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Vol.146 不動産を所有する事でのランニングコスト

不動産のアレコレ

不動産を所有する事でのランニングコスト

~戸建とマンション、どっちが本当にお得?~



「家を買ったら終わり!」と思っていませんか?


実際には、不動産を所有することは「買ってゴール」ではなく「そこからがスタート」です。


なぜなら、家は生き物のように維持管理が必要であり、所有している限りコストが発生し続けるからです。



今回は、不動産を所有することで発生するランニングコストについて、


戸建とマンションに分けて比較しながら解説していきます




ランニングコストとは?


まず「ランニングコスト」とは、購入後に継続して発生する費用のこと。


大きく分けると以下のようなものがあります。



  1. ■固定資産税・都市計画税

  2. ■修繕・メンテナンス費用

  3. ■保険料(火災保険・地震保険など)

  4. ■管理費・共益費(主にマンション)

  5. ■駐車場代

  6. ■光熱費(直接は建物に関わらないが影響あり)


これらは、「戸建とマンション」で性質が大きく異なります。




戸建のランニングコスト


① 固定資産税・都市計画税

戸建の場合、土地と建物の両方に課税されます。

土地の広さや建物の評価によって金額は変わりますが、一般的に郊外であればマンションより安く済むケースもあります。


② 修繕・メンテナンス費用

戸建の最大の特徴は、修繕はすべて自己責任、自費ということ。


  • ■外壁や屋根の塗装:約100万円~150万円(15年ごと目安)

  • ■給湯器交換:約20万円(10~15年ごと)

  • ■水回りリフォーム(キッチン・浴室など):数十万~数百万円


まとめて大きな出費になるのが戸建の痛いところですが、

逆に「自分のタイミングで修繕できる」という自由度はメリットでもあります。


③ 保険料

戸建はマンションよりも火災保険料が高くなりやすい傾向があります。

理由は、延焼リスクや災害リスクがダイレクトに反映されるからです。

地震保険も同様に、建物の構造や所在地によって差が出ます。


④ 駐車場代

土地付き戸建であれば駐車場代は不要。

これが都市部でマンションと大きな差を生むポイントです。




マンションのランニングコスト


① 固定資産税・都市計画税

マンションは土地の持分が小さいため、戸建より土地評価額が低くなるケースが多いです。

そのため固定資産税は比較的抑えられることが多いです。


② 管理費・修繕積立金

マンション所有者の宿命ともいえるのがこのコスト。


  • 管理費:共用部分(エレベーター・清掃・警備など)の維持費

  • 修繕積立金:将来の大規模修繕工事に備える積立金


平均すると月2~3万円程度。

これを30年払えば1,000万円近い支出になる計算です。


「マンションは買ったら楽」と思われがちですが、毎月の固定支出が続く点はしっかり意識すべきでしょう。


 修繕・メンテナンス費用

専有部分(室内設備)の修繕は自己負担です。

給湯器や水回りは戸建と同じように交換が必要になります。

加えて、管理組合の決定で強制的に大規模修繕に参加することになるため、

計画外の出費をコントロールしにくいというデメリットがあります。


④ 保険料

マンションは耐火構造が多いため火災保険料は戸建より安め。

ただし、水漏れ事故など「上下階への被害」をカバーするために特約を付けるケースが多く、

結果的に大差ないこともあります。


⑤ 駐車場代

都市部のマンションでは月数万円かかることも。

30年で1,000万円近く支払うケースも珍しくありません。駐車場代が戸建との大きな差になってきます。




どちらが「安い」と言えるのか?


結論から言えば、ランニングコストは「どちらが絶対安い」とは言えないのです。


  • 戸建は「大きな出費が不定期にドカンと来る」タイプ。


  • マンションは「毎月コツコツ出ていく」タイプ。


つまり、支出の仕方が違うだけで、トータルではそこまで差がないケースも多いのです。




ランニングコストを抑える工夫


長期修繕計画を立てる(戸建)

  1. → 外壁塗装や水回り交換を計画的に積み立てておく。


  2. 管理組合の健全性を確認する(マンション)

  3. → 修繕積立金が不足している物件は将来の負担増リスクがある。


  4. 保険は見直す

  5. → 火災保険料は年々上がっているため、補償範囲を整理するだけで節約可能。


  6. 駐車場込みの物件を選ぶ

  7. → 都市部で車を持つなら、駐車場代の差は大きい。




不動産を所有すると、戸建でもマンションでも「ランニングコスト」は必ずかかります。


「戸建は修繕費が高い」「マンションは管理費が高い」など一長一短ですが、


ライフスタイルとお金の使い方の好みで選ぶのが正解です。



  • まとめて払うのが苦でなければ「戸建」


  • 毎月定額で安心したいなら「マンション」



どちらも「買って終わり」ではなく「持ち続ける覚悟」が必要です。



ただ、決定的な違いと言えば、マンションの場合、住宅ローンが無い状態でも、


毎月の管理費や修繕積立金などの月額が掛かります。


これをどう見るか。



難しいところです。




記:ライフプランナー 武井

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