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Vol.390 個人「間」売買で家を買う・売るメリットとリスク。

メリット・デメリット

不動産会社に「仲介手数料」を払う本当の意味


「知り合い同士だから、不動産会社を通さなくても大丈夫。」
「仲介手数料がもったいないから、個人間で売買したい。」
「親族間なら契約書だけ作れば問題ないのでは?」


近年、このような相談を受ける機会が増えています。


確かに、不動産会社を介さずに個人間で不動産を売買することは法律上可能です。


しかし、不動産取引は数百万円から数千万円、時には1億円を超える大きな契約です。


仲介手数料を節約できたとしても、その代償として大きなトラブルや損失を抱えてしまうケースも少なくありません。


今回は、不動産会社の立場から、個人間売買のメリット・デメリット、

そして「仲介手数料」の本当の意味について詳しく解説します。

※不動産会社が仲介として入り、売主個人ー買主個人の契約も個人間売買と称しますが、

ここでは、あくまでも不動産会社が未介入時について、解説していきます。



1.個人間売買とは?


個人間売買とは、その名のとおり、不動産会社を仲介せず売主と買主が直接契約を行う売買方法です。


例えば、

・親子間での売買
・兄弟姉妹間での売買
・友人・知人同士の売買
・勤務先の同僚との売買
・近所同士の売買

などが代表例です。


近年ではSNSやインターネットを通じて知り合い、個人間で売買するケースも見られるようになりました。



2.最大のメリットは仲介手数料が不要になること


個人間売買で最も大きなメリットは、仲介手数料が不要になることです。


不動産会社へ仲介を依頼すると、法律で定められた上限の範囲内で仲介手数料が発生します。

例えば4,000万円の物件なら、仲介手数料は決して小さな金額ではありません。

そのため、「この費用を節約したい」という理由で個人間売買を選択する方もいます。


しかし、本当に節約できるのでしょうか?



【仲介手数料は「契約書代」ではありません】

仲介手数料について、「契約書を作るだけの費用」と思われる方がいます。

しかし実際には、それだけではありません。


不動産会社は、

・価格査定
・市場調査
・権利関係の確認
・登記情報の調査
・法令上の制限確認
・住宅ローン手続きのサポート
・契約書類の作成
・重要事項説明
・引渡しまでのスケジュール管理
・金融機関や司法書士との調整
・トラブル防止のための説明

など、多岐にわたる業務を行っています。


つまり仲介手数料は、「契約書作成料」ではなく、

安全に不動産取引を完了させるための専門サービスに対する報酬なのです。



3.売買価格は適正なのか?


個人間売買で最も多い問題の一つが、価格設定です。


例えば、

「知人だから安く売ろう。」

「相場より高くても買ってくれる。」

こうした価格で契約すると、後々トラブルになることがあります。


特に親族間売買では、著しく低い価格や高い価格で売買すると、税務上の問題が生じる可能性もあります。


不動産会社は市場価格を分析し、周辺の成約事例や現在の相場をもとに適正価格を提案します。


適正価格を知ることは、売主・買主の双方を守ることにつながります。



4.住宅ローンが利用できないケースもある


意外と知られていませんが、個人間売買では住宅ローンの審査が通常の売買より厳しくなることがあります。


金融機関は、

・契約内容
・価格の妥当性
・売買の経緯
・親族間売買かどうか?

などを慎重に確認します。


場合によっては利用できる住宅ローン商品が限られたり、融資そのものが難しくなることもあります。


「買う人がローンを組めない」


となれば、売買そのものが成立しなくなる可能性もあります。



5.契約不適合責任を理解していますか?


以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていた制度は、現在では契約不適合責任となっています。

これは、引き渡した不動産が契約内容と異なる場合に、売主が一定の責任を負う制度です。


例えば、

・雨漏り
・シロアリ被害
・給排水設備の故障
・境界に関する問題
・建物の重大な不具合

などが後から見つかった場合、買主から修補や損害賠償などを求められることがあります。


個人間売買では、「知り合いだから大丈夫」という思い込みから、

契約内容が曖昧なまま進めてしまうケースがあります。


しかし、トラブルになった瞬間から、友人・親族との関係まで悪化してしまうことも珍しくありません。



6.境界問題は誰が確認する?


土地付き住宅の場合、境界の確認は非常に重要です。

・ブロック塀が越境している

・隣地との境界杭がない

・古い測量図しかない

このようなケースは決して珍しくありません。


不動産会社は必要に応じて土地家屋調査士などの専門家と連携し、事前に確認を行います。


個人間売買では、その確認を行わずに契約し、後になって隣地とのトラブルへ発展するケースもあります。



7.告知事項の説明は十分ですか?


売主には、買主へ重要な事項を説明する責任があります。


例えば、

・雨漏り歴

・シロアリ被害

・過去の修繕履歴

・近隣トラブル

・設備の故障

などを知っていながら説明しなかった場合、大きなトラブルへ発展する可能性があります。


不動産会社は売主から状況を確認し、告知書などを用いて記録を残します。

これにより、「言った・言わない」という争いを防ぐ役割も果たしています。



8.登記や引渡しも専門知識が必要


売買契約が終われば完了ではありません。


実際には、

・所有権移転登記

・抵当権抹消

・住宅ローン実行

・残代金決済

・固定資産税の精算

・鍵の引渡し

など、多くの手続きが待っています。


一つでもミスがあると、所有権の移転や融資実行に影響することもあります。

不動産会社は司法書士や金融機関と連携しながら、スムーズな引渡しをサポートします。



9.仲介手数料は「保険」のようなもの


仲介手数料を「高い」と感じる方もいらっしゃいます。

しかし、不動産会社の立場から見ると、その費用は単なる手数料ではありません。


価格査定、権利調査、契約書類の作成、重要事項説明、住宅ローンの調整、引渡しまでのスケジュール管理、

専門家との連携など、一つひとつの業務が安全な取引を支えています。


万が一のトラブルを未然に防ぎ、安心して売買を完了させるための費用と考えると、その意味は大きく変わります。


「何も問題が起きなかった」という結果こそが、不動産会社が果たした役割であることも少なくありません。



多様化と言う言葉が主流になり、様々な考えを持つ方、それを主張する方、受け入れる方、

これまでの日本社会ではなかった事が、表面化してきている時代です。


だからこそ、より自由にと、求めるものも変わってきている様にも感じます。


その一部、不動産の売買も不動産会社を使わずに進めている方も見かけます。


では、その行動がどうだったのかは、今答えが出るものでは無いと思っています。


いつかその時に後悔するかもしれないし、しないかもしれない。


アナタの考えはどうでしょうか?



記:宅地建物取引士  原田


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