
Vol.273 いつまでたってもデジタル化されない不動産業界
いつまでたってもデジタル化されない不動産業界
― AI時代でも「人」が主役であり続ける理由 ―
不動産業界もデジタル化している…ように見えるけれど…
最近の不動産業界は、
■ポータルサイトは充実
■オンライン内見
■AI査定
■電子契約
広告やホームページでは、「最新テクノロジー」や「AI活用」といった言葉が並びます。
しかし、実際に現場で仕事をしていると、
そのイメージと現実のギャップに驚くことが少なくありません。
1.内情は今もアナログだらけ
不動産業界は、いまだにアナログが主流です。
● FAXが現役
■物件情報
■図面
■申し込み書
今でもFAXでやり取りされるケースは多く、「FAXがないと仕事にならない」
という会社も珍しくありません。
● 紙・紙・紙の世界
売買契約では、
■重要事項説明書
■売買契約書
■各種覚書
■添付書類
とにかく紙の量が多い。
法律上、書面交付が求められるものも多く、完全デジタル化が難しいのが現実です。
2.デジタル化が進まない理由
なぜ不動産業界は、
① 法律・制度が追いついていない
不動産取引は、
■金額が大きい
■トラブルが起きやすい
という特性上、慎重な制度設計がされています。
その結果、「紙で残す」・「原本管理」という文化が根強く残っています。
② デジタルツールが中途半端
実際に使ってみると、
■操作が分かりづらい
■結局、紙と併用
■業者ごとにバラバラ
というツールも多く、「これ、本当に効率化している?」
と感じる場面も少なくありません。
③ 人に依存する仕事だから
不動産は、
■物件ごとに条件が違う
■事情が人それぞれ
■感情が絡む
非常に属人的な仕事です。
マニュアル化・自動化しきれない部分が多いのです。
3.AIやデジタルは万能ではない
最近は、
■AIが物件を提案
■AIが価格を算出
といったサービスも増えています。
もちろん、参考情報としては非常に便利です。
ただし、
■なぜその価格なのか
■この物件のクセ
■交渉の余地
といった部分は、まだ人間の経験に勝てません。
4.結局、不動産は「人」で成り立つ
不動産取引の現場では、
■売主と買主の気持ち
■タイミング
■事情
■交渉
これらを調整する力が求められます。
ここに必要なのは、
■空気を読む力
■説明力
■信頼関係
つまり、人間力です。
デジタルは、あくまで「補佐役」に過ぎません。
5.デジタル化が進んだことで生まれた新たな課題
皮肉なことに、デジタル化が進んだことで、新しい問題も生まれています。
①デジタルなお客様が増えた
■メールのみ
■チャット中心
■電話はNG
というお客様も増えました。
情報収集能力は高い一方で、
■本音が見えにくい
■誤解が生まれやすい
■意思決定が遅れる
といった側面もあります。
不動産営業マンとしては、本気になれない。
②温度感のズレ
文章だけのやり取りでは、
■焦っているのか
■迷っているのか
■本気度はどれくらいか
が伝わりにくく、結果としてミスマッチが起きることもあります。
6.「人×デジタル」が現実的な最適解
不動産業界において、デジタルを完全否定する必要はありません
ただし、過信も禁物です。
理想は、「人が主役、デジタルが補佐」という関係です。
■情報整理はデジタル
■判断と調整は人
■最後の決断は人と人
これが、今の不動産取引に一番合っています。
近道は、結局、「信頼できる人」を見つけること
デジタル化が進んでも、不動産取引の本質は変わりません。
■誰に相談するか
■誰と進めるか
これが、結果を大きく左右します。
最新ツールも大切ですが、それ以上に、
■話が通じる人
■ちゃんと向き合ってくれる人
を見つけることが、不動産では一番の近道です。
記:ライフプランナー 武井