
Vol.258 物件広告で見るべき“重要ワード”とその意味
物件広告で見るべき“重要ワード”とその意味
―「良さそう」に惑わされないための不動産広告の読み解き方―
物件広告は「事実」だが「親切」ではない
不動産ポータルサイトやチラシを見ていると、どれも魅力的に見えてきます。
■駅近
■好立地
■リフォーム済
■住環境良好
しかし、ここで一つ大事な事実があります。
「物件広告はウソは書いていないが、すべてを正直には書いていない」
ということです。
つまり、広告を見る力=失敗しない力になる。
今回は、不動産会社が必ずチェックする「重要ワード」を解説します。
1.「駅徒歩〇分」―最初に疑うべき定番ワード
表示ルールを知っていますか?
■1分=80m表記
■信号・坂・踏切は考慮しない
つまり、「実際はもっと遠く感じることが多い可能性もある」というのが現実です。
しかも、この80mは、女性がヒールで進む距離と定義されています。
コレ、以外に知らない同業者も多いんです。
【チェックポイント】
■坂道はないか
■夜道は安全か
■雨の日も歩けるか
数字より体感が重要です。
2.「好立地」 基準は誰の?
「好立地」は、明確な定義がありません。
■駅近が良い人
■学校区重視の人
■静かさ重視の人
立地の良し悪しは、ライフスタイル次第です。
3.「閑静な住宅街」 静か=便利ではない
よくある誤解です。
■店舗が少ない
■夜は人通りが少ない
■車がないと不便
メリットでもあり、デメリットでもあります。
4.「リフォーム済」・「リノベーション済」 好みに合う?
見るべきは“どこまでやったか?”
■表面だけ(クロス・床)
■水回り交換済
■配管・給排水
リフォーム済=安心ではありません。
また、見るべきポイントとしては、
■築年数が古い
■構造部分に手を入れていない
■工事内容が不明確
こうした物件は、良い悪いではなく、注意が必要です。
5.「南向き」 本当に日当たりは良い?
南向きでも、前に建物がある・隣家が近いと、日当たりが悪いこともあります。
確認すべきことは、
■時間帯ごとの日照
■冬の日当たり
■将来建物が建つ可能性
6.「即入居可」 なぜ空いている?
即入居可=悪い物件、ではありません。
しかし、
■長期間売れていない
■価格が相場より高い
■何か理由がある
ケースもあります。
7.「管理体制良好(マンション)」 どの部分が?
見るべきは“言葉”ではなく“現物”
■共用部の清掃状態
■掲示板の内容
■ゴミ置き場
これが全てを物語ります。
8.「周辺環境充実」 良くも悪くも人が集まる
具体的に、何が・どこに・どれくらいあるのかを確認しましょう。
コンビニが近い=便利=騒音・人通りが多い
という側面もあります。
9.「投資にもおすすめ」 投資レベルは?
このワード、居住用購入者は要注意です。
■居住ニーズが弱い
■住み心地より数字重視
の可能性があります。
10.「掘り出し物件」・「希少物件」 なぜ市場に出る?
不動産において、本当の掘り出し物は、表に出る前に決まることがほとんどです。
煽り文句として使われることも多いワードです。
【不動産会社が本当に見ているポイント】
広告よりも重視するのは、
■立地の将来性
■売却時の出口
■修繕履歴
■周辺の取引事例
つまり、「今よく見えるか」より「将来どうなるか」です。
広告ワードに惑わされないためのコツ
① 良い言葉ほど理由を考える
② 曖昧な表現は質問する
③ 現地を必ず見る
④ 夜・雨の日も確認
これだけで、失敗確率は大きく下がります。
広告は“入口”、判断は“現地と中身”
物件広告は、あくまで入口です。
信じるものではなく、読み解くもの
言葉の裏を理解することで、本当に自分に合った物件に近づけます。
まぁ、実際にそこまで考えて作られている広告内容ではないのが現実ですけどね…。
記:宅地建物取引士 原田