
Vol.196 不動産会社から見る、こんなお客様は嫌だ…
不動産会社から見る、こんなお客様は嫌だ…
~信頼関係を壊す行動と、円滑に進めるためのヒント~
取引は「信頼」で成り立つ
不動産の売買は、一生に一度あるかないかの大きな取引です
だからこそ、お客様は慎重になり、不安になり、
しかし、実は不動産会社側も同じくらい真剣で、「このお客様のためにベストな提案をしたい」
ところが、時にお互いの思い違いや行き違いで、「信頼関係が崩れる」ことがあります。
今回は、不動産会社側の立場から見た、
「こういうお客様だと正直つらい…」、「取引が難航しやすい…」
お互いに気持ちよく進めるためのポイントをお伝えします。
1.「冷やかし」・「情報だけ欲しい」タイプ
不動産会社が最も困るお客様の一つが、「実際に買う気・売る気がないのに、情報だけ求めてくる」
もちろん、情報収集の段階で相談すること自体は大歓迎です。
むしろ、早めにプロに相談することで、
ただし、問題なのは、
「具体的な行動を取る気がまったくない」状態で、何時間も説明を求めたり、
不動産会社の営業担当は、1人あたり何十件ものお客様を同時に対応しています。
本気で動いている方に時間を使いたいというのが本音です。
▷ 良い関係を築くためには…
「まだ購入(売却)は先なんですが、
不動産会社も、「では最初の一歩となるアレコレをお伝えします」と、適した対応をしてくれます。
2.「他社で決まっているのに比較のためだけに呼ぶ」タイプ
「他の不動産会社でほぼ決めているけど、一応聞いておこう」
このような方も少なくありません。
比較すること自体は良いことです。
ただ、すでに他社と契約予定が確定しているのに、「価格交渉の参考に使う」・「他社を試すために使う」
不動産会社からすると“誠実ではない”印象を受けます。
担当者は、あなたのために時間をかけて資料を作り、
「最初から比較のためだけ」だとわかると、
▷ 良い関係を築くためには…
「他社でも相談しているけれど、より良い提案を比較したい」とオープンに伝えること。
正直に話すことで、
3.「感情的に否定する」・「話を聞かない」タイプ
どんなに良い提案をしても、「それはダメ」・「聞いたことない」・「
頭ごなしに否定されてしまう方がいます。
不動産取引は、法律・税金・地域の条例・市場動向など、専門知識が複雑に絡み合っています。
営業担当の提案が“押し売り”ではなく、根拠に基づくリスク説明
「そんなはずない」と感情的に反応してしまうと、せっかくの有益なアドバイスを逃してしまうことも。
▷ 良い関係を築くためには…
「それはなぜそうなるのか?」と、理由を尋ねる姿勢が大切です。
営業担当も説明のチャンスを得られ、お互いの理解が深まることで信頼が生まれます。
4.「契約直前で突然消える」タイプ
これも非常に多いケースです。
商談が順調に進み、
この「フェードアウト」は、
担当者は契約書類の作成・調整・
それが一言もなく消えてしまうと、信頼どころか、
もちろん、やむを得ない事情で中止することもあるでしょう。
でも、そういう場合こそ、「今回は見送ります」と正直に伝えるだけで、営業担当はあなたを“誠実な方”と受け止めます。
▷ 良い関係を築くためには…
「今はやめておこうと思います」と一言連絡を入れるだけでOK。
後日、条件が変わったときにも再相談しやすくなります。
5.「情報を隠す」・「ウソをつく」タイプ
売却相談では「リフォーム履歴」・「境界」・「雨漏り」・「告知事項(
購入相談では「収入」・「借入」・「家族構成」・「勤務先」など、正確な情報が必要です。
しかし、
「審査に通らないかもしれないから言いたくない」
「マイナス要素を知られたくない」
と隠してしまう方がいます。
その結果、ローン審査が通らなかったり、
実は、正直に伝えてもらった方が有利な提案ができるケースも多い
▷ 良い関係を築くためには…
不動産会社は、個人情報を厳格に扱う「宅地建物取引業法」
安心して、必要な情報は正直に共有することが大切です。
6.「即断を避けるあまり、ずっと決められない」タイプ
不動産は、1つとして同じものがありません。「良い物件」は、他の人も狙っています。
「少し考えます」と保留している間に、別の方が購入してしまうことも日常茶飯事です。
担当者も、何度もご案内や資料作成を重ねても、最終的に何も決められない方に対しては、
どうしても次の提案を控えざるを得ません。
もちろん、即決を求める営業はよくありません。
ただ、「決断するための軸」がない状態は、結果的にお客様自身が損をしてしまいます。
▷ 良い関係を築くためには…
「優先順位」をはっきり伝えること。
「予算重視」・「駅近重視」・「子育て環境重視」など、担当者はその軸に合わせて、より的確な提案をしてくれます。
7.「すべてを値切ろうとする」タイプ
不動産の売買では、価格交渉は当然の流れです。
しかし中には、「もっと下げて」・「仲介手数料をまけて」と、根拠のない値引きを要求する方もいます。
実際のところ、仲介手数料には法律で上限が定められています。
また、値引きの背景には売主の事情や市場相場があり、単純に“まける”ことができないのです。
担当者としても、誠実に調整したい気持ちはありますが、「無理を言うお客様」との印象がついてしまうと逆に積極的に動きづらくなります。
▷ 良い関係を築くためには…
「この金額だと予算オーバーで…」と、事情を伝える形で事前に相談するのがベスト。
誠意ある交渉であれば、営業担当も全力で調整してくれます。
8.不動産会社が“本気で頑張りたい”と思うお客様とは
少し逆の話をしましょう。
「こんなお客様は嫌だ」ではなく、「こんなお客様には本気で応えたい」と思う方もいます。
その共通点は、たった3つです。
① 目的と状況を正直に話してくれる
→ 「転勤で急ぎたい」・「予算が限られている」など、
無理な提案を避け、最短で最善の方法を探せます。
② 疑問を素直に聞いてくれる
→ 「どうしてそうなるのか」を聞いてくれる方。
説明する側も嬉しく、丁寧な対応につながります。
③ 感謝の気持ちを忘れない
→ 契約しなかったとしても、「ありがとう」と言ってくれるだけで、担当者の記憶に残ります。
再び条件が合う物件が出たとき、
「お互いが誠実であること」が成功の鍵
不動産取引は、人と人との信頼で成り立つ取引です。
不動産会社が“嫌だ”と感じる行動の多くは、裏を返せば「信頼関係を築けない行動」でもあります。
逆にいえば、
〇正直であること
〇話を聞く姿勢を持つこと
〇相手を尊重すること
この3つがあれば、たとえ条件が難しい案件でも、営業担当は必ず全力で動きます。
最後に・・・
「嫌なお客様」と「良いお客様」は紙一重です。
少しの気配り、少しの誠実さで、不動産会社はあなたの“最強の味方”になります。
もし、担当者にそっけない態度を取られてムカついているのであれば、一瞬でも冷静になって本記事を読み返してみて下さい。
当てはまる部分があるのであれば、お互いに改めるべき。
当てはまらないなら、会社を変える。
それがベストです。
記:宅地建物取引士 原田