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Vol.420 さぁ!家を建てよう!では、どこから始める?

不動産にかかわるノウハウ

ハウスメーカーの選び方・理想の家を伝える方法



「注文住宅で家を建てたい!」


そう思った瞬間から、家づくりは始まります。



ところが、いざ動き出そうとすると、


「ハウスメーカーと工務店、どちらがいいの?」

「何社くらいに相談すればいい?」

「モデルハウスは何を見ればいい?」

「自分たちの理想の家をどうやって伝えればいい?」

「営業担当者には何を話せばいい?」

「そもそも、まだ具体的な間取りなんて決まっていない……」


と、分からないことが次々に出てきます。


注文住宅は、完成した家を購入するのではありません。


自分たちの頭の中にある「こんな家に住みたい」というイメージを、

設計士や営業担当者、現場の職人など、さまざまな人の力を借りながら実際の建物にしていくものです。


だからこそ、「どこから始めるか?」だけでなく、「どう伝えるか?」も非常に重要です。



今回は、土地や住宅ローンなどの話ではなく、

あくまで「家そのもの」に絞って、注文住宅の始め方を解説します。


ハウスメーカーの選び方、モデルハウスの見方、理想のイメージを具体化する方法、営業担当者への伝え方、

間取りを考えるときのポイントなど、これから注文住宅を検討する方が実践できる内容をまとめました。




1.まず最初に「理想の家」を決めなくてもいい


注文住宅を考え始めると、「最初に間取りを決めなければいけない」と思ってしまう方がいます。

しかし、最初から完璧な間取りを作る必要はありません。


むしろ最初から、


「LDKは20畳」

「キッチンはアイランド」

「子ども部屋は6畳を2部屋」


など、細かい数字だけを決めてしまうと、本当に自分たちが必要としている家が見えなくなることがあります。


最初に考えたいのは、「どんな家に住みたいのか?」ではなく、「その家でどんな暮らしをしたいのか?」です。


「家族が自然にリビングに集まる家にしたい」

「洗濯をできるだけ楽にしたい」

「休日は家でゆっくり過ごしたい」

「料理をしながら子どもの様子を見たい」

「帰宅したらすぐ手洗いできる動線にしたい」

「家の中をできるだけスッキリさせたい」


など、ここから間取りを考えていきます。



STEP1…まず「理想の暮らし」を言葉にする

家づくりの第一歩は、意外にも間取りではありません。言葉にすることです。


「広いリビングが欲しい」という希望があったとします。

しかし、本当に欲しいのは「広いリビング」でしょうか?



もしかすると、


「家族4人でソファに座って映画を見たい」

「友人を呼んでホームパーティーをしたい」

「子どもがリビングで遊べるようにしたい」


ということが目的かもしれません。

目的が分かれば、必要な広さや家具の配置も変わってきます。


同じように、大きい収納が欲しいという希望も、

「物が多いから収納が欲しい」のか?

「生活感を見せたくない」のか?

「掃除を楽にしたい」のか?


それらによって適した収納の形は変わります。


つまり、希望→理由→暮らし方まで掘り下げることが重要です。



STEP2…SNSや画像を使って「好き」を集める

理想の家がまだ頭の中にない方におすすめなのが、画像集めです。

Instagram、Pinterest、住宅会社の施工事例などを見て、「なんとなく好き」と思った写真を保存していきます。


この段階では、

「こんな家は予算的に無理」

「こんな間取りはできない」

などと考える必要はありません。とにかく集めます。


外観・リビング・キッチン・洗面所・浴室・玄関・収納・寝室・子ども部屋・照明・壁紙・床材・窓・階段など、

気になるものをどんどん保存します。


1枚でも2枚でも構いません。


ただし「画像を集めすぎる」のも問題。

たくさん画像を集めると、自分の好みが見えてくる一方で、情報が多すぎて逆に迷うことがあります。


そこでおすすめなのが、「絶対に好きな写真を3枚だけ選ぶ」という方法です。

10枚集めたら、その中から5枚。さらに5枚から3枚。

最終的に、「この3枚の雰囲気が好き」というところまで絞ります。


すると、

「木の温かみが好き」

「ホテルライクな雰囲気が好き」

「白とグレーが好き」

「天井が高い空間が好き」

「間接照明が好き」

など、自分たちの好みが見えてきます。


これはハウスメーカーや設計士に伝える際に非常に役立ちます。



STEP3…「好きな写真」だけではなく「嫌いなもの」も集める

実は、注文住宅ではこちらも重要です。

営業担当者に、「どんな家が好きですか?」と聞かれても、

「なんとなくおしゃれな家」としか答えられない方は多いでしょう。


そんなときは、「嫌いなもの」を伝える方法があります。


例えば、


「濃い色の床は嫌い」

「オープン階段は怖い」

「吹き抜けは掃除が大変そうだから嫌」

「生活感が見えるキッチンは嫌」

「白一色の家は好きではない」

などです。


「好き」を言葉にするのは難しくても、「嫌い」は意外と簡単です。

注文住宅では、「これだけは嫌だ」を明確にするだけでも、設計の方向性がかなり見えてきます。



STEP4…ハウスメーカーは「会社」より「家」で比較する

ハウスメーカー選びでは、会社の知名度だけで決めないことが重要です。


大手だから良い。

地元工務店だから良い。

ローコストだから悪い。


という単純な話ではありません。


見るべきなのは、「自分たちが欲しい家を、その会社が得意としているか?」です。


・高気密・高断熱を重視したい
・耐震性能を重視したい
・デザイン性を重視したい
・自然素材を使いたい
・大空間を作りたい
・家事動線を重視したい
・収納を充実させたい
・自由な間取りにしたい


など、会社によって得意分野があります。


施工事例を見て、「この会社が建てる家、好きだな」と思えるかどうかは非常に重要です。




2.ハウスメーカー選びで「営業担当者」はかなり重要


注文住宅では、会社だけでなく、担当者との相性も重要です。

なぜなら、家づくりは一度の打ち合わせで終わらないからです。


何度も打ち合わせをし、

「これはどうですか?」

「こっちのほうがいいですか?」

「この収納は必要ですか?」

と相談しながら家を作っていきます。


そのため、

「質問しやすい」

「こちらの話を聞いてくれる」

「メリットだけでなくデメリットも説明してくれる」

「分からないことを分からないままにしない」

という担当者は非常に心強い存在です。


逆に、

「とにかく契約を急がせる」

「こちらの希望を聞かずに商品を勧める」

「できない理由ばかり説明する」

「質問すると嫌そうな顔をする」

という場合は、一度立ち止まって考えてみてもいいでしょう。



【営業担当者には「間取り」より先に「暮らし」を伝える】


営業担当者との最初の打ち合わせ。

ここで、「4LDKでお願いします」だけでは、担当者も困ってしまいます。


それより、

「夫婦と子ども2人で暮らします」

「共働きです」

「朝は家族全員が忙しいです」

「洗濯物を干すのが大変です」

「休日は家で過ごすことが多いです」

「来客が多いです」

など、生活スタイルを伝えましょう。


そこから、

「では、洗濯動線を短くしましょう」

「帰宅動線を考えましょう」

「リビング収納を作りましょう」

など、具体的な間取りにつながります。


つまり、「何が欲しいか?」より、「どう暮らしているか?」を伝えることが重要です。




営業担当者に伝えるべき「5つの情報」

最初の打ち合わせでは、最低限次の5つを伝えてみましょう。


① 家族構成

夫婦、子どもの人数、将来の家族構成など。



② 現在の生活で困っていること

「収納が足りない」

「洗濯が大変」

「玄関が散らかる」

細かいと思われる部分も、言わないと損です。



③ 今の家で気に入っているところ

現在賃貸住宅に住んでいる場合でも構いません。



④ 絶対に欲しいもの

「ファミリークローゼット」

「大きなキッチン」

「書斎」

図面引いてからの変更は、設計士泣かせです。



⑤ 絶対に嫌なもの

「リビング階段は嫌」

「掃除が大変な間取りは嫌」

これだけでも、担当者はかなり具体的な提案ができるようになります。




3.モデルハウスでは「家具」ではなく「空間」を見る


モデルハウスを見るとき、ついつい家具やインテリアに目が行きます。

しかし、注文住宅の参考にするなら、家具を全部取っ払った状態を想像することが重要です。


例えば、「このソファがおしゃれ」ではなく、

「この部屋に自分たちのソファを置いたらどうなる?」と考えます。


モデルハウスは、家具、照明、カーテン、インテリアなどによって非常に魅力的に見えるように作られています。

だからこそ、「家そのものを見る」ことが重要です。



<モデルハウスで確認したいポイント>


モデルハウスでは、

・天井の高さ

・窓の大きさ
・窓の位置
・廊下の幅
・収納の奥行き
・キッチンからリビングの見え方
・洗面所の広さ
・階段の傾斜
・コンセントの位置
・ドアの開き方
・家具を置いたときの通路幅

などを確認しましょう。


特におすすめなのが、実際に動いてみることです。


キッチンから冷蔵庫へ行く

洗濯機から物干しスペースへ行く

玄関からリビングへ行く

朝起きて洗面所へ行く


こうした動作を実際にやってみると、図面だけでは分からないことが見えてきます。




4.「間取り図」を見るときのコツ


間取り図を見るときは、「部屋の数」だけを見ないようにしましょう。

重要なのは、人がどう動くのか?です。


玄関
↓
手洗い
↓
リビング
↓
キッチン


や、


洗面所
↓
ランドリールーム
↓
ファミリークローゼット
↓
寝室


という動線。

家事動線や生活動線を意識して見ると、間取りの良し悪しが分かりやすくなります。



ー「収納は多ければいい」わけではないー


注文住宅で人気なのが収納です。

しかし、収納は単純に数を増やせばいいわけではありません。


重要なのは、「何を、どこに収納するのか?」です。


掃除機をどこに置くのか?

季節家電はどこか?

ランドセルはどこか?

ゴミ箱はどこか?

買い物した荷物はどこに置くのか?

コートはどこに掛けるのか?


こうした具体的な物を想定して収納を作ると、使いやすい家になります。

「収納を3畳作りました」より、「掃除機、日用品、季節家電をここに収納します」の方が、はるかに実用的です。




5.「完成イメージ」を3D・CG・VRで確認する


現在の注文住宅では、完成前に家のイメージを確認できる方法が増えています。


平面図だけでは、

「ここに家具を置いたらどうなる?」

「この窓からどんな景色が見える?」

「キッチンからリビングはどう見える?」

ということが分かりにくいものです。


そこで、

・3Dパース
・CGパース
・VR
・ウォークスルー画像

などを活用します。


もちろん、すべての会社が同じサービスを提供しているわけではありません。

しかし、もし利用できるのであれば積極的に活用しましょう。


特に、「図面ではイメージできない」という方には非常に有効です。



ー打ち合わせ内容は必ず記録するー


注文住宅では、打ち合わせの回数が非常に多くなります。

そこでおすすめなのが、「家づくりノート」を作ることです。


・決定したこと

・保留していること
・変更したこと
・質問
・追加費用
・次回確認すること


などを記録します。

スマートフォンのメモでも構いません。


「前回、コンセントの位置はどう決めたっけ?」

「この窓は変更したんだっけ?」


ということが意外と起こります。


家づくりは長期戦です。記憶だけに頼らないことも大切です。




5.「今」だけではなく10年後の家を考える


注文住宅は、完成した瞬間がゴールではありません。

そこから10年、20年、30年と暮らします。


例えば子どもが小さい家庭なら、今は子ども部屋が必要なくても10年後には必要になるかもしれません。

逆に、子どもが独立した後は、大きな子ども部屋が余る可能性があります。


だからこそ、「今の家族」だけではなく、「将来の家族」も考えることが大切です。


可変性のある間取りにする

将来壁を設置できるようにする

収納を用途変更できるようにする


こうした工夫によって、長く暮らしやすい住宅になります。



最後に、【注文住宅は「伝える力」が家の完成度を左右する】

注文住宅で、「どこから始めたらいいのか分からない」という方は、最初から正解を探す必要はありません。


まずは、「どんな暮らしをしたいのか?」を考えてみてください。


そして、SNSや住宅会社の施工事例から好きな画像を集めます。


次に、「好きなもの」と「嫌いなもの」を整理します。


そこから、


・自分たちが好きな家のテイスト
・欲しい間取り
・現在の生活で困っていること
・将来どう暮らしたいか
・絶対に譲れない条件


を整理していきます。


ハウスメーカーを選ぶときも、「有名だから」「営業担当者に勧められたから」だけではなく、

「自分たちが建てたい家を、この会社は得意としているか?」という視点で比較しましょう。


そして、営業担当者には、「4LDKが欲しい」だけではなく、

「朝は家族全員が忙しい」

「洗濯を楽にしたい」

「リビングは家族が自然に集まる場所にしたい」

など、自分たちの生活そのものを伝えることが大切です。


設計士や営業担当者は、そこから家を形にしていきます。


注文住宅は、「家を買う」というより、「暮らし方を設計する」という感覚に近いかもしれません。


だからこそ、最初から完璧な間取りを持っている必要はありません。


「こんな雰囲気が好き」

「これは嫌い」

「今の家のここが不便」

「将来はこんな暮らしがしたい」


これだけでも十分なスタートです。


そして、打ち合わせを重ねながら、

頭の中のイメージを一つずつ具体的な間取りや設備、素材へ落とし込んでいきます。

理想の家は、最初から頭の中に完成形があるわけではありません。



「好き」を集め、「嫌い」を削り、「暮らし」を伝え、プロと一緒に形にしていく。

それが注文住宅の面白さでもあります。


せっかく自由に家を建てられるのですから、「何となくおしゃれな家」ではなく、

「自分たちの暮らしに合った家」を目指してみてはいかがでしょうか?



記:ライフプランナー  武井


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