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Vol.69 日当たりより大事!? “風の通り道”で決まる住み心地

不動産にかかわるノウハウ

日当たりより大事!? “風の通り道”で決まる住み心地




「日当たりのいい南向きがやっぱり一番!」…


…そう信じて疑わない方、多いですよね。



確かに太陽の光をたっぷり浴びて、洗濯物がカラッと乾くのは気持ちが良いもの。



でも、ちょっと待ってください。



「住み心地」という視点で家を選ぶなら、“風通し”という重要なチェックポイントを見落としていませんか?



今回は、実は日当たりよりも「快適な暮らし」を左右する“風の通り道”について、


プロの目線で深掘りしながら、風とともに暮らすヒントをお届けします!





そもそも「風の通り道」って何?


「風の通り道」


―それは、建物の中を風が抜けるルートのこと。


窓やドアの配置、開口部の向きや周囲の建物の立地条件によって、この風の通り道は大きく変わります。



「風が通る」とは単に風が入るだけではありません。



「入って」「抜ける」ことが大切。



入るだけで出て行かないと、室内に熱気や湿気がこもってしまい、まるでサウナのような空間に…。



風が抜ける家は、夏場は自然の風で涼しく、冬場も空気がこもらずカビや結露を防いでくれます



まさに“呼吸する家”。



実は日本の昔ながらの家屋は、この「風通し」を重視して設計されていたのです。




風通しの良い家は、何が良いのか?


1. 夏がグッと快適に!


風通しが良ければ、エアコンに頼らずとも涼しく過ごせる時間が増えます。



窓を開けて自然の風が部屋を駆け抜ける―それだけで体感温度が数度も変わるんです。


しかも電気代も節約!昨今の電気代の高騰を考えると、風のありがたさはまさに“神風”レベル。



2. カビ・結露とサヨナラできる


湿気がこもる家は、カビと結露の温床。


特に梅雨や冬は、室内の空気が動かないとすぐにカビ臭くなってしまいます。



風が通ることで、余計な湿気を外へ押し出し、空気を清潔に保てます。




3. におい問題も解決


ペットのにおいや料理の残り香など、室内にこもるにおいも風が流れればスッキリ。


毎日の換気で、“我が家の香り”が「芳香剤+生活臭」ではなく「爽やかな風の匂い」になります。




日当たり vs 風通し、どっちが大事?


もちろん、日当たりがいいことは間違いなく大切。


でも、家の中にこもった熱が逃げない家は、真夏に「地獄のホットボックス」と化します。



実際、「南向きにこだわったのに、夏場は暑すぎて結局カーテン閉めっぱなし」というケース、少なくありません。


それならば、多少日当たりは控えめでも、風がスーッと通る家の方が快適では?



つまり、日当たりと風通し、両方のバランスが重要



そして、現実的には「風通しの良さ」は図面や資料では見落とされがちな盲点。


だからこそ、“風の通り道”にこだわる価値があるんです。




どうやって「風の通り道」を見極める?


では、内見時にどこをチェックすれば風の通り道が分かるのでしょうか?


以下のポイントを見てみましょう。



✔ 対角線上の窓の有無

部屋の対角線上に窓があると、風がよく抜けます。例えば南東と北西に窓があると、風がスーッと家を横断してくれます。


✔ 開口部の大きさと位置

窓が大きい=風が通る、ではありません。開けられる範囲や、隣の建物との距離、開口の高さなども影響します。


✔ 隣接する建物の配置

周囲が高い建物に囲まれていると、風が通らないどころか「無風地帯」になることも。敷地の周辺状況も大切です。


✔ 現地で実際に感じてみる

一番手っ取り早くて確実なのは、「現地で窓を開けてみる」こと。風の通りは図面では分かりません。

肌で感じてこそ、本当の“風通し”が見えてきます。




風通しを活かすための住まい方


「風通しの良さ」は、建物だけでなく住まい方次第でも大きく変わります。


  • ・家具を風の流れを遮らないように配置する

  • ・室内ドアを開けて風の経路を確保する

  • ・網戸や換気扇も活用して空気の流れを誘導する


など、ちょっとした工夫で“風の家”にすることができます。


まるで住まいが「一人の呼吸する生き物」のように感じられるかもしれません。




まとめ:風の通る家に住もう


「日当たりの南向きが一番」と思っている方にこそ伝えたい。



風通しが良い家こそ、真に快適な住まいです。



もちろん、理想は「日当たり+風通し+立地+価格+間取り+駅近+築浅+ペット可+駐車場アリ」。


でもそんな物件、まるで不動産界のユニコーン。


すべて揃うことは稀です。



だからこそ、あえて“風”という観点で物件を見てみてください


きっと今まで見逃していた「快適な住まいの本質」が見えてくるはずです。



記:ライフプランナー 武井


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