Vol.65 “団地マニア”が語る、レトロ団地の浪漫と実用性
“団地マニア”が語る、レトロ団地の浪漫と実用性
本日は、ちょっぴりマニアックだけど知れば知るほどハマる、「レトロ団地」の世界をご紹介します。
10年以上団地に恋い焦がれている“団地マニア”
そんな方からお話を伺ったら、内容が面白かったので今回テーマにしてみました。
味わい深い外観、計算された動線、静かなる住環境…。
今回は、そんな団地の魅力と、実はとっても実用的な一面をご紹介します。
団地=古い=不便、は誤解です!
「団地」と聞くと、どうしても“古くてボロい”というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
たしかに昭和30〜40年代に大量に建てられた団地は築50年を超えるものも珍しくありません。
が! ちょっと待った!
その古さこそが“味”であり、“機能美”なんです。
団地は、当時の国家的プロジェクト。
つまり、「国が真剣に考えて作った住宅」です。
・日当たりを計算し尽くした南向き住棟配置
・風通しを意識した通風設計
・廊下が内廊下でなく、すべて開放型=プライバシーと安全性のバランス
これ、最近のマンションでも見かけないほどの丁寧な配慮です。
「団地浪漫」に浸る、5つの魅力
① 外観デザインのレトロかわいさ
無骨なコンクリート、繰り返されるシンプルなデザイン、当時の技術で一生懸命作られた面影…
どこか懐かしさを感じる外観に心を奪われる方も多いはず。
SNSでも「団地萌え」なるタグが存在するほどです。
② 豊かな緑とゆとりある敷地
現代のマンションでは珍しいほどの“ゆとり”が団地にはあります。
公園が敷地内にあり、ベンチや砂場、時には商店街まで併設。
まるで一つの小さな街のような空間です。
③ 「昭和の団地妻」になれる(?)
ちょっとレトロな間取りとキッチン。今見ると逆に新鮮。
「えっ、ダイニングキッチンってこんなにコンパクトだったの?」
という驚きとともに、使いやすさを実感する人も少なくありません。
④ 団地コミュニティの良さ
団地にはいまだに「ご近所付き合い」が残っています。
もちろん現代流の“適度な距離感”を保ちつつ、
おすそ分けや子どもの見守り合いが自然に行われる空気感は、
他の物件ではなかなか得難いものです。
⑤ 実は価格がリーズナブル!
都心近郊でも団地であれば手の届く価格帯の物件が見つかることも。
しかも土地付き(=所有権)のことが多く、資産価値の観点から見ても非常にコスパが良いんです。
実用性にも注目!団地は「住みやすさ重視」だった
昔の人って、「見た目より中身」を重視してたんですね。
団地はまさにその象徴。
・通風・採光を徹底的に設計
・階段室型住棟で各住戸の独立性が高い
・遮音性も意外としっかりしている(鉄筋コンクリート造)
つまり、意外と快適。
住んでみると「アレ、思ったよりもいいじゃん…!」となること請け合いです。
団地リノベーションという選択肢
レトロ団地を購入し、自分好みにリノベーションする人も増えています。
いわゆる「団地リノベ」。
・古い設備を一新
・間取りを大胆に変更
・木目×白壁の北欧風にアレンジ
こんなことができるのも、価格が控えめな団地だからこそ。
自分のアイデンティティを盛り込んだ、あなただけの自由なる空間。
憧れますね~
セカンドハウスとして活用する人も、多いようです。
団地マニア的チェックポイント
ここで、“団地を愛しすぎた人”が見るポイントをご紹介!
外階段の有無:あると開放的&風通し◎
エレベーターの有無:階段オンリーの方が、住人の健康度が高い(かも)
集会所の利用状況:活発な集会所は、地域コミュニティの元気のバロメーター
自転車置き場の整備度:運営がきちんとしている証拠
団地に向いている人とは?
・DIY好き
・昭和レトロが好き
・コスパ重視
・ご近所付き合いも多少OK
団地は万人向けとは言いません。
でも「ハマる人にはどハマり」する、不動産界の“隠れ名品”なんです。
最後に:団地は、浪漫と実用性が同居する場所
レトロな見た目に癒され、暮らしやすい構造に納得し、価格に安心する。
団地は決して“安かろう悪かろう”な物件ではなく、むしろよく考えられた“生活の器”なのです。
不動産を探す際には、「団地?ナシでしょ…」とスルーせず、ぜひ一度“中まで”見てみてください。
あなたも気づくかもしれません、団地の浪漫と実力に——。
なんてね。
記:ライフプランナー 武井