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Vol.231 一棟アパートは、戸数が多い方が有利?

不動産のアレコレ

一棟アパートは戸数が多い方が有利?

~投資物件選びで失敗しないための本当の考え方~



不動産投資を検討していると、必ず出てくる疑問があります。


それが……


「一棟アパートって、戸数が多い方がいいんですか?」


不動産広告や投資セミナーでは、


「戸数が多い=リスク分散になる」

「満室時の家賃収入が安定する」


といった言葉をよく見かけます。



確かに、一理あります。



ですが、戸数が多ければ無条件に“良い投資物件”になるかというと、答えはNOです。



この記事では、不動産投資初心者の方にも分かりやすく、


  • 〇戸数が多い一棟アパートのメリット・デメリット

  • 〇戸数が少ない物件が向いているケース

  • 〇「戸数」よりも本当に見るべき重要ポイント

  • 〇不動産会社の立場から見た“失敗しやすい勘違い”


を、実務目線で解説します。




1.そもそも「戸数が多い」とは何戸から?


一般的に、不動産投資の現場では次のように考えられることが多いです。


  • 4〜6戸:小規模一棟アパート

  • 8〜10戸:中規模

  • 12戸以上:大規模一棟


金融機関の融資評価や管理の難易度も、だいたいこのあたりから変わってきます。




2.戸数が多い一棟アパートのメリット


① 空室リスクが分散できる


これは、よく言われる王道メリットですね。


例えば、

  • 4戸中1戸空室 → 稼働率75%

  • 10戸中1戸空室 → 稼働率90%


同じ「1戸空室」でも、家賃収入への影響は大きく違います。


「家賃収入が一気にゼロになるリスクが低い」


これは戸数が多い物件ならではの強みです。



② 収支が安定しやすい


戸数が多いほど、


  • ■家賃収入が分散

  • ■入退去が同時に起きにくい

  • ■月ごとの収支ブレが小さい


という特徴があります。


特に、


「会社員として働きながら副業的に投資したい」

「毎月のキャッシュフローを安定させたい」


という方には、心理的にも安心感があります。



③ 管理効率が良い場合もある


一棟アパートで戸数が多い場合、


  • ■管理会社との契約が一括

  • ■修繕工事をまとめて発注できる

  • ■清掃・巡回コストが割安になる


といったスケールメリットが出ることもあります。




3.でも、要注意!戸数が多い物件の落とし穴


① 物件価格が高く、借入額が大きい


戸数が多い=家賃収入が多い


ですが同時に、


  • ■物件価格も高い

  • ■借入額が大きくなる

  • ■金利上昇の影響を受けやすい


という現実があります。


表面利回りが高く見えても、「返済後に手元に残るお金が思ったより少ない」というケースは少なくありません。



② 修繕費・原状回復費が一気に来る


戸数が多いということは、それだけ「設備」も「部屋」も多いということ。


  • ■給湯器

  • ■エアコン

  • ■外壁・屋根

  • ■共用部の照明や階段


これらが同時期に寿命を迎えると、修繕費が一気に数百万円単位になることも。


「空室が1戸埋まった!」と喜んだ翌月に、「エアコン3台交換です」という現実がやってきます。



③ 管理が“想像以上に大変”


戸数が多いと、当然ながら、


  • ■入居者対応

  • ■クレーム

  • ■騒音・ゴミ問題


の発生確率も上がります。


管理会社に任せていても、最終判断はオーナーというケースは多く、


「思ったより手間がかかる…」と感じる方もいます。




4.戸数が少ない一棟アパートはダメなのか?


結論から言うと、そんなことはありません。


『戸数が少ない物件が向いている人』


  • ■初めての不動産投資

  • ■自己資金を抑えたい

  • ■小さく始めて経験を積みたい

  • ■売却しやすさも重視したい


このような方には、4〜6戸程度の小規模一棟アパートは、むしろ現実的です。



「小規模物件の強み」


  • ■投資金額が比較的少ない

  • ■融資審査が通りやすいケースも

  • ■将来、個人投資家に売却しやすい

  • ■修繕費のインパクトが限定的


「まずは一棟やってみたい」という方には、小規模から始めるのは非常に堅実な選択です。




5.本当に大事なのは「戸数」よりも〇〇


① 立地(エリアの需要)


  • ■駅距離

  • ■周辺の賃貸需要

  • ■人口動態


戸数が多くても、借り手がいなければ意味がありません。



② 賃料設定の妥当性


  • ■相場より高すぎないか

  • ■将来下げる余地があるか


「満室想定家賃」より“現実的にいくらで貸せるか”が重要です。



③ 建物の状態と築年数


  • ■過去の修繕履歴

  • ■今後10年で何にお金がかかるか


戸数が多いほど、建物の状態チェックはシビアに見る必要があります。



④ 出口戦略(売却)


  • ■誰に売れる物件か

  • ■売却時に戸数が武器になるか

買う時より、
売る時の方が難しい


これが不動産投資の現実です。




6.不動産会社として伝えたいこと


「戸数が多い方が儲かりますよ」


この言葉、正しくもあり、間違いでもあります。


大切なのは、


  • ■自分の資金力

  • ■投資目的

  • ■リスク許容度

  • ■管理にどこまで関われるか


これらに合った“ちょうどいい規模”を選ぶこと。


戸数は「正解」ではなく、あくまで判断材料のひとつです。




7.戸数が多い=正解ではない


  • ■戸数が多い物件は、安定性と引き換えにリスクも大きい

  • ■戸数が少ない物件は、堅実で始めやすい

  • ■本当に大事なのは「立地・収支・将来性」



一棟アパート投資は、数字だけで判断すると失敗しやすい分野です。


だからこそ、物件ごとに冷静に、プロの目で判断することが重要です。


「この物件、戸数多いけど大丈夫?」


「自分にはどの規模が合っている?」


そんな時は、ぜひ一度、不動産投資に強い不動産会社にご相談ください。



ウチの会社から、何人のリタイア投資家が生まれたかなぁ~?



記:宅地建物取引士  原田


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