお礼(初穂料)です。
その他に必要なものとしては、お供え物・竹・砂テントなどがありますが、
最近はハウスメーカーや工務店が準備してくれることが多いです。
施主としては当日参加するだけ、というケースも多いです。
4.不動産のプロは地鎮祭をどう見ているか?
ここからは少し現場の話です。
不動産会社や建築会社の人たちは、
理由はいくつかありますが、メインは工事の安全祈願です。
建築現場では、重機・高所作業・大工工事など危険を伴う作業もあります。
そのため、「事故なく工事が終わりますように」という意味で、地鎮祭を行うことがあります。
そして、もう一つ、「近隣への挨拶」の意味もあります。
これは、近隣への印象です。
工事が始まると、騒音や振動、車の出入りどで近隣に迷惑をかけることもあります。
そんなとき、地鎮祭を行っていると、「ちゃんとした人なんだな」
という印象を持ってもらいやすくなります。
つまり地鎮祭は、近所との関係づくりの第一歩という側面もあるのです。
5.不動産会社のちょっとした本音
ここで少しだけ、不動産会社の本音をお話しします。
実は地鎮祭をやると、現場の空気が少し変わります。
神主さんが来て、土地を清めて、皆で手を合わせる。
すると不思議と「いよいよ始まるな」という雰囲気になります。
これは気持ちの問題かもしれませんが、建築に関わる人たちの多くは、
土地に対する敬意を持っている人が多いです。
だからこそ、「やるとやっぱり気持ちがいい」という声もよく聞きます。
もちろん、地鎮祭をやらない方もたくさんいます。
その場合は、家族で塩やお酒を撒いたり、現地で軽くお祈りするなど、簡単な形で済ませるケースもあります。
これでも特に問題はありません。
要は、気持ちの問題です。
6.土地に対する考え方
日本では昔から、土地には歴史があると考えられてきました。
そこには、昔住んでいた人や誰かに使われていた土地、自然環境など様々な背景があります。
地鎮祭は、その土地に対して「これからお世話になります」と、
挨拶するような行事とも言えるでしょう。
こうした神への信仰心からくる、日本人としてDNAに刷り込まれた想い。
だからこそ、地鎮祭といった「土地の神様に挨拶し、工事の安全を祈願する儀式」に
重きを置かれれる方も多いところでもあります。
地鎮祭をやるかどうかで建物の価値が変わるわけではありません。
しかし、「家づくりのスタートをどう迎えるか」という意味では、とても象徴的なイベントです。
これから家を建てる予定の方は、「やる・やらない」どちらが正解ということはありません。
ただ一つ言えるのは、土地も建物も、長く付き合う大切な資産。
そのスタートとして、少しだけ土地に挨拶してみる。
そんな日本らしい文化も、なかなか良いものかもしれません。
個人的には、そうした気持ちである事は、人として素晴らしいと思います。
私なら、やります。
記:宅地建物取引士 原田