
Vol.288 住宅ローンは頭金を入れる?35年以上で組む?
住宅ローンは頭金を入れる?35年以上で組む?
〜毎月の支払いだけで決めると、あとで困るかもしれない話〜
マイホームを購入するとき、多くの方が悩むのが住宅ローンの組み方です。
「頭金って入れた方がいいんですか?」
「ローンは35年以上で組んだ方が楽ですよね?」
どちらも正解のようでいて、実は 将来の資産計画に大きく関わるポイントです。
今回は、
頭金を入れるべきか?
ローン期間は長くするべきか?
というテーマについて、
1.住宅ローンの基本
住宅ローンは大きく3つの要素で決まります。
借入金額×金利×返済期間
この3つの組み合わせによって、
■毎月の返済額
■総支払額
■将来の残債の減るスピード
が決まります。
そして多くの方が一番気にするのが、毎月いくら払うのか?」です。
もちろんそれは重要ですが、
実は不動産会社として気になるのは、「将来売却する可能性」だったりします。
2.頭金を入れるメリット
まず頭金の話から見てみましょう。
頭金とは、購入時に現金で支払うお金のことです。
例えばですが、
物件価格:5,000万円
頭金:500万円
この場合、ローンは4,500万円になります。
頭金を入れる最大のメリットは、「借入額が減ること」です。
当然ですが借入が少なければ、月々の返済や総支払利息も減ります。
【金利が下がるローン商品もある】
もう一つ重要なのが、頭金によって金利が優遇されるローン商品が多いことです。
近年の金利上昇の局面で、各金融機関は頭金を入れる方には金利を優遇しています。
例えば、頭金として20%以上入れると、金利が0.1〜0.3%ほど下がるケースもあります。
金利が0.1%違うだけでも、数千万円のローンになると総支払額は、
数十万円〜100万円以上変わることもあります。
つまり頭金は、金利面でもメリットがあるということです。
3.では頭金は多いほど良い?
「じゃあ頭金は多いほどいいんですか?」
実は必ずしもそうとは言えません。
理由は、手元資金のバランスです。
住宅購入後には、
■引越し費用
■家具家電
■修繕費
■固定資産税
など、意外とお金がかかります。
「頭金を入れすぎて貯金がほとんど残らない」という状態は、あまりおススメできません。
不動産会社としては、生活防衛資金を残すことも大事だと考えています。
4.35年以上の超長期ローンはどうなのか?
最近はローン期間が長くなっています。
昔は35年が一般的でしたが、今では40年や50年という商品もあります。
期間を長くすると、毎月の返済額が下がりますので、生活はしやすくなるメリットがあります。
例えば、5,000万円のローンの場合
期間35年→毎月の返済額約14万円
期間40年→毎月の返済額約12.7万円
といった感じで、毎月の負担が軽くなります。
このため、「長く借りた方が楽じゃないですか?」という相談も増えています。
ただし見落としがちなポイントが潜んでいます。。。
それは、「元金がなかなか減らない」ということです。
ローンの返済は、最初のうちは利息の割合が多い仕組みになっています。
特に期間が長いローンほど、元金の減りが遅くなる傾向があります。
つまり、10年経っても思ったほど残債が減っていないということが起きます。
5.不動産会社が気にする、将来の「売却の時」
ここで不動産会社として気になるのが、将来の売却時です。
住宅を購入する方の多くは、「一生住むつもり」でいらっしゃる事でしょう。
しかし、もしも、、、が起こってしまったら…
転勤・家族構成の変化・相続・離婚・住み替えなどで、
購入時に考えてもいなかった売却が発生するケースも少なくありません。
その時に、頭を悩ませるのが「ローン残債」です。
そして、一番の問題点としては、「相場が下がったら」です。
例えば、売却時に、
5,000万円で購入→現在のローン残債4,000万円だったとします。
しかし市場価格が、類似物件で3,500万円だった場合どうなるでしょうか?
この場合、500万円足りないことになります。
つまり、売りたくても売れないという状態です。
もちろん、この時に500万円を現金でご用意出来れば問題ありません。
ローン期間が長いと、こうした状態になりやすいリスクが存在します。
6.だからこそ大事なバランス
ではどうすればいいのでしょうか?の答えとしてはシンプルです。
それは、無理ないバランスです。
■頭金をある程度入れる
■無理のない返済額
■将来の売却も想定
この3つのバランスを考えることが大切です。
不動産会社やファイナンシャルプランナー、金融機関などにご相談をされる事をおススメします。
7.不動産は資産でもある
家は「住む場所」であると同時に、資産でもあります。
資産ということは、将来、売る・貸す・相続する可能性もあります。
そのためローンの組み方も、資産としてどう動くか?という視点が大切です。
住宅ローンは、ただの借金ではなく資産計画でもあります。
だからこそ、物件選びだけではなくローンの組み方も重要なのです。
不動産会社としては、「無理のない返済」と同時に、
「将来の自由度」も残しておくことをおススメしています。
マイホームは人生の大きな決断です。
だからこそ、少し先の未来も見ながら自分に合った住宅ローンを選んでみてください。
注意点として、45年や50年を平気で提案する不動産会社も多いです。
上記の内容を知れば、それが「悪魔の契約」になる場合もある事が分かると思います。
どうぞ、ご慎重に。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池