
Vol.255 介護と住み替え、タイミングと費用の考え方
介護と住み替え、タイミングと費用の考え方
―「まだ大丈夫」が一番危ない不動産の話―
介護と住まいは、突然セットでやってくる
「介護はまだ先」
「元気だから大丈夫」
そう思っていたある日、突然やってくるのが「介護と住まいの問題」です。
■階段が上れない
■風呂が危険
■病院まで遠い
■一人暮らしが不安
そして多くの方が、同時にこう悩み始めます。
「この家、住み続けられるのだろうか?」
1.介護が始まってからの住み替えは、なぜ大変なのか
① 判断する時間がない
介護が始まると、
■病院
■ケアマネ
■家族対応
で、心も時間も余裕がありません。
その状態で、
■売る?
■貸す?
■施設に入る?
を決めるのは、正直かなり酷です。
② 住み替え条件が一気に厳しくなる
介護が必要になると、
■バリアフリー
■病院・駅近
■エレベーター
など、選択肢が一気に狭まります。
結果、
「もっと早く考えておけば…」
という声を、私たちは何度も聞いてきました。
2.住み替えを考え始める“現実的なタイミング”
ベストは「元気なうち」
少し厳しい言い方ですが、元気なうちが、最良のタイミングです。
理由は明確です。
■判断力がある
■引越しができる
■選択肢が多い
【具体的な目安】
以下に当てはまったら、一度は考える時期です。
■60代後半〜70代
■配偶者を亡くした
■階段が負担に感じる
■車がないと生活できない
「介護が必要になったら」ではなく、「必要になる前」がポイントです。
3.介護と住み替え、代表的な3つの選択肢
① 自宅を売却して住み替え
『メリット』
■まとまった資金が手に入る
■管理の負担がなくなる
【注意点】
■売却まで時間がかかる
■思い出が多く決断しづらい
② 自宅を貸して賃貸収入を得る
『メリット』
■家を手放さなくて済む
■収入が継続
【注意点】
■管理の手間
■すぐ戻れない可能性
介護との両立は、意外と大変です。
③ 施設・サービス付き住宅へ入居
『メリット』
■介護体制が整っている
■家族の負担軽減
【注意点】
■入居費用が高額
■空き待ちがある
4.気になる「費用」の現実
① 住み替えには必ずお金が動く
よくある誤解が、「家を売ればプラスになる」
実際は、
■売却諸費用
■引越し費用
■新居の初期費用
が 必ず発生します。
② 施設費用の目安
月額:15万〜30万円
入居一時金:0〜数百万円
地域・施設により差が大きく、早めの情報収集が重要です。
5.よくある失敗例
「介護が始まってから考えればいい」
→ 時間が足りず、条件の悪い選択に。
「子どもが何とかしてくれる」
→ 子どもにも生活・家庭があります。
「家は最後まで残したい」
→ 気持ちは分かりますが、家に縛られる老後になることも。
6.不動産会社に早めに相談するメリット
介護と住み替えは、「不動産+家族+お金」が絡む複雑な問題です。
早めに相談することで、
■売却時期の検討
■賃貸に出せるかの判断
■資金シミュレーション
が可能になります。
7.介護と住まいは「先送りしない」が正解
介護と住み替えに、正解は一つではありません。
ですが、はっきり言えることがあります。
『準備していた人ほど、選択肢が多い』
という事実です。
「まだ元気だからこそ」、一度立ち止まって考えてみてください。
記:ライフプランナー 武井