Vol.57 再建築不可"物件って住めるの?買う意味ある?
再建築不可"物件って住めるの?買う意味ある?
今日はちょっとマニアックだけど気になる話題――“再建築不可物件”。
なんか名前からして「触れてはいけない不動産」感がすごいですよね。
「再建築不可ってことは、壊したらもう終わり?」
「そんなの誰が買うの?」
なんて思われがち。
でも実はこの“再建築不可物件”、使い方と考え方次第で、お得物件になる可能性もあるんです!
今回は、「再建築不可物件ってそもそも何?」から、「買って住めるの?」「どうやって使えば得なの?」という疑問に、お答えしていきます。
そもそも「再建築不可」って何?
まず「再建築不可物件」とは、読んで字のごとく、今ある建物を取り壊した後に“もう一度”建てることができない土地に建っている物件のことです。
「いやいや、何それ?」と思った方。ご安心を。
多くの人が最初そう思います。
この状態になる主な理由はズバリ、建築基準法にある「接道義務」に違反しているから。
▽接道義務って何?
建物を建てるには、その敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない――というルールがあります。
でも古い住宅街では、路地の奥にある家や私道の先にある家など、このルールを満たしていないケースがちらほら。
そのため、いったん壊したら「建て直しNG」というわけです。
家が“ワンチャンス”の存在になってしまうわけですね。
「住めるの?」→ 住めます!今の建物が残っていれば
では、こんな物件に住めるのか?
答えは、「はい、住めます」!
今ある建物がちゃんと存在していれば、居住に問題はありません(建築確認も通っていれば)
もちろん古い物件が多いので、以下のような点には注意が必要です。
・リフォームしながら住むか?
・耐震性や雨漏りなどの点検は必要か?
・建物が老朽化していても、取り壊す=終わり、なので補修するしかない!
このように、「壊せない=買っても使い道がない」と思われがちですが、 実際には住む・貸す・使うことは可能です。
つまり、“現存建物が主役”の物件なんです。
「買う意味ある?」→ 現金で買う&使い方次第でアリ!
さて、もっとも多く聞かれる疑問がこれ。
「再建築できないのに、買う意味あるの?」
答えは、「考え方によっては、大いにアリ!」です。
▽価格がとにかく安い!
最大の魅力はその価格。再建築不可というだけで、相場より2〜5割以上安くなることもあります。
東京都内でも「えっこの値段!?」と思うような物件が見つかる可能性あり。
たとえば、
・杉並区の再建築不可:1,200万円
・同じエリアの再建築OK物件:2,800万円
この価格差、夢があると思いませんか?
▽住宅ローンは基本NG!だから現金が必要
ただし、ここに落とし穴。
「再建築不可」=金融機関にとって担保価値が低い → 「住宅ローン出せません」になることがほとんど。
なので、現金一括払いが前提になります。
「現金はちょっと…」という方にはハードル高めですが、逆に言えば「手元資金をうまく活かしたい!」という人には、魅力的な選択肢。
親から相続した資金、退職金、宝くじ…(当たっていれば)などを活用するなら、一考の価値あり!
どう活かす?再建築不可の“使える”活用法
「再建築できないなら、何に使えばいいの?」というあなたへ。
使い道は意外といろいろあるんです。
① リフォームして住む
意外と「家は古いけど趣があっていい」という声も多い再建築不可物件。
・レトロな外観に手を加えてDIY!
・小さな庭付きの和風平屋!
など、昭和レトロブームもあり、“味わい住宅”として人気になることも。
② 賃貸用に活用
住まなくてもOKなら、賃貸物件として活用するのも手。
・安い賃料設定で、借り手がつきやすい
・古民家風リノベで民泊や長期滞在用に
・趣味のアトリエや作業場として貸す
一軒家ならではの魅力を活かすと、“再建築不可”が逆に武器になります。
③ 近隣住民に売る(もしくは連棟)
ちょっと上級編ですが、再建築不可物件は、隣地と一体で売買・開発されることで価値が回復するケースもあります。
「近隣の人が買ってくれたら再建築可能になる」 「2つの土地を合わせて再開発」 など、戦略的な出口がある場合も。
再建築不可は“不便”ではなく“個性”だ!
ここまで読むと、「再建築不可って、マイナスイメージの割に活用次第でアリじゃん?」と思った方もいるのでは?
もちろん、誰にでも勧められる物件ではありません。
・ローンが組めない
・建物が老朽化してる
・壊したら建てられない という制限があるので、しっかりリスクは把握しましょう。
でも逆に、
・安く買える
・現金で資産を活かせる
・リノベや賃貸で個性を活かせる
という魅力もあるんです。
まとめ:再建築不可を“可”にするのは、あなたのアイデア次第!
再建築不可物件、確かに“普通の家”とは違います。
でも、それが逆に「おもしろい!」と感じる人には、唯一無二の物件になるかもしれません。
大事なのは、「この物件、再建築不可だけど、どう活かせるか?」と考えること。
周囲が避けるからこそ、競争率が低く、工夫次第で“お得な不動産”に化けるチャンスがあるんです。
お金の使い方、住まいの価値観、人生のスタイル。
それらを見つめ直すきっかけとして、再建築不可物件――意外と、アリかもしれませんよ?
ただし、2025年の法律改定で、再建築不可物件においての業者を伴うリフォームは、建築確認申請が必要になってきました。
この点、どう考えるかにもよりますが、言いたいことはお分かりでしょうか???
さてさて、現実的に売れている事実があり、プロならプロほど目を付けます。
道路の状況で再建築出来ないのは正しい事でもありますが、さて、教科書通りにいかない事もザラにある世界。
入口で毛嫌いする事が、モッタイナイ事だって、ちょっと思いますよね。
記:宅地建物取引士 原田