
Vol.370 離婚時の住宅ローン名義変更は「原則不可」。
【ペアローン解散】破綻を防ぐ3つのウルトラC
不動産会社が専門的に解説する“離婚と住宅ローンのリアル”
ペアローンは「結婚より離婚の方が難しい」
結婚時に「住宅ローンの借入額を増やせる」
しかし、離婚時には “最強クラスのトラブルメーカー” に変わります。
実際に相談で最も多いのが、
「離婚するから名義を片方に変えたい」
「相手が住むからローンを渡したい」
「私は家を出るから名義を抜きたい」
というもの。
しかし結論から言うと、ペアローンの名義変更は原則不可、ほぼ不可能。
この記事では、
■なぜ名義変更できないのか?
■離婚時に何が起きるのか?
■破綻を防ぐ“3つのウルトラC”とは何か?
を、不動産会社の専門知識をもとに徹底解説します。
1.まず、ペアローンとは?
買う時に一つの物件を「2本のローン」で組む事であり、夫婦共同の借金ではありません。
ローン①:夫名義
ローン②:妻名義
この2本がセットで家を買う仕組みとなります。
つまり、離婚してもローンは2本とも残り、相手のローンは消えません。
これが最大の落とし穴です。
2.離婚時に名義変更が「原則不可」な理由
① 銀行は「返済能力のある人」にしか貸さない
名義変更とは、「ローンを片方の名義にまとめる」事です。
しかし銀行は、
■年収
■勤続年数
■他の借入
■年齢
■子どもの有無
などを審査します。
離婚後の単独収入で“2人分のローン”を支払える人は然程おらず、
それ故に名義変更が通りにくい現実があります。
② ペアローンは“セット商品”だから
ペアローンは、2人の収入を前提に貸しているローンです。
銀行からすると、
2人で返す前提 → リスク低い
1人で返す前提 → リスク高い
リスクが上がるため、名義変更は基本的に認められません。
③ 連帯保証・連帯債務が絡んでいる
ペアローンは、
夫のローン → 妻が連帯保証
妻のローン → 夫が連帯保証
という構造。
離婚しても、連帯保証は自動では外れません。
銀行は「保証人が減る=リスク増」と判断するため、名義変更は拒否されます。
3.離婚時に起きる“最悪のシナリオ”
片方が住み続けるが、もう片方のローンも残る→ 出ていった側もローン返済が続く地獄。
相手が滞納すると、自分に督促が来る→ 連帯保証のため、逃げられない。
売りたくても売れない→ ローン残債>売却価格 の場合、売却不可。
住宅ローン破綻 → ブラックリスト入り→ 10年間クレジットカードも作れない。
ペアローンは、離婚時に最も破綻しやすいローンと言われる理由がここにあります
【では、どうしましょう?】破綻を防ぐ「3つのウルトラC」
ここからが本題です。
離婚時にペアローンを解消するには、通常の方法では不可能と言えます。
しかし“ウルトラC”なら可能かもしれません。
①家を売却してローンを完済する(最も現実的)
家を売って、ローンをゼロにする方法です。
売却価格 > ローン残債 → 完済してスッキリ
売却価格 < ローン残債 → 売却で解決可能
ペアローン解散で最も多い成功例がこれです。
【メリット】
■名義問題がすべて解決
■連帯保証も解除
■離婚後の生活がクリアになる
【デメリット】
■家を手放す必要がある
しかし、ローン破綻より100倍マシ。。。
②片方が家を買い取る(再ローン審査に通れば可能)
片方が家に住み続けたい場合、“買い取り”という方法があります。
■住み続ける側が単独ローンで借り換え
■そのローンで相手のローンを完済
■名義を単独に変更
ただし、単独で借りられる収入が必要です。
言わば、年収が高い人限定の方法と言えます。
③賃貸に出して家賃でローンを返す(最終手段)
売れない・買い取れない場合、賃貸に出して家賃で返済するという方法があります。
■家賃収入でローン返済
■住まない家を資産として維持し、将来売却のタイミングを待つ
ただし、
■空室リスク
■修繕費
■管理費・固定資産税
などがあるため、不動産会社の収支シミュレーションは必須です。
そして、この手法をする前に、借入先銀行に賃貸の許可を取る必要があります。
4.逆に「絶対にやってはいけない選択肢」
NG②:相手に返済を任せる→ 滞納されたらあなたに督促が来る。
NG③:家を放置する→ 競売 → ブラックリスト入り。
NG④:感情で決める→ 離婚 × 住宅ローンは“感情禁止”。数字で判断。
【不動産会社としてのアドバイス】“早く相談した人ほど助かる”
ペアローンは、離婚時に最も破綻しやすいローンです。
しかし、
■売却
■買い取り
■賃貸運用
という 3つのウルトラC を使えば、破綻を回避できる可能性は高くあります。
重要なのは、離婚が決まった瞬間に動くこと。
時間が経つほど、ローン滞納・資産価値下落・感情的対立など、状況が悪化します。
誰しもが買う時に離婚の可能性まで考える人はいないと思います。
だからこそ、やるべき事として、その作業は心理的にもキツくなる。