
Vol.297 事故物件の価格はどれくらい下がるのか?
事故物件の価格はどれくらい下がるのか?
~不動産市場のリアルと「心理的な価値」の話~
「事故物件」
ニュースや動画などでは、
「住むのはちょっと…」
しかし、不動産会社の現場で見ていると、
実際には普通に売買・賃貸されているケースも数多くあります。
そんな中で、多くの人が気になるのが、この疑問です。
「事故物件って、どれくらい値段が下がるの?」
今回は、不動産会社の目線から、
・事故物件とは何なのか
・実際の価格への影響
・買う人、売る人のリアル
・市場の意外な動き
について、解説していきます。
1.まず「事故物件」とは何か
一般的に事故物件と言われるものは、
不動産業界では心理的瑕疵(しんりてきかし)という言葉で説明されます。
これは簡単に言うと、「住む人が心理的に気にする可能性がある出来事」が過去に起きた物件のことです。
例えば、
・室内での死亡事故
・自殺
・事件
・孤独死
などが代表的な例です。
ただし、ここで重要なのは、建物自体に問題があるわけではないという点です。
構造や設備が壊れているわけではなく、あくまで人の心理に関係する問題なのです。
2.実際の価格はどれくらい下がる?
では本題です。
事故物件になると、価格はどれくらい下がるのでしょうか?
これは、実は一律の基準はありません。
しかし、不動産市場の感覚としては、
【賃貸の場合】
家賃が20%〜50%程度下がるケースが多いと言われています。
ただし人気エリアでは、10%程度しか下がらない場合もあります。
【売買の場合】
売買になると、10%〜30%程度価格が下がることが多いと言われています。
ただしこれも、
・事件性
・経過年数
・立地
・建物状態
によって大きく変わります。
3.実は「立地」がすべてを決める
不動産業界でよく言われる言葉があります。
「立地はすべてを上回る」
例えば、
・駅から徒歩3分
・人気エリア
・築浅マンション
このような物件の場合、事故物件でも意外と早く売れることがあります。
逆に、
・駅から遠い
・築古
・需要が少ない
といった条件が重なると、価格の下げ幅は大きくなります。
つまり、事故より立地の影響の方が大きいことも多いのです。
4.意外と多い「気にしない人」
事故物件という言葉を聞くと、「絶対に住みたくない」という人が多いと思われがちです。
しかし実際には、全く気にしない人も一定数います。
例えば、
・価格重視の人
・投資家
・短期居住の人
などです。
特に投資家は、「利回り」で判断するため、事故物件でも価格が下がっていれば
むしろチャンスと考えることがあります。
5.不動産業界のちょっとした都市伝説
事故物件の話になると、不動産業界では、いくら?となります。
「事故物件は不思議と早く売れることがある」
一見すると矛盾していますが、理由はシンプルです。
価格が下がることで、市場で目立つからです。
買主は、人の死に慣れている職業の方も多く、そうした方にはむしろチャンスと言えるのです。
現実的に、リフォームを行って販売される事も多く、実際に現地を見てみると
アレ?気にならないカモって思う方も、何気にいたりするもんです。
6.実は時間が解決することも多い
事故物件のもう一つの特徴は、時間とともに影響が薄れることです。
10年前、20年前、30年前となると、当時の事情を知っている人も少なくなります。
特に都市部では、住民の入れ替わりが早いため、過去の出来事が徐々に忘れられていきます。
その結果、市場価格に近づくこともあります。
7.それぞれの立場で考えるべきこと
【売る側として】
もし所有している物件が事故物件になってしまった場合、売主として考えるべきポイントがあります。
それは、正直な情報開示です。
不動産取引では、重要な情報を隠して売ることはできません。
しかし逆に言えば、適切に説明をすれば購入してくれる人は存在するということでもあります。
実際、不動産市場では、「事情あり物件専門の購入者」もいます。
【買う側として】
事故物件を検討する場合は、次のポイントを確認することが大切です。
・価格が適正か
・立地条件
・将来売れるか
・建物の状態
つまり、心理面だけで判断しないことです。
不動産は長期の資産です。
価格と条件が合えば、合理的な選択になることもあります。
8.不動産会社としての本音
正直に言うと、事故物件は「売れない物件」ではありません。
ただし、売り方が重要になります。
・価格設定
・情報の出し方
・購入者層
これを間違えると、長期間売れ残ることがあります。
逆に適切な方法を取れば、スムーズに売却できることも多いのです。
不動産市場では、すべての物件に買い手がいるとも言われます。
価格と条件が合えば、必ず検討する人が現れるのです。
もし事故物件に関する疑問や不安があれば、ぜひ不動産会社に相談してみてください。
経験のある不動産会社であれば、市場のリアルを踏まえたアドバイスができます。
不動産は一つとして同じものがありません。
だからこそ、正しい情報を知ることが納得できる取引につながるのです。
記:ライフプランナー 武井