
Vol.145 あなたはローンに通る人?通らない人?
あなたはローンに通る人?通らない人?
~事前チェックで、納得の儀~
マイホーム購入を検討するとき、多くの方にとって最大の関門となるのが「住宅ローンの審査」です。
気に入った物件が見つかっても、ローンが通らなければ購入は実現できません。
では、自分がローンに通る人なのか、通らない人なのかを事前に確認する方法はあるのでしょうか?
本記事では、不動産購入検討者やすでに不動産を保有している方に向けて、
住宅ローン審査の仕組みやチェック方法、そして「金融事故歴があるとどうなるか」について解説します。
1. 住宅ローン審査の基本的な流れ
まず、住宅ローン審査には大きく分けて「事前審査」と「本審査」があります。
● 事前審査(仮審査)
金融機関が「この人は融資対象として大丈夫か」を簡易的に確認するもの。
年収や勤務先、借入状況、信用情報を中心にチェックされます。通常は数日で結果が出ます。
● 本審査
事前審査を通過した後に行われる、より詳細な審査です。
源泉徴収票や納税証明書などの提出書類をもとに、返済能力や信用力が厳しく確認されます。
つまり、「事前審査=予選」、「本審査=決勝戦」のようなイメージです。
まずは事前審査に通るかどうかが大きな分かれ道になります。
2. ローン審査で重視されるポイント
住宅ローンの審査は、単純に「年収が多ければいい」というものではありません。
金融機関は以下のようなポイントを総合的に判断します。
(1) 年収と返済負担率
一般的には「年収に対して返済額が30~35%以内」であることが目安とされます。
年収500万円なら年間返済額は150万円程度が限度です。
(2) 勤務先や勤続年数
安定した職業(公務員、大企業など)は有利です。
転職したばかりだと不利になる場合がありますが、専門職やスキル職なら考慮されるケースもあります。
社員、アルバイト、パートでも融資を受けられますが、金融機関は限定されます。
(3) 他の借入状況
車のローンやカードローン、リボ払いがあると、その返済分も含めて審査されます。
「住宅ローン以外の借金」が多いとマイナス評価になります。
(4) 個人信用情報
クレジットカードやローンの利用履歴、返済遅延、延滞、金融事故などが登録されています。
これが、「ローン審査の核心」と言っても過言ではありません。
3. 個人信用情報とは?
個人信用情報とは、あなたの金融取引の履歴を記録したデータベースです。
日本では以下の3つの機関が信用情報を主に管理しています。
CIC(シーアイシー):クレジットカードや消費者ローンの情報
JICC(日本信用情報機構):消費者金融やカードローンなどの情報
全国銀行個人信用情報センター(KSC):銀行系ローンや住宅ローンの情報
金融機関はローン審査の際にこれらの情報を照会し、あなたの信用力を判断します。
つまり、「ローンに通るかどうかは、この信用情報がカギを握っている」といえます。
4. 事前に自分の信用情報を確認する方法
「自分はローンに通るのか不安」という方におすすめなのが、信用情報の開示請求です。
各機関に申請すれば、1,000円程度で自分の信用情報を入手できます。
スマホやパソコン、郵送での対応が可能で、ネット申請は1~2日、郵送は1週間程度で情報を入手できます。
自分の信用情報を事前に確認しておくことで、
「延滞の記録が残っていないか」、「完済済みの借入がきちんと反映されているか」などをチェックできます。
開示の際は、該当する機関だけでなく、最低でも上記の3機関の同時開示をしてみましょう。
5. 金融事故歴がある場合の影響
金融事故とは、ローンやクレジットの返済を長期間延滞したり、債務整理・自己破産などを行った場合のことです。
これらの情報は信用情報に記録され、「ブラックリストに載る」とも言われます。
そもそもブラックリストというものは無く、信用情報に事故歴が記載されている=ブラックとなります。
金融事故情報の登録期間の目安
延滞:1年~5年程度
債務整理(任意整理・個人再生など):5年~7年程度
自己破産:5年~10年程度
この期間中は、ほとんどの金融機関でローン関係は通りません。
つまり、過去に金融事故を起こした場合、
「一定期間は住宅ローンを組むのは難しい」と理解しておく必要があります。
期間を経過するまで、大人しくしざるを得ない状況です。
6. ローン審査に通りやすくするための対策
「今すぐ住宅を買いたい!」と思っても、信用情報や借入状況によっては厳しい場合もあります。
以下のポイントを意識することで、将来的に審査に通りやすくなります。
他の借入を整理する:カードローンやリボ払いはできるだけ完済
クレジットカードの利用を健全に保つ:延滞は絶対に避ける
安定した収入を維持する:転職のタイミングには注意
信用情報を定期的に確認する:誤登録がないかチェック
もし、身に覚えのない情報や間違っている情報などがあった際は、登録元に確認を。
7. 不動産会社からのアドバイス
住宅購入の際に最も多いご相談のひとつが、「ローンに通るか不安」というものです。
私たち不動産会社としても事前審査が通らなければ話が進まないため、
お客様と一緒に解決策を考えることが大切だと考えています。
■信用情報に不安がある方は、まずは開示請求をして現状を把握する
■過去に金融事故がある場合は、一定期間はローンが組めないことを前提に資金計画を立てる
■どうしても今すぐ住まいが必要なら、賃貸や親族の支援など他の方法を検討する
焦らずに準備を進めることで、安心してマイホーム購入に臨むことができます。
住宅ローンに通るかどうかは、収入や勤務先だけでなく個人信用情報に大きく左右されます。
過去に延滞や金融事故がある方は、一定期間は融資が難しいことを理解し、焦らず準備を進めることが大切です。
もし、「自分は通るのか不安」という方は、まずは信用情報を開示して現状を確認してみましょう。
そして、不動産会社や金融機関と相談しながら、無理のない資金計画を立ててください。
正しい知識を持って臨めば、マイホーム購入への道はきっと開けていきます。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池