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Vol.75 住宅ローンを抱えた持ち家で住民票を移さずに賃貸に出すとバレる?

不動産のアレコレ

住宅ローンを抱えた持ち家で住民票を移さずに賃貸に出すとバレる?

~意外なチェック方法と“甘く見てはいけない”そのリスク~



住宅ローン返済中だけど、貸したくなる理由って?


「せっかく買ったマイホーム。でも転勤になった」

「急に実家に戻ることになった」

「別のエリアに住むことになって、空き家のままはもったいない」


──そんな事情で、まだ住宅ローンが残っている自宅を「賃貸に出しちゃおうかな」と考える方は、


意外と多いんです。



でもちょっと待って!



そのまま住民票を移さずに、人に貸すのって……



実は、金融機関的にはアウトな行為になる可能性があるんです。


この記事では、


「なぜそれが問題になるのか?」


「どうやってバレるのか?」


「もしバレたらどうなるのか?」


解説していきます。




基本ルール:住宅ローンって“自分で住む”前提


まず大前提として、住宅ローンは「居住用住宅の取得・建築・購入」を目的として貸し出されるもの。


銀行などの金融機関は、「この人がここに住むんだな」と思って住宅ローンを組ませてくれています。


つまり、人に貸す=当初の目的外使用に該当することも。



実際に多くのローン契約書にはこんな文言が。

「本物件を第三者に貸与、転貸する場合は、金融機関の承諾を得なければならない」

これ、ちゃんと読んでない人も多いんですよね。



でも、これに違反すると、住宅ローンの“契約違反”となってしまうこともあるんです。



「住民票を移していなければバレない」


「だって住民票そのままだし、転送してるからバレないでしょ?」


──その油断が、のちのち命取りに。



住民票を移さずに賃貸に出していても、思いがけないところから“居住していない”ことがバレるんです。


では、いったいどこから漏れるのか?


その“意外なチェックポイント”を、5つ紹介しましょう。




バレる!?意外なチェック方法5選


【1】 郵便物の行方、追跡されてます

金融機関や自治体からの郵送物が、新しい住所に転送されたり、返送されてきたりした場合。


「この人、本当にここに住んでるのか?」と疑念を持たれます。


特に住宅ローンの督促や税金関連の通知は、転送ではなく戻ってきてしまうこともあり、そこからチェックが入るケースも。



【2】 ライフライン契約で「あれ?」となる

水道・電気・ガスなどの名義が入居者になっていたり、契約が切れていたりすると、


「あれ?居住してない?」と感づかれます。


また、住宅ローン控除などの申告時にも、実際の居住実態を問われるので、ライフライン情報はチェック対象になりやすいです。



【3】 近隣からの“情報提供”という名のタレコミ

「最近、見知らぬ人が出入りしてる」
「表札が変わってる」
「なんか民泊っぽい感じがする」


──実は、こうした「ご近所ネットワーク」からの情報が、


大家さんや管理会社、ひいては金融機関に届くケースがあります。


「ご近所パトロール」は侮れません。



【4】 定期的な金融機関の現地確認

金融機関は、定期的に物件の現地確認を行うことがあります。


特にフラット35などの公的資金が絡むものは、しっかりチェックされます。


知らない顔が出てきたり、郵便ポストに違う名前が貼られていたりすると、調査対象になる可能性大。



【5】 住民票の移動履歴と税務調査

住民票が動いていないのに、別の場所で公共料金を契約していたり、課税証明が別の自治体で出たりすると、


「本当の居住地はどこか?」という話に。


また、将来的に税務調査が入った際に、


「賃貸収入があるのに申告していない」


「住宅ローン控除を不正に使っていた」


と発覚することも。




もし“バレたら”どうなる?


さて、気になるのはここですよね。


バレた場合、何が起きるのか。以下のようなリスクがあります。



❶ 住宅ローン契約の解除&一括返済請求

もっとも恐ろしいのがコレ。


契約違反を理由に、ローンの一括返済を求められるケースがあります。


3,000万円を今すぐ全額返してください、なんて言われても現実的じゃありませんよね。


もちろん、即アウトではありませんが、最悪そうなる可能性は覚悟しておきましょう。



❷ 住宅ローン控除の返還&ペナルティ課税

住宅ローン控除は、「実際に住んでいること」が前提条件。


賃貸に出していたとなると、その年以降の控除が受けられなくなるだけでなく、
過去の控除分もさかのぼって返還対象に。


さらに、加算税・延滞税などの“追い打ち”も。



❸ 火災保険の無効化リスク

多くの火災保険は、「居住用」と「賃貸用」で契約内容が異なります。


住民票を移さず賃貸していて、火災や水漏れ事故が発生した場合、補償対象外になる可能性も


最悪の場合、修繕費も全額自己負担です。




解決策:「黙ってやる」じゃなく、「ちゃんと相談」!


「せっかく買った家、使わないのはもったいない」


というお気持ち、非常によくわかります。


実は、住宅ローンの種類や契約内容によっては、きちんと手続きさえ踏めば、賃貸に出すことが可能なんです。



✅ 対処方法の例

  • 金融機関に事前相談する(条件付きで賃貸OKとなる場合あり)

  • 転勤の場合は“転勤貸し”として一時的に認められることも

  • 住宅ローンを「賃貸用ローン」へ借り換える


こうした方法を取れば、「隠れて貸す」というリスクから脱却できます。




まとめ:住民票そのまま=隠せる、は間違い!


✔ 住宅ローンは「居住用」前提の契約
✔ 住民票を移さずに賃貸すると契約違反になる可能性あり
✔ バレるルートは意外と多く、リスクも大きい
✔ 対応するには「金融機関への相談」が最重要!




モヤモヤしてる方へ、私たちがお手伝いします!


「賃貸に出したいけど、どう動けばいいかわからない」


「金融機関に相談って、ちょっと怖い」


「将来的に貸したいんだけど、今のうちにできる準備は?」


そんな方は、まずは不動産のプロにご相談ください



住宅ローンの契約内容やご希望を伺ったうえで、ベストな方法を一緒に考えます。


“隠して貸す”より、“正しく貸す”方が、後々もトラブル知らずで安心です!



記:ライフプランナー 武井

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