
Vol.290 新築マンションのモデルルームに惑わされるな!
新築マンションのモデルルームに惑わされるな!
~キラキラ空間の裏側にある「不動産のリアル」~
新築マンションの売主さんごめんなさい。。。
自分の経験でもあります。言っちゃいます。
新築マンションを検討していると、
受付には笑顔のスタッフ、ふかふかのソファ、
そして案内されるのは、
「こんな家に住めたらいいなあ…」
多くの人が、そんな夢を膨らませます。
しかしここで、ひとつ冷静に考えていただきたいことがあります。
モデルルームは、あくまで“売るための演出空間”。
今回は、
「
1.モデルルームは「理想の生活」を演出する舞台
まず大前提として、モデルルームは「実際の部屋」
簡単に言えば、マンション版ディズニーランドのようなものです。
つまり、夢を見てもらう場所。
そして「ここに住みたい!」という気持ちを高めてもらう場所。
そのため、モデルルームには様々な“演出”が仕込まれています。
例えば、
・高級家具
・間接照明
・広く見えるレイアウト
・オプション満載の設備
などなど。
つまり、「このまま住める部屋」ではないという点を理解しておく必要があります。
2.実は広く見える「家具マジック」
モデルルームでよくあるのが、部屋がやたら広く感じる現象。
「あれ?このリビング、20畳くらいありそう!」
と思ったら、実際は14畳だったということも珍しくありません。
なぜか。
理由はシンプル、家具が小さいから。
例えば、
・ソファが通常より小さい
・ダイニングテーブルがコンパクト
・テレビが壁掛け
など、空間を広く見せる工夫がされています。
さらに、通路スペースをあえて広く取るレイアウトになっていることも多いのです。
実際に自分の家具を置いたら、「こんなに狭かったの!?」というケースもあります。
3.天井が高く見えるトリック
モデルルームでは、天井が妙に高く感じることがあります。
しかしこれも演出のひとつ。
例えば、
・カーテンレールを天井近くに設置
・背の低い家具を配置
・縦ラインのインテリア
などを使い、視覚的に天井を高く見せているのです。
実際の住戸では、梁(はり)が出ていたり、天井が下がっている部分があったりと、
印象が変わることもあります。
4.オプションだらけの「夢の部屋」
モデルルームで一番注意してほしいポイント。
それは、展示されている設備の多くがオプションということです。
・食洗機
・床暖房
・高級キッチン
・造作収納
・エコカラット
・ダウンライト
・アクセントクロス
など、見た目が豪華なほどオプション率が高いと思ってください。
実際には、「この部屋、標準仕様はかなりシンプルだった」ということもあります。
ちなみに、マンションの営業担当はよくこう言います。
「こちらはオプションですが、人気がありますよ」
この言葉の裏側は、「追加費用がかかります」という意味です。
5.モデルルームは「一番良い間取り」が多い
モデルルームで使われる部屋は、そのマンションの“エース間取り”であることが多いです。
・角部屋
・広めのタイプ
・形がきれいな間取り
などなど。
しかし、実際に販売される住戸は、
・柱が出ている
・細長いリビング
・窓が少ない
といった部屋も当然あります。
つまり、「モデルルームの印象=購入する部屋の印象」とは限らないのです。
6.生活感ゼロの空間にだまされるな
モデルルームが美しく見える最大の理由は生活感がないからです。
・ティッシュ箱がない
・ゴミ箱がない
・配線が見えない
・収納の中がスカスカ
です。
でも実際の生活では、
・掃除機
・ストック食品
・洗剤
・子どものおもちゃ
・季節物の家電
など、いろいろ増えていきます。
つまり、現実の生活は、モデルルームの2割増しで物が増えると考えておいたほうがいいでしょう。
7.もうひとつ大事な「現地確認」
モデルルームに行くと、多くの場合、建設予定地とは別の場所にあります。
そのため、「建物の雰囲気」ばかり見て、立地をよく確認していないというケースもあります。
しかし不動産で一番大事なのは、立地です。
必ず、
・駅までの距離
・周囲の建物
・騒音
・日当たり
・夜の雰囲気
などを、自分の目で、足で確認しましょう。
できれば、昼と夜、両方見るのがおすすめです。
昼は静かな住宅街でも、夜は飲食店街になることもあります。
8.モデルルームは、あくまでも「参考資料」として見る
ここまでくると、「モデルルームって意味ないの?」と思うかもしれません。
いいえ、そんなことはありません。
モデルルームは、
・設備の質感
・間取りのイメージ
・建物コンセプト
を知るには、とても参考になります。
ただし、「現実そのまま」と思わないこと。
これが大切です。
イメージとしては、住宅のカタログの立体版くらいの感覚がちょうどいいでしょう。
【夢を見る場所、でも判断は冷静に】
新築マンションのモデルルームは、とてもよくできています。
・広く見える
・おしゃれ
・住みたくなる
これはすべて、プロの演出です。
だからこそ、「うわー!ここに住みたい!」と感動するのは、ある意味正常な反応です。
しかし、不動産購入は、人生で一番大きな買い物のひとつ。
夢だけで決めるのは危険です。
モデルルームを見るときは、ぜひこのブログを思い出して下さい。
夢を見る場所として楽しみつつ、判断は冷静に。
それが、新築マンション選びで失敗しないコツなのです。
そしてもし、物件選びで迷ったときは、不動産のプロに相談してみるのもひとつの方法です。
第三者の目線で見ることで、モデルルームでは見えなかった“本当の価値”
住まい選びは、人生を左右する大事な決断。
ぜひ、キラキラしたモデルルームに惑わされず、自分にとって本当に良い住まいを見つけてください。
記:宅地建物取引士 原田