
Vol.116 ZEH?ZEH水準?ナニソレ?
最近よく聞く「ZEH」とは?ZEH水準との違いを解説!
近年、完成する新築戸建では、「ZEH(ゼッチ)」という言葉を耳にする機会が増えました。
「ZEHって、光熱費が安くなるんでしょ?」
「太陽光発電を載せる家だよね?」
「ZEH住宅って高いんでしょ?」
と、漠然としたイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、ZEHには明確な定義があり、その基準を満たした住宅は、
これからの住まいのスタンダードとして国も普及を後押ししています。
さらに「ZEH水準」という言葉もありふれています。
このブログでは、お客様に安心して理想の住まいづくりを進めていただくために、
ZEHの基本的なことから、ZEH水準との違い、そしてZEH住宅を選ぶメリット・デメリットまで解説します。
ZEH(ゼッチ)とは?──「エネルギーを創る家」の基本コンセプト
まず、ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称です。
日本語に直訳すると「エネルギー収支をゼロ以下にする家」となります。
「え、エネルギーをゼロにするなんて、そんなこと可能なの?」
そう思われたかもしれませんね。
ここで言う「エネルギー」とは、家の照明や冷暖房、給湯など、家で消費するエネルギーを指します。
ZEHは、このエネルギー消費量を大幅に減らし、さらに使うエネルギーを自ら創り出すことで、
年間を通じて消費するエネルギー量を実質的にゼロ、またはそれ以下にすることを目指した住宅です。
ZEHを構成する要素は、主に以下の3つの柱で成り立っています。
■「断熱」:使うエネルギーを減らす土台作り
家の壁や屋根、床、窓などの断熱性能を大幅に向上させ、
室内の熱が外に逃げない、また外の熱が入ってこないようにします。
魔法瓶のようなイメージですね。
この性能が高ければ高いほど、夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごせます。
■「省エネ」:効率の良い設備で無駄をなくす
高い断熱性能で室温が安定したら、次は冷暖房や給湯、
換気などで消費するエネルギーを最小限に抑える高効率な設備を導入します。
例えば、熱を逃がしにくい高性能エアコンや、少ないエネルギーでお湯を沸かせるエコキュートなどです。
■「創エネ」:使うエネルギーを自ら創り出す
「断熱」と「省エネ」で使うエネルギーを徹底的に減らしたら、
最後に不足するエネルギーを「創エネ」で補います。
その代表的な設備が「太陽光発電システム」です。
太陽の光を利用して電気を創り出し、家で消費する電力の大部分を賄います。
この3つの要素をバランスよく組み合わせることで、「消費エネルギー < 創エネルギー」の家、
つまりZEH住宅が完成するのです。
ZEH住宅の具体的なメリットと、知っておくべきデメリット
ZEH住宅は、単に環境に優しいだけでなく、住む人にとって非常に多くのメリットをもたらします。
【ZEH住宅のメリット】
①光熱費が大幅に安くなる
ZEH住宅の最大の魅力は、なんといっても光熱費の削減です。
高性能な断熱材と省エネ設備により、冷暖房の使用頻度が減り、
さらに太陽光発電で創った電気を自家消費できるため、電気代が大幅に安くなります。
②冬は暖かく、夏は涼しい、快適な暮らし
高気密・高断熱の家は、外気温の影響を受けにくく、一年中安定した室温を保ちやすいのが特徴です。
リビングと廊下、お風呂場との温度差が少ないため、「ヒートショック」などの健康リスクも軽減され、
家族みんなが安心して暮らせます。
③高い資産価値を維持しやすい
環境性能の高い家は、将来売却する際にも評価されやすくなっています。
ZEHの基準を満たした家は、今後さらに需要が高まることが予想されており、
資産価値が下がりにくいというメリットがあります。
④補助金制度を利用できる可能性がある
国や自治体は、ZEH住宅の普及を後押しするために、さまざまな補助金制度を用意しています。
これらの補助金を活用することで、建築費の負担を軽減できる場合があります。
【ZEH住宅のデメリット】
①初期費用が高くなる傾向にある
高性能な断熱材や窓、省エネ設備、そして太陽光発電システムを導入するため、
一般的な住宅に比べて建築費用が高くなる傾向にあります。
ただし、長期的に見れば光熱費の削減効果や資産価値の維持により、
初期費用の差額を十分に回収できるケースも多いです。
②日照時間や立地条件に左右される
創エネの要となる太陽光発電は、日照時間に大きく左右されます。
太陽光パネルを設置できる十分な屋根面積がない、近隣に高い建物があり日当たりが悪い、
といった立地条件によっては、十分な発電量が見込めない場合があります。
「ZEH水準」とは?ZEHとの決定的な違い
では、「ZEH水準」とは、ZEHと何が違うのでしょうか?
簡単に言うと、ZEH水準とは、
「ZEHの断熱性能と省エネ性能は満たしているけれど、創エネ設備(太陽光発電など)は設置していない(または設置しているが基準を満たしていない)住宅」
を指します。
つまり、ZEHとZEH水準の最も大きな違いは、「創エネ」の有無にあります。
ZEH:断熱 + 省エネ + 創エネ
ZEH水準:断熱 + 省エネ
この違いが、住宅の性能や受けられる優遇制度に大きな影響を与えます。
ZEH水準の家を建てるメリット
では、ZEH水準の家にはどんなメリットがあるのでしょうか?
①初期費用を抑えられる
ZEH水準の家は、太陽光発電システムを導入しない分、ZEH住宅に比べて初期費用を抑えられます。
②「快適さ」と「省エネ」はZEHと同等
断熱性能と省エネ性能はZEHと同じ基準を満たしているため、
光熱費の削減効果や、冬暖かく夏涼しい快適な室内環境は、ZEH住宅と遜色ありません。
③住宅ローン減税やフラット35の優遇が受けられる
2024年から始まった新しい住宅ローン減税制度では、
ZEH水準の住宅も「高性能住宅」として高い控除額の対象となりました。
また、長期優良住宅や低炭素住宅といった高い性能を持つ住宅を対象とした住宅ローン「フラット35」でも、
ZEH水準の住宅は「フラット35S(金利Aプラン)」の優遇金利が適用されます。
「ZEH水準の家」は、太陽光発電システムはまだ検討中だけど、
まずは快適で光熱費が安くなる高性能な家に住みたい、という方にとって
、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
あなたに最適なのはどっち?ZEHとZEH水準の選び方
ZEHとZEH水準、どちらを選ぶべきかは、ご家族のライフスタイルや予算、
そして住まいに何を求めるかによって変わってきます。
【ZEHがおすすめの方】
「光熱費を徹底的に抑えたい」
太陽光発電で創った電気を自家消費することで、月々の光熱費を大幅にゼロに近づけることができます。
「将来的に売電収入も得たい」
余った電気を電力会社に売電することで、家計のプラスになります。
(売電価格は年々下がっていますが、電気料金高騰の今、その価値は改めて見直されています)
「環境問題に関心が高い」
地球温暖化対策に貢献する、環境に配慮した住まいづくりをしたい方に最適です。
【ZEH水準がおすすめの方】
「初期費用を抑えながらも、高性能な家に住みたい」
太陽光発電システムを後から設置することも可能です。
まずは高性能な「箱」だけを整え、将来の家計状況に合わせて創エネ設備を導入するという選択肢もあります。
「太陽光発電の設置が難しい立地」
日当たりが悪い、屋根が小さいなど、太陽光発電で十分な発電量が見込めない場合でも、
断熱性能や省エネ性能を十分に満たした快適な家に住むことができます。
「将来的なメンテナンス費用が心配」
太陽光発電システムは、定期的なメンテナンスや10年〜15年後の買い替え費用が発生します。
そうしたコストを懸念される方には、ZEH水準から始めるのも良いでしょう。
ZEHもZEH水準も、
これからの住宅に求められる「省エネ性能」と「快適性」を高いレベルで実現した、非常に優れた住宅です。
地球環境に配慮しつつ、家計にも優しく、何よりご家族が一年中快適に過ごせるという、
多くのメリットをもたらしてくれます。
「ZEHの家を建てたいけれど、何から始めたらいいか分からない」
「ZEH水準の家って、補助金はどんなものがあるの?」 など、
ご不明な点やご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
記:宅地建物取引士 原田