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Vol.191 東京の不動産価格が上がりすぎて近隣県に住む人が増えている件

不動産のアレコレ

東京の不動産価格が上がりすぎて近隣県に住む人が増えている件

~“東京一極集中”から“首都圏分散”へ。住宅選びの新常識~



東京都心の家が「手が届かない」時代へ



近年、東京都心部の不動産価格は過去最高水準に達しています。



特に2023
年以降、都心新築マンションの平均価格は1億円を超えるケースも珍しくなく、


一般的な家庭では「東京で家を買う」という選択が現実的ではなくなりつつあります。



その結果、


通勤可能な距離である 埼玉・千葉・神奈川 への流出


少し離れた 茨城・群馬 などへの移住


といった動きが加速しています。



つまり今、不動産市場では「東京からの脱出」が静かに進行しているのです



では、なぜここまで東京の価格が上昇したのか?


そして近隣県ではどんな動きが起きているのか?



本記事では、その背景と今後の展望を詳しく見ていきます。




1. 東京の不動産価格が上がり続ける理由


まずは、東京都内の不動産価格がなぜここまで上昇したのかを整理してみましょう。


① 建築コストの高騰

近年、建築資材の高騰や人件費の上昇が続いています。

特に鉄骨・コンクリート・内装材などの価格上昇は顕著で、新築マンションの販売価格にそのまま転嫁されています


② 土地の供給不足

東京都心はすでに土地が限られており、新規に住宅を建設できる用地が少なくなっています。
特に港区・渋谷区・中央区などは再開発エリアも多く、地価は下がるどころか上昇傾向。
「希少性」が価格を押し上げている面もあります。


③ 投資・海外マネーの流入

日本の不動産は、海外投資家から見るとまだ“割安”。
円安の影響もあり、外国資本が都心部の不動産を積極的に購入しています。
これも価格上昇を後押しする要因の一つです。


④ 超低金利と富裕層需要

長らく続く超低金利政策により、住宅ローンの借りやすさが続きました。
また、資産を持つ富裕層や企業経営者層の購入も活発化し、一般層では手が届かない“高価格帯マンション”が増加しています。




2. 「東京に住めない」人たちが動き出した


こうした背景を受け、都内での購入を断念し、近隣県に新天地を求める人が増えています。



【埼玉県】

東京都心へのアクセスの良さと比較的リーズナブルな価格で人気上昇中。
特に、
さいたま市・川口市・戸田市・越谷市などは、都心通勤者からの需要が高く、地価も緩やかに上昇しています。

川口駅周辺は「東京に最も近い郊外」としてタワーマンション建設が相次ぎ、都内感覚で生活できる街として注目されています。



【千葉県】

湾岸エリア(市川・浦安・船橋)や、成田・柏など交通利便性が高い地域に人気が集中。
東京駅・大手町へのアクセスが良い沿線(東西線・総武線沿い)は特に人気です。
海や自然環境が整い、子育て世代にも支持されています。



【神奈川県】

横浜・川崎エリアは引き続き人気が高く、「東京都に代わる都市」として存在感を増しています。
また、小田急線・東急線沿線など、都心と直結する沿線でも需要が拡大中。

都心アクセスを確保しつつ、落ち着いた生活環境を求める層が多くなっています。



【茨城・群馬・栃木】

リモートワークの定着により、首都圏から少し離れた地域にも移住の波が。
筑波・古河・小山・高崎など、都心まで1~2時間圏内の街に人気が集まっています。
「広い家・庭付きの戸建を低コストで実現できる」ことが魅力です。




3. 近隣県の不動産市場は今どうなっている?


①価格は“東京の連動型”で上昇傾向

東京の価格上昇がそのまま近隣県に波及しています。
「都内が買えない → 郊外へ」という需要が強まり、結果として埼玉・千葉・神奈川でも中古・新築問わず価格が上昇。


例えば、

・さいたま市の中古マンション平均価格は過去5年で約25%上昇

・千葉県市川市、船橋市では都内中古より値上がり率が高いケースも

・横浜・川崎では新築マンション価格が平均7,000万円超に到達


つまり、都心部の価格高騰が「周辺エリアを押し上げている」構造になっています



②郊外の“新しい都市構造”が進む

再開発や商業施設の整備が進み、“郊外でも都心に負けない利便性”を備えた街が増えています。
たとえば川口市の「SKIPシティ」や柏の葉キャンパス、たまプラーザ周辺などは、新しい街づくりモデルとして注目を集めています。



③リモートワーク需要と教育環境

リモートワークが一般化したことで、「職場に毎日通う必要がない」層も増加。
自然が多く、教育・医療が充実している郊外エリアが人気を伸ばしています。
子育て世代にとって「広さ・安全・コスパ」を兼ね備えた選択肢となっています。




4. 購入検討者が意識すべき“今後のポイント”


① 価格上昇は“波及型”なのでタイミングが重要

東京から始まった価格上昇の波は、現在、周辺県の主要都市に到達しています。
そのため、「今はまだ安い」と感じるエリアほど数年後に上がる可能性もある一方で、「すでに上がり切った」エリアも存在します。

→ 不動産は“エリア単位で動く”ため、各市区ごとの取引事例を比較検討することが大切です。



② 交通利便性+生活利便性を両立できるか?

価格が安くても、通勤・通学・買い物が不便だと暮らしの満足度は下がります。
今後は、「通勤30~60分圏+生活施設の充実」が新しい基準となるでしょう。



③ 将来の資産価値を意識する

東京から離れるほど価格は安くなりますが、資産価値を考えるなら「駅近」、「大型開発エリア」、「人口増加地域」を選ぶのがポイントです。


たとえば、

川口市(埼玉)、浦安市・市川市(千葉)、武蔵小杉・登戸(神奈川)

などは、今後も安定的な需要が見込まれます。




5. 売却検討者にとっても“チャンスの時期”


実は、この“東京離れ”の動きは、郊外や近隣県に不動産を持つ方にとっては売り時にもなっています


なぜなら、「東京を買えない層」が郊外物件を積極的に探しているため、


これまで動きにくかったエリアでも売却が成立しやすくなっているからです。



■今の段階で売却を検討する場合、

駅距離や生活環境を丁寧に伝える

相場より少し高めに出しても需要がある


などの傾向が見られます。




6. 首都圏の住まいは“多極化”の時代へ


東京の不動産価格は、今後も簡単には下がりません。

ただし、すべての人が都心に住む時代ではなくなりました。


これからは、


「東京に通える距離で、より広く快適に」


「郊外でも生活インフラが整う街に」


という新しい価値観が主流になります。



不動産市場も、“東京一極集中”から“首都圏多極化”へ


あなたの住まい選び・資産形成も、ぜひこの視点で見直してみてください。



そして今後も、地価・金利・交通網の整備状況に注目しながら、“今が買い時か・売り時か”を冷静に判断していくことが重要です。




記:宅地建物取引士  菊池


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