
Vol.351 はて、契約不適合責任とは何か??
これは、「契約内容と実際の物件の状態が違った場合に、
ポイントは、 “契約書に書かれている内容が基準になる”という点です。
1.契約書のどこに書いてある?
売買契約書では、主に以下のような項目に記載されています。
『契約不適合責任の条項』
■責任を負う期間
■対象となる範囲(建物・設備など)
■買主ができる請求内容
『物件状況報告書(告知書)』
■雨漏りの有無
■シロアリ被害
■設備の故障状況
この2つの内容が非常に重要です。
具体例① 雨漏りが発覚したケース
契約前の説明→売主:「雨漏りはありません」
引渡し後→実際には天井から雨漏りが発覚
この場合、契約不適合に該当です。
買主ができることとして、
■修理費用の請求
■損害賠償請求
■場合によっては契約解除
「説明と違う」ことがポイントです。
具体例② 「設備は使える」と言われていたが故障していた
契約前の説明→給湯器・エアコン:使用可能
引渡し後→給湯器が動かない、エアコンが故障している
この場合、契約不適合に該当する可能性があります。
ただし注意!
契約書に、「設備は現状有姿(保証なし)」と書かれている場合は、責任を問えないケースもあります。
具体例③ シロアリ被害が後から発覚
契約前→「シロアリ被害なし」と報告
引渡し後→床下に大規模な被害が発覚
この場合、契約不適合責任の対象です。
この項目は、修繕費用が高額になるケースが多く、トラブルになりやすい代表例なのです。
具体例④ 土地の境界が違っていた
契約内容→境界は確定済み
実際→隣地との境界が曖昧、面積が契約と違う
この場合、契約不適合に該当します。
土地は金額が大きいため、減額や契約解除に発展するケースもあります。
2.「対象になるもの」と「ならないもの」の違い
ここが非常に重要です。
【対象になるもの】→契約書・告知書と違う内容
【対象にならないもの】→事前に説明されていた不具合
例としては、「築30年なので多少の劣化あり」→ これはモチロンの対象外です。
まぁ、“知って買ったかどうか”が判断基準となります。
『売主の責任期間に注意』
契約不適合責任には期限があります。
売主が個人の場合は、一般的な例としては、引渡しから2〜3ヶ月や3ヶ月〜6ヶ月となっています。
不動産会社が売主の場合は、原則2年以上となりますが、現実的には2年としているところが多いです。
<よくある誤解>
「不具合があれば全部請求できる」→NO!
→契約書で制限されている場合、請求できないことも多いです。
「とりあえず後から言えばいい」→RISKY!
→通知期限を過ぎると、たとえ1日であっても請求できません。
3.トラブルを防ぐためのチェックポイント
① 物件状況報告書を細かく見る
「不明」・「未確認」に注意
② 設備の扱いを確認
保証あり?・現状渡し?
③ 現地で実際に確認
水回り・床・壁・においなど
④ 不明点は必ず質問
曖昧なまま契約しない
プロとしては、特に注意しているポイントとしては、
■水回り(漏水・配管)
■屋根・外壁
■床下・シロアリ
■境界・越境
修繕費用が高額になりやすい部分を重点的に見ています。
結論 契約不適合責任は「最後の保険」
契約不適合責任は、トラブルが起きたときに守ってくれる制度です。
しかし、頼りすぎるのは危険です。
なぜなら、期間が短く証明が難しい上に契約で制限される、ためです。
不動産購入で本当に大切なのは、「契約後に守られること」ではなく、「契約前に見抜くこと」です。
記:宅地建物取引士 原田