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Vol.202 家の“耐震等級”とは?地震に強い住宅の選び方

不動産のアレコレ

家の“耐震等級”とは?地震に強い住宅の選び方

地震大国・日本で「安心して住める家」を選ぶには?




日本は世界でも有数の“地震大国”。


近年は震度5以上の地震が全国で頻発しており、住宅を購入する方にとって「地震に強い家なのか?」は、


重要ポイントのひとつです。



また、売却を検討する家の資産価値においても、「耐震性が高いか」は価格に大きな影響を与える要素。



実際に、耐震等級が明記された住宅は買主からの信頼を得やすく、問い合わせ数が増える傾向があります。



そこで今回は、


耐震等級とは何か?


地震に強い家を選ぶポイントは?


そして、それが買主・売主のどちらにとってどんなメリットがあるのか?



不動産会社目線で、わかりやすく解説します。




1.耐震等級とは?──住宅の「地震への強さ」を示す公的な指標


耐震等級は3段階。数字が大きいほど強い!


耐震等級は、2000年の「住宅性能表示制度」によって設けられた、住宅の耐震性能を示すグレードです。

地震に対してどれだけ強いかを示す目安で、次の3段階に分類されます。


◆耐震等級1(建築基準法レベル)

・建築基準法で定められる最低限の耐震性能
・震度6強〜7程度の地震に対して、倒壊・崩壊しないレベル

最低限の安全性は確保されますが、災害後もそのまま住み続けられるかどうかは別問題です。


◆耐震等級2(等級1の1.25倍)

・学校や病院などの防災拠点にも用いられるレベル
・大規模地震に対して、等級1よりも損傷リスクが低い

小さなお子様がいる家庭や、災害への備えを重視する方から人気です。


◆耐震等級3(最高ランク・等級1の1.5倍)

・消防署・警察署と同等の強さ
・最も倒壊しにくく、地震後も住み続けられる可能性が高い
・住宅ローン控除や地震保険で有利になることも

現在、新築住宅で最も選ばれている耐震グレードで、資産価値の維持にも優れています。




2.なぜ耐震等級が重要なのか?──買主・売主にとってのメリット


ここからは、耐震等級が不動産取引にどんな影響を与えるのか、う人・売る人双方の視点で整理します。



▼【買主のメリット】


① 家族の安全を守る

最も重要。等級が高いほど倒壊リスクが減り、安心感が高まります。


② 地震保険が安くなる場合がある

等級3の住宅は保険料が割引される制度があり、長く住むと総額で大きな差に。


③ ローン審査で有利になるケースも

金融機関によっては、「高耐震住宅」を優遇する場合があります。


④ 資産価値の維持

築年数が経っても「耐震等級3」は評価されやすく、将来の売却時に有利。



▼【売主のメリット】


① 購入検討者からの問い合わせが増える

耐震証明書がある住宅は、購買意欲が高まる“決め手”になりやすいです。


② 価格交渉の材料として強い

買主が不安に思うポイント(地震への弱さ)が少ないことで、値引き圧力を低減できます。


③ 築古でも再評価される可能性

2000年以降の新耐震基準+耐震等級の情報がそろっていると、資産価値が下がりにくい傾向があります。




3.耐震等級は「構造計算」と「検査」で決まる


耐震等級3の家です!と謳っているだけでは本来不十分です。


耐震等級の認定には以下が必要です。



① 構造計算

建物の強度を計算し、地震力に耐えられるか数値で確認します。


木造住宅の場合

・構造計算(許容応力度計算)がされている

・壁量計算が適切


などが重要になります。



② 第三者機関の検査

住宅性能評価機関(例:JIO、ハウスプラス住宅保証など)が審査し、「耐震等級◯」という等級を公式に発行。


これにより、購入希望者に対して、「この家は公的に耐震性能が証明されています」という安心材料を提供できます。




4.中古住宅は“耐震等級がない”ことが多い?どう判断すべき?


中古市場では、耐震等級が明記されていない物件が多数あります。


理由は簡単で、そもそも建築当時に性能評価を受けていないためです。


しかし、中古住宅でも以下の方法で耐震性を判断できます。



方法①:新耐震基準(1981年6月〜)かどうか

最低限のライン。1981年以降の建物は耐震性能が強化されています。


方法②:2000年基準(より厳格化)を満たしているか

中古住宅で“買って良いもの”の目安のひとつです。


方法③:耐震診断を行う

専門家による耐震診断で強度を測定し、必要に応じて耐震補強も可能。

売主が診断をしておくと、「耐震性が担保された住宅」としてアピール材料になります。


方法④:インスペクション(建物状況調査)の活用

売買時のトラブル回避に役立ち、買主の安心感も増します。




5.実際に“地震に強い家の選び方”5つのポイント


ここからは「具体的にどう選べば失敗しないのか」を解説します。


① 耐震等級3を“基本の基準”として考える

新築であれば等級3の住宅が多数。選ぶ際は最優先でチェックしたいポイントです。


② 設計士や建築士の“構造へのこだわり”を見る

耐震等級は数値で見えるメリットがありますが、建物の強さは設計者の思想にも左右されます。


③ 地盤調査の結果も重要

どれだけ耐震等級が高くても、地盤が弱ければ意味がありません。

盛土か造成か

・液状化リスク

過去の地盤履歴

地盤調査報告書の内容

購入前に必ずチェックしましょう。


④ 基礎の施工方法

一般的には「ベタ基礎」が耐震性に優れています。
ただし、地盤との相性もあるため、構造のプロの意見が重要です。


⑤ 中古住宅なら「補強できるか」も視野に

築年数が経っていても、適切な補強を行えば耐震等級相当の強度に近づけることが可能です




6.売却予定の方へ:耐震性能は“付加価値”になる!


売主の方に特にお伝えしたいのは、
耐震等級や耐震診断の情報は、確実に売却力を上げるという点です。



理由1:買主が最も不安に思う「地震リスク」を軽減

安心できる住宅は、問い合わせ数が増えます。


理由2:内覧前の段階で優位に

最近の購入者はネットで情報収集をしてから問い合わせます。
耐震性が高いと、その時点で選ばれやすくなります。


理由3:査定額の評価にも影響

耐震補強済み、第三者機関の評価がある家は、査定でもプラス要因に。




7.まとめ安全・安心・資産価値──耐震等級は“家選びの3大ポイント”


耐震等級は単なる数字ではありません。

それは “家族を守る指標”であり、“資産価値を守る武器” でもあります。



▼今回のポイント

耐震等級は1〜3まであり、等級3が最高

新築なら「等級3」を基本ラインに

中古でも診断や補強で向上可能

耐震性能は売却時に大きな武器になる



地震大国・日本で「後悔しない住まい選び」をするために、耐震性能は常にチェックしておきたい重要項目です。


購入を検討している方も、売却を考えている方も、耐震性の評価は確実にあなたの資産を守ってくれます。



記:宅地建物取引士  原田


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