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Vol.421 海沿いに家を建てる。難易度が高い?

メリット・デメリット

憧れだけで土地を買う前に知っておきたいこと



「海の近くに家を建てたい」


窓を開けると海が見える。

朝は海を眺めながらコーヒーを飲む。

休日には家から歩いて海岸へ行く。


そんな暮らしに憧れるのは、決して不思議なことではありません。


特に神奈川県では、湘南エリアをはじめ、海の近くに住宅地が広がっている地域があります。



しかし、「海沿いに家を建てること」は、

一般的な住宅地に家を建てるより難易度が高いと考えておいたほうがよいでしょう。


その理由は、単純に土地価格だけではありません。


津波、高潮、洪水、液状化、塩害、強風、砂、地盤、建物のメンテナンスなど、

海沿いならではの問題があるからです。


しかも、同じ「海の近く」でも、道路一本違うだけで条件が大きく変わることがあります。


では、海沿いに家を建てる場合、何に注意すればよいのでしょうか?



今回は、不動産会社の視点から、


「海沿いの家は本当に難しいのか?」

「どんな土地なら比較的検討しやすいのか?」

「購入前に何を確認すべきなのか?」


について詳しく解説します。




1.海沿いの家が難しい最大の理由は「災害リスク」


海沿いの土地を検討する際、最初に確認したいのが災害リスクです。

海が近いということは、当然ながら海に関係する災害の影響を受ける可能性があります。


代表的なのが、津波・高潮・高波・海岸侵食などです。

さらに、海沿いだからといって、海からの災害だけを考えればいいわけではありません。

大雨が降れば、洪水・内水氾濫などのリスクもあります。


つまり、「海が近い土地だから津波だけ確認すればいい」という考え方では不十分です。




2.「海が見える土地」と「海沿いの土地」は違う


ここは土地探しで非常に重要なポイントです。

海が見える住宅だからといって、必ずしも海岸のすぐそばに建てる必要はありません。


例えば、海から少し離れた高台に土地を購入し、2階リビングや屋上などから海を眺める。

こうした選択肢もあります。


海との距離が近くなるほど、眺望というメリットが大きくなる一方で、

災害リスクや塩害などの問題も増える可能性があります。


つまり、「海が見えること」と「海に近いこと」は別々に考えることが重要です。




3.津波ハザードマップは必ず確認する


海沿いの土地を検討するなら、津波ハザードマップは必ず確認したい資料です。


確認するのは、「津波が来るか来ないか?」だけではありません。


・想定される浸水深

・浸水範囲

・避難場所

・避難経路

・避難にかかる時間


なども確認しましょう。


特に重要なのが、避難経路です。


土地そのものが比較的安全でも、災害時に避難する道路が狭い、橋を渡らなければならない、

海岸方向へ逃げる必要がある、といった状況では実際の避難が難しくなる可能性があります。


土地を見るときは、「その土地が安全か?」だけではなく、

「災害時にどう逃げるのか?」まで考えることが大切です。



【高潮も見落としてはいけない】

海沿いの住宅で意外と見落とされやすいのが、高潮です。

高潮とは、台風などの影響によって海面が異常に上昇する現象です。


津波とは発生する仕組みが違います。

そのため、「津波ハザードマップを確認したから大丈夫」とは限りません。


海沿いの土地では、津波だけでなく高潮についても確認しておくことが重要です。




4.「海沿いだから地盤が悪い」とは限らない


海沿いの住宅でよく聞かれるのが、「海の近くは地盤が悪いのでは?」という疑問です。

確かに、地域によっては、砂質地盤・埋立地・低地など、地盤について注意が必要な場所があります。


しかし、「海に近い=必ず地盤が悪い」というわけではありません。

地盤は地域によって大きく異なります。


そのため、購入前には、ハザードマップだけではなく、

地形・土地の成り立ち・過去の土地利用・地盤調査結果などを確認することが重要です。



【液状化の可能性も確認したい】

海沿いの土地で、もう一つ気になるのが液状化です。

液状化とは、地震によって地盤が一時的に液体のような状態になる現象です。


埋立地・砂質地盤・地下水位が高い場所などでは注意が必要です。


もちろん、「液状化の可能性がある=家を建てられない」ということではありません。

住宅の建築方法や地盤改良などによって対策を検討できる場合があります。


しかし、土地価格だけを見て購入し、後から地盤対策費用が必要になったということは避けたいところです。




5.海沿い住宅最大の敵?「塩害」


災害以外にも、海沿いには独特の問題があります。

その代表が、塩害です。


海水に含まれる塩分が風によって運ばれ、建物や設備に影響を与えることがあります。


金属部分・室外機・給湯設備・自転車・自動車・外構など、

海から近いほど、潮風の影響を受ける可能性があります。



【室外機は意外と重要】

海沿いの家では、エアコンの室外機も注意したい設備の一つです。

潮風によって金属部分が腐食しやすくなる可能性があります。


一般的な住宅地と同じ感覚で、「エアコンは壊れたら交換すればいい」と考えていると、

設備交換の頻度が高くなる可能性があります。


海沿いの住宅では、塩害対策を考えた設備選びや設置位置、メンテナンスを検討することが大切です。



【自動車も海沿いでは注意】

海の近くに住む場合、自動車も潮風の影響を受ける可能性があります。

特に屋外駐車では、車体や金属部品への影響を考えておく必要があります。


海沿いで暮らすなら、屋根付き駐車場やガレージなどを検討するのも一つの方法です。


「海が見える家を建てたけれど、車の維持が大変だった」ということにならないよう、

住宅本体だけではなく、駐車場まで含めて考えましょう。




6.強風と砂も海沿いならではの問題


潮風だけでなく、強風や砂の影響もあります。

海岸に近い住宅では、風によって砂が飛んでくることもあります。


結果、窓・バルコニー・外壁・玄関などの掃除やメンテナンスが、

一般的な住宅地より大変になる可能性があります。


「海を眺めながら暮らす」という夢の裏側には、「海から風が吹いてくる」という現実もあるのです。




7.海沿い住宅は「防災」と「眺望」のバランスが重要


海沿いの家づくりでは、眺望だけを追い求めてはいけません。


例えば、「海がよく見えるから1階を大開口にする」という計画より、

「災害時の安全性を考えて、居住空間を2階以上に配置する」という考え方もあります。


もちろん、土地の条件や自治体の想定、建物の構造などによって判断は変わります。


重要なのは、海を楽しむための家と、災害から身を守る家を両立させることです。



<しいては、「土地選び」がすべての始まり>

海沿い住宅で最も重要なのは、建物より先に土地を見ることです。

どれだけ素晴らしい住宅を設計しても、土地そのものの条件は変えられません。


「将来この土地を売却することになったらどうか?」という視点も重要です。



【海沿いの土地は資産価値が高い?低い?】

海が見える住宅は、「海が好きな人」にとって非常に魅力的です。

そのため、眺望の良い物件には独自の需要があります。

一方で、災害リスクや維持管理の大変さから、購入を避ける人もいます。


つまり、海沿い住宅は好きな人には非常に魅力的だが、万人向けではないという特徴があります。


そのため、一般的な住宅以上に「誰が将来買ってくれるのか?」を考えることが重要です。



ー海沿いの家を買って後悔しやすい人ー

海沿い住宅は、誰にでもおすすめできるわけではありません。

特に注意したいのが、「海が好きだから」という理由だけで土地を購入するケースです。


海沿いで暮らすということは、

災害リスク・塩害・強風・砂・メンテナンス費用なども受け入れるということです。



ー逆に、海沿いの家に向いている人とは?ー

海沿い住宅に向いているのは、メリットとデメリットの両方を理解した上で、それでも海の近くに住みたい人。


「多少メンテナンス費用がかかっても海のある暮らしを優先したい」

「毎日海を眺められることに大きな価値を感じる」

「災害リスクを理解し、防災対策をした上で暮らしたい」


住宅は価格だけでなく、そこでどんな生活をしたいのかによって価値が変わります。


上記の様な想いがある方には、モッテコイなのです。




実際に建築に関する云々は、建築会社に任せることとなりますが、

海沿いと言っても様々な地形があります。


建てられる建物の大きさや仕様などは、その土地によって左右されてきますが、

これまでに記載したハザードや日常生活の難は、一般的な立地以上に出てはしまいます。


それでも、海沿いだから得られる恩恵もあるのは確か。


それらのリスクを許容出来れば、素晴らしい人生をエンジョイできます。


神奈川に住む者として、憧れる海の見える生活。



費用もそれなりに掛かるでしょうから、言わば、選ばれた人が住める地として、

そのチャンスがあるならば、手を挙げたくなる気もします。


いいなあ~。



記:ライフプランナー  武井


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