Vol.56 戸建住宅は、ここを見れば質が分かる! 3つの場所
戸建住宅は、ここを見れば質が分かる! 3つの場所
突然ですが、戸建住宅を見に行って、
「わあ、きれい!」
「この間取り、住みやすそう!」
なんて、ウキウキしていたら、営業さんに「いかがですか〜?」と聞かれて、つい「いい感じです!」と即答してしまった…なんて経験、ありませんか?
しかし、ちょっと待った!
見た目がキレイでも「質がいい」とは限りません。
実は、内見時に“ここを見れば質が分かる”という、まるで住宅のウソ発見器のようなポイントがあるんです。
今回は、これまでに数万件と見てきた経験を活かし、ポイントを伝授したいと思います。
1件2件では分からないかもしれませんが、数重ねると、
アレ???
っていう物件、あるんです。。。
今回のテーマは、新築でも中古でも比較的共通している内容となります。
■床下点検口:住宅の“腹の中”をのぞけ!
あなたは「点検口」を開けたことがありますか?
台所や洗面所の床に、四角い板のようなものがはまっているアレ。
営業さんが案内してくれなくても、遠慮せず「開けてもいいですか?」と聞いてみましょう。
そこには、建物の“本音”が隠れています。
【チェックポイント】
①配管が雑に通されていないか?:まるで迷路のようにグニャグニャしていたら、施工の精度が低いかも。
②湿気がこもってないか?:カビ臭さがあると換気不足か、そもそも土地が悪い可能性も。
③断熱材がきちんと施工されているか?:雑に詰められていたら要注意。冬、床が冷たい…なんてことになります。ただ、点検口から分からない、分かりにくい部分でもあるので分かったらラッキーくらいの感覚です。
見た目がキレイでも、床下を見れば職人さんの“丁寧さ”が一発でわかります。
住宅の“胃カメラ検査”、おろそかにするなかれ!
■建具の建て付け:職人の性格がにじみ出る!?
次に注目してほしいのが「建具」。
ドア、収納扉、引き戸など“開け閉めするもの”です。
これらの建て付けを見れば、施工の精度・現在の状態が一発で分かります。
【チェックポイント】
①ドアが自然に閉まるか?:勝手に開く、閉まらない…そんなドアは、家がすでに歪んでいる証拠かも。
②引き戸がスムーズに動くか?:途中で引っかかるようなら、レール施工に問題あり。
③隙間が均一か?:ドアと枠の隙間に偏りがあると、美観だけでなく断熱・防音性能にも影響が。
建具は家の“関節”のようなもの。
ここに違和感があると、暮らしてから「イラッ」とすることが増えます。
■外壁と基礎の“すき間”:細部に宿る神がいる!?
最後は、意外と見落としがちな「外回り」です。
パッと見た目がオシャレでも、基礎と外壁の接点に注目してみてください。
ここが雑だと、どれだけ中が素敵でも長く住むうちに雨漏りや外壁の劣化など、泣きたくなるような問題に発展します。
【チェックポイント】
①基礎と外壁の間にムラがないか?:シーリングがガタガタ、波打っていたら施工が雑。
②基礎コンクリートにひび割れがないか?:髪の毛のようなヒビはOK、大きいものはNG!
③外壁材の継ぎ目がまっすぐか?:ガタガタしていたら、今後のメンテナンス費用が増えるかも。
ここはまさに「化粧よりスキンケア」。
表面ばかりに目が行きがちですが、“地肌”の仕上がりを見れば、家の健康状態が分かります。
なににおいても“目利き”が大事!
販売している物件は、「完成品」です。
注文住宅と違って、間取りも仕様も基本的には選べません。
でも、だからこそ「良いもの」を見抜く力が大切なんです。
今回ご紹介した3つのチェックポイントは、すべて無料で誰でも見られる部分。
それなのに、意外と見逃されがち。
ちょっと勇気を出して点検口を開けたり、ドアをパタパタ開け閉めしてみるだけで、建物の“本当の姿”が見えてきます。
住宅購入は、人生のなかでもトップクラスの大きな買い物。
ウキウキした気持ちも大事ですが、“冷静なチェック”も忘れずに。
見た目の美人だけじゃなく、性格のいい人(家)を選びましょう!
記:宅地建物取引士 原田