
Vol.388 ハザードマップの盲点!!
「浸水エリア外」なのに大雨で床下浸水する 内水氾濫のリスクと見分け方
マイホーム探しにおいてハザードマップの確認は非常に重要です。
近年では、大雨による河川氾濫や土砂災害への関心が高まり、
しかし、ここで注意しなければならないことがあります。
それは、「浸水エリア外=絶対に水害リスクがない」ではないという事です。
実は、ハザードマップでは確認しにくい水害があります。
それが、内水氾濫(ないすいはんらん)です。
河川が氾濫していないにもかかわらず、
今回は、不動産会社の視点から内水氾濫の仕組み、
1.そもそも「内水氾濫」とは?
水害というと、多くの方は「川が増水して水があふれる」というイメージを持っています。
これは、外水氾濫(がいすいはんらん)と呼ばれるものです。
一方、内水氾濫とは、大量の雨が降り、下水道や排水設備の処理能力を超えることで、
つまり、川が近くになくても、高台にあると思っていても、
排水能力を超える雨が降れば浸水する可能性があります。
2.なぜ「浸水エリア外」でも浸水するのか?
理由はいくつかあります。
① 短時間で想定以上の雨が降る
近年増えているのが、短時間に猛烈な雨が降るケースです。
例えば、「1時間に50mm以上」のような集中豪雨では、
通常なら問題ない場所でも、一気に雨水が集中すると道路が川のようになることがあります。
② 地形によって水が集まる場所がある
ハザードマップだけでは分かりにくいのが、土地の高低差です。
同じ町内でも、
・周囲より低い場所
・坂道の下
・窪地
・昔の川や水路跡
などは雨水が集まりやすくなります。
不動産では、「駅から近い」・「南向き」・「価格が安い」だけではなく、
土地の形状を見ることが非常に重要です。
③ 下水道設備にも限界がある
都市部では、道路や住宅地の地下に下水管が整備されています。
しかし、下水道は無限に雨水を処理できるわけではありません。
想定を超える雨量になると、排水しきれない水が地表へ逆流することがあります。
これが内水氾濫につながります。
3.ハザードマップで確認できること・できないこと
ハザードマップは非常に有効な情報ですが、万能ではありません。
確認できるものとして、
・河川氾濫による浸水想定区域
・土砂災害警戒区域
・高潮リスク
・津波リスク
などがあります。
一方で、
・局地的な道路冠水
・短時間豪雨による排水不良
・敷地内への雨水流入
・近隣より低い土地
などは判断が難しい場合があります。
つまり、ハザードマップを見ることは重要ですが、それだけで判断してはいけません。
【内水氾濫リスクが高い土地の特徴】
では、どのような場所に注意すれば良いのでしょうか?
① 周辺より低い土地
現地を見ると、「平坦な土地」に見えても、実際には周辺より低くなっている場合があります。
確認ポイントは、
・隣の道路より敷地が低くないか
・道路が坂になっていないか
・雨の日に水が溜まりそうな場所ではないか
です。
② 道路の形状を見る
道路を見ることも重要です。
例えば、
・道路がすり鉢状になっている
・交差点の角が低い
・坂道の下にある
こうした場所は雨水が集まりやすくなります。
内見時には晴れていても、雨の日の状況を想像することが大切です。
③ 古い地名にはヒントがある場合も
昔から、土地の特徴を表す地名があります。
・谷
・沼
・池
・川
・窪
など、水に関係する言葉が含まれる地域は、過去の地形を知るヒントになることがあります。
もちろん、地名だけで判断することはできません。
しかし、土地の歴史を調べるきっかけになります。
4.中古住宅購入で確認したい「過去の浸水履歴」
住宅購入前には、過去の被害履歴を確認することも重要です。
確認方法として、
・自治体の公開情報
・過去の災害記録
・近隣住民への聞き取り
・不動産会社への確認
などがあります。
特に中古住宅の場合、「以前住んでいた人が何十年も暮らしていた」
という事実は重要な情報になります。
【現地確認で見るべきポイント】
現地内覧の際、確認したいポイントは、
敷地が、
・道路より低くないか?
・駐車場に水が集まりそうではないか?
・排水口の位置はどうか?
建物の、
・床下換気口の高さ
・基礎部分の汚れ
・過去の補修跡
周辺環境として、
・側溝の状態
・道路の傾斜
・マンホール周辺の高さ
などです。
写真やネット情報だけでは分からないこともあるんですね。
【不幸中の幸い「床下なら大した被害ではない」】と思われる方もいます。
しかし、床下浸水でも、
・断熱材への影響
・カビの発生
・害虫発生
・基礎部分の劣化
・臭いの問題
などにつながる可能性があります。
特に中古住宅では、過去の浸水歴が建物状態に影響している場合があります。
【火災保険で補償される?】
水害リスクを考える際、火災保険も重要です。
ただし、すべての水による被害が補償されるわけではありません。
加入している補償内容によって、
・床上浸水
・床下浸水
・水災補償
などの扱いが異なります。
住宅購入時には、物件選びだけではなく保険内容まで確認することが大切です。
近年の異常気象は、想定されているハザードレベルを一時的であっても超える可能性が、
日本全国どこでも増えてきました。
自然相手なので、自分が死ぬまでに被害がない可能性もあります。
ですが、いつでも起こる!と言った危機感を常に持っておきながらも対策を取っていれば、
そのイザが起こってしまっても、冷静に適切に対応できると思います。
備えあれば憂いなし
この言葉の意味は、その時に分かるはずです。
記:ライフプランナー 武井