
Vol.112 未公開物件とは?「ポータル時代」におけるリアル
未公開物件とは?「ポータル時代」における“非公開”のリアル
~「未公開物件ありますよ」にグッとくるあなたへ~
「他の人には見せてない、あなただけに」――
このセリフ、恋愛でも不動産でも妙に心惹かれませんか?
家探しをしていると、不動産会社の営業さんからよく聞く言葉があります。
「これは、未公開物件なんですよ」
えっ?未公開って何?
ネットに出てないってこと?
特別感MAX!お宝発見!?
…と思ったあなた。
令和の今、「未公開物件」って、本当にあるのでしょうか?
それとも、ただの“口説き文句”?
今回は、そんな「未公開物件」の真相に迫りつつ、
本当に良い物件情報を手に入れる方法、不動産会社との賢い付き合い方まで、解説します。
そもそも「未公開物件」とは?
まず定義をクリアにしておきましょう。
ざっくり言うと…
「未公開物件」とは、ポータルサイト(SUUMO、アットホーム、ホームズなど)に
掲載されていない物件情報のこと。
ネット上にない、つまり“世間にはまだ出回っていない”情報、というわけです。
まるで限定販売、裏メニューのような響きですが、実際にそんな物件は存在するのか…?
結論から言うと、
未公開物件は、「存在はする」が、「誰でも買える状態」で出てくることは少ない
のです。
ネット全盛の時代、“未公開”はほぼ幻?
かつて、物件情報といえば、不動産会社が紙で管理する“アナログ”な世界でした。
FAX、電話、時には手渡し…。だから「未公開情報」がわんさかありました。
でも今はどうでしょう?
SUUMOを開けば地図付きで物件情報が見られ、数万件の物件がボタン一つでズラリ。
つまり、
● 情報の非対称性(プロだけが知ってる物件)はほぼ崩壊
● 一般ユーザーでも良質な情報に簡単にアクセスできる
という時代になっているのです。
なので、「未公開物件」と言われて思い描く「ネット非掲載の優良物件」なんて、
実はほとんど出回っていないのが現実なんです。
じゃあ、営業マンが言う「未公開物件」ってナニ?
はい、ここがポイントです。
「未公開物件」には、実は以下のような“裏の意味”があることも。
【1】売主から掲載許可が下りていない
たとえば、売主が「近所に知られたくない」と希望するケース。
この場合、不動産会社は「ネットに載せられないけど、販売はしたい」物件を、対面で紹介します。
これが、“本物の”未公開物件です。
【2】物件を「仕入れたばかり」で公開準備中
不動産会社が「専任媒介契約」を結んだ直後などは、
写真や資料の準備中で、まだ公開されていないケースがあります。
いわば“公開前夜”状態。
あなたが最速でキャッチできた…という意味でラッキー!
【3】ポータルには出てるけど、「あなたが知らないだけ」
営業マンが「これは未公開です」と言った物件を、試しにSUUMOで検索してみたら…
あった!というパターンも。
もはや“未確認物件”レベル。こうなると、ややセールストークの匂いがしますね。
本当に未公開な情報は「関係性」で得るもの
じゃあ、「未公開物件なんて無いんでしょ?」とガッカリするのは、まだ早いです。
実は、不動産会社が“手元で寝かせている情報”は確かにあります。
たとえば、
・まだ売主と正式に契約していないけど「近々出る予定」の物件
-
・過去に売却依頼が来たけどいったん保留中の物件
-
・他社の担当が内々に売却準備をしている物件情報
などなど。
こうした情報は、「本当に欲しい人にだけ」こっそり教えてもらえることがあるのです。
つまり、「未公開物件=物件」ではなく、「関係性の結果」
良質な未公開情報を得るには、不動産会社と信頼関係を築くことが一番の近道。
営業マンは「この人に売りたい」と思った瞬間に、未公開情報の扉を開けてくれます。
結論:「未公開」は“伝説”ではなく、“戦略”です
■ポータルサイト全盛の現代において、「誰も知らない未公開物件」はほぼ存在しない
■しかし、不動産会社の手元には「これから公開される」仕入れ情報が確かにある
■そうした情報は、「信頼できる顧客にだけ」先に紹介されることが多い
■本気で探している姿勢が、優先情報への切符になる
家探しは情報戦。
そして、良い情報は、良い関係から生まれる。
未公開物件があるかないかに一喜一憂するよりも、不動産会社の営業マンと信頼関係を築いていくことが、
最良の一手になるはずです。
「この人になら、本音を言ってもいい」
「この人のために、出し惜しみせずに紹介したい」
そう思える関係ができたとき、未公開物件という“裏メニュー”が出てくるかもしれませんよ?
記:宅地建物取引士 原田