
Vol.381 戸建につきまとう私道負担とは?
目の前の道路が私道だった場合のトラブル
通行承諾書と掘削承諾書の重要性
─ 不動産会社が教える“買ってはいけない私道”の見抜き方 ─
結論:
私道は「所有者の許可」がないと、通行も工事もできない。
承諾書がなければ“家が建てられない・水道が引けない”
私道は、公道のように自由に使える道路ではありません。
■人の通行
■車の出入り
■水道・ガス・下水の工事
■舗装のやり直し
これらはすべて 私道所有者の許可が必要な行為です。
許可がなければ、家が建てられない・再建築不可・ローン不可 という最悪の事態も起こります。
1.「私道負担」とは?なぜ存在するのか?
私道負担とは、家の前の道路が個人の所有地(私道)で、その一部を道路として使わせてもらっている状態のこと。
私道の種類としては、
■個人所有の私道
■数軒で共有している私道
■開発業者が残した私道
■行政に移管されていない道路
【私道の問題点】
■所有者の許可が必要
■修繕費を住民で負担
■トラブルが起きやすい
■将来の建て替えに影響
■住宅ローン審査が厳しくなる
2.他人地ゆえ、トラブルも実際には起こっている
私道で実際に起きた“リアルなトラブル事例”
事例①:水道管の工事に「掘削承諾」がもらえず、家が建てられない
新築のために水道管を引こうとしたら、「工事で道路が傷むから許可しない」と言われた。
結果 → 建築不可
土地を買ったのに家が建てられない最悪のケースです。
事例②:私道の舗装工事で「修繕費30万円」を請求された
私道は公道と違い、修繕費は所有者負担です。
■舗装のやり直し
■水道管の交換
■排水の改善
これらは数十万〜数百万かかることもザラにあり、所有者からすれば自分事でないのに責任だけ自分って、
そんな状況に立たされたら、請求したくなる気持ちも出るかもです。
事例③:私道の奥の家が車を通すことを拒否
「車の通行は認めていない」この事例は、そこいらでもよく見ます。
結果 → 駐車場が使えない
家の価値が大幅に下落は必須。
もう、トラブルってだけで価値は下がります。
事例④:相続で私道の所有者が増え、承諾が取れない
例えば、所有者が10人以上になり、しかも住んでいる地域がバラバラなんて事も。
承諾を取るだけで、時間も費用も掛かってしまう事があります。
→ 建て替え不可・工事不可 → 売却も困難。
これは、依頼すれば測量士が代理してくれたりしますが、それなりの報酬が掛かる事は当然です。
3.私道で絶対に必要な2つの承諾書
① 【通行承諾書】→ 私道を通行する権利を保証する書類
これがあると、人も車も通行が認められていると言う事になります。
② 【掘削承諾書】
→ 水道・ガス・下水工事で道路を掘る許可で、新築を建てる場合は、基本的に必要になります。
私道トラブルの8割は掘削承諾書が原因とも言われています。
この2つの書類は、合わせて「通行・掘削承諾書」という名称で言われます。
不動産会社での取引上、私道の物件の場合はこの書類が必須となり、
逆に無い場合は、自ら取るか諦めるかの2択になります。
4.私道は“住宅ローン審査”にも影響する
日本全国的に、私道は多く存在します。
この私道が悪いワケではありませんし、さほどの私道では「通行・掘削承諾書」が当然の様に取れるものです。
銀行としては、その当然性あるものが、取れないともなると一大事。
そんな物件に融資は出来ませんよ!となるワケです。
もちろん、現金で買われる方は審査は関係ありません。
とは言え、将来売却する時に、次の買い手も現金限定になるのは辛くないですか?
極論ですが、役所の見解では、
人が生きる上で必要な通行や掘削において、承諾書なんてなくても問題ないと言われた事があります。
それはそうなんでしょうね。
でも、その地に一人(ひと世帯)で住むものではありませんから、日常的なトラブルを防止する観点でも、
不動産取引上は、この書類は必須となるのです。
中には、そんな書類要らないって方もいます。
買われる方がそういう場合は、それでOKです。
一般的には、書類がない場合は価格が抑えれる傾向にもありますので、
複数件持っている方なんかからすれば、あろうがなかろうが、、、って感覚なのでしょう。
私たち不動産会社として購入する場合、売却条件で「書類無し」と言う事もザラ。
その分、安くしてもらっていますが、
個人の方への販売時には、不動産会社の努力によって承諾を得ていると言う事になります。
ハイリスク・ハイリターンなら良いのですが、、、
私道=絶対買わない
このイメージ、ちょっとは変わりました??
記:宅地建物取引士 原田