
Vol.167 賃貸か購入かで迷われているアナタへ
賃貸か購入かで迷われているアナタへ
― 今こそ「自分の家」を持つことを前向きに考えるタイミング ―
「家は一生の買い物」と言われます。
だからこそ、賃貸に住み続けるか、思い切って購入するか――
「転勤が多いから賃貸の方が安心」
「住宅ローンに縛られたくない」
「家を買うのはまだ早い気がする」
確かに、それぞれもっともな理由です。
しかし、特別な事情がない限り、
長期的に見れば「購入」
今回は、不動産会社の立場から、公平な視点で「賃貸か購入か」
今、家を買うという選択がなぜ“人生を前向きにする一歩”
1. 賃貸と購入、それぞれの特徴を整理してみよう
まずは冷静に、両者の違いを見ていきましょう。
| 比較項目 | 賃貸 | 購入(持ち家) |
|---|---|---|
| 住居費 | 家賃として支払い続ける(資産にならない) | 住宅ローン返済(将来は資産になる) |
| 住み替えの自由度 | 高い | 低め(売却・賃貸化も可能) |
| 設備・間取りの自由度 | 限定的(改装制限あり) | 自由にリフォーム・リノベーション可 |
| 老後の住まい | 家賃支払いが続く | 住宅ローン完済後は負担減 |
| 資産形成 | 難しい | 将来的な資産になる |
| 安心感 | オーナー次第(更新・立ち退きリスク) | 自分の所有(安定した暮らし) |
こうして比較してみると、
「短期的な自由」を取るなら賃貸、「
2. 賃貸が向いているのはどんな人?
まずは、あえて「賃貸を選んだほうが良いケース」
これに当てはまる方は、購入を急ぐ必要はありません。
2-1. 転勤・転職が多く、居住地が定まらない方
勤務先の異動や転職が多い方は、
柔軟に引っ越せる賃貸が向いています。
2-2. 結婚・出産など、ライフステージがまだ定まっていない方
ライフスタイルが変化する時期には、今の生活にフィットした住ま
2-3. 将来的に実家を相続する予定がある方
将来、親の家を引き継ぐ可能性がある方は、購入を急がず一時的に
3. それ以外の方には「購入」を強くおすすめしたい理由
ここからが本題です。
上記のような特別な事情がない方にとって、
住宅購入は“
3-1. 家賃は「一生払い続けるコスト」
例えば月10万円の家賃を30年間払い続けると、
10万円 × 12ヶ月 × 30年 = 3,600万円
この金額は、どれだけ支払っても「自分の資産」にはなりません。
一方、同じ金額を住宅ローンに充てれば、返済が終わった後に“
3-2. 住宅ローンは“未来の家賃先払い”ではなく“資産への投資”
多くの方が「ローン=借金」と考えがちですが、本質的には“自分の資産を分割払いで購入する”ということ。
さらに、金利が歴史的に低水準にある今(※2025年時点)、住宅ローンは非常に有利な条件で組むことができます。
同じ月々10万円でも、家賃なら“消えていくお金”、住宅ローンなら“将来に残るお金”です。
3-3. 老後の安心感がまったく違う
老後の生活で多くの人が不安を感じるのが「住居費」です。
賃貸の場合、
しかも、高齢者は入居審査が通りづらくなるという現実もあります。
一方、マイホームを持っていれば、ローン完済後は住居費がほとん
「住む場所の心配をしなくていい」――
4. 「買うのが怖い」と感じる理由と、その誤解
それでも、「住宅購入に踏み切れない」という方は多いです。
よく聞かれる不安と、その実際を整理してみましょう。
4-1. 「ローンが重荷になりそう」
→ 実際は、家賃とほぼ同じ支払いで購入できるケースが多いです。
金利が低いため、月々の返済額は家賃と変わらないか、
4-2. 「将来の転勤が不安」
→ 今は、家を売却・賃貸に出すという柔軟な選択が可能です。
昔のように「一度買ったら一生そこに住まなければならない」
4-3. 「維持費や固定資産税がかかるのでは?」
→ 確かに費用はかかりますが、家賃にはその分も含まれていることが
むしろ自分でコントロールできる分、
5. 資産としての「家」の価値を見直そう
近年、マイホームを「負債」ではなく「資産」
理由はシンプルで、適切な場所・条件で購入すれば、
5-1. 立地の良い住宅は「不動産資産」としての価値が高い
駅近・商業施設近く・再開発エリアなど、需要のあるエリアの物件は、10年後・
「住む」だけでなく、「資産を持つ」
5-2. 日本の中古住宅市場は“成熟期”へ
以前は「新築信仰」が強かった日本ですが、いまや中古住宅+リノベーションという選択が一般的に。
購入時の費用を抑えつつ、
6. 賃貸にはない「家を持つ喜び」
数字だけでは語れないのが、「家を持つ幸福感」です。
■自分好みにリフォーム・DIYができる
■家族の成長に合わせて間取りを変えられる
■“帰る場所”としての安心感がある
■子どもに残せる資産になる
特にお子さまがいるご家庭では、安定した環境を提供できることが
賃貸では難しい“家族の思い出を刻む場所”を、
7. 今が購入のチャンスである理由
2025年現在、
7-1. 住宅ローン金利は依然として低水準
長期固定金利も含め、過去数十年で見てもまだまだ低い水準にありま
今後インフレや金利上昇が進めば、
つまり、「買える今」がチャンスです。
7-2. 住宅ローン減税などの優遇制度も充実
住宅ローン控除をはじめ、補助金や減税制度が多数あります。
制度は年度ごとに見直されるため、制度が整っている今のうちに動
8. 賢くマイホームを手に入れるためのステップ
「よし、購入を前向きに考えたい」と思ったら、
■自分の予算を把握する(今の家賃と比較)
■住宅ローンの仮審査を受ける(無理のない返済計画を確認)
■エリアと条件を明確にする
■信頼できる不動産会社に相談する
不動産購入は、情報とパートナー選びがすべてです。
地域の市場を熟知した不動産会社と一緒に進めることで、
9. 未来の安心と自由を手に入れるために
もちろん、賃貸にもメリットはあります。
しかし、「特別な事情がない方」にとっては、
■家賃を払い続けるより、資産を築く方が合理的
■老後も安心して暮らせる
■家族の思い出とともに、自分らしい生活ができる
■低金利・税制優遇など、今は購入に有利な環境
つまり、マイホーム購入とは――
“未来の自分に安心を贈る選択”なのです。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池