Vol.67 売主の印象で価格が変わる!? 内見でのタブー集
売主の印象で価格が変わる!? 内見でのタブー集
今回は、不動産売却におけるちょっと盲点な話をします。
それは、
「売主さんの印象が、実は物件の売却価格に影響している」
という恐ろしい(でも本当の)事実。
「え?そんなバカな!物件は物件、人は人じゃないの?」
…と思いたいお気持ち、わかります。
でもね、不動産売買って結局「人と人」のやりとり。
つまり、物件のスペック以上に、“人間味”が大事になる場面があるんです。
特に、それが如実に現れるのが「内見」のタイミング。
今回は、「売主さん、そこでそれはNG!」と突っ込みたくなるような「内見タブー集」をまとめました。
もしかしたら、あなたの家がなかなか売れない理由もココにあるかもしれません…!?
なぜ“印象”で価格が変わるのか?
まず、前提から。
不動産は基本的に「モノ」。
価格はエリア相場・築年数・間取り・設備などから機械的に決まりそうなものです。
でも現実はこうです。。。
-
同じ間取り、同じ築年数のマンションでも、Aさんの部屋はすぐ売れたのに、Bさんの部屋はなかなか決まらない。
-
で、買主さんは内覧後に「なんとなく不安」と言って帰っていった。
その違いの一つが「売主の印象」です。
人間の心理は、理屈ではなく“雰囲気”に左右されるもの。
どんなに良い物件でも、「あの売主さんちょっと変わってたよね…」と思われたら、内見者は買い控えます。
では、どうすれば“変な印象”を回避できるのか?
内見時のNG行動、タブー集を見ていきましょう!意外とやってしまっているかも???
内見タブー①:やたらと“自慢話”が多い
✖「この壁紙、特注で○万円かけたんですよ〜」
✖「床材は無垢材でね、海外から取り寄せて…」
気持ちはわかります。
家に対する愛着があるのも、リフォームにお金をかけたのも、すばらしいこと。
でも!買主さんからすると、
「この人、なんか押し売りっぽい…」
「高く売りたい下心が見え隠れしてる…」
と感じてしまうんです。
内見中に“自慢モード”に入ると、逆に買主の警戒心が上がります。
= 売主が“価格を釣り上げようとしている”ように見える
特注カーテンや無垢材の床の話は、必要なら資料にまとめておけばOK。
口頭での熱弁は、ほどほどにしましょう。
内見タブー②:「この家、売りたくないんですけど…」的発言
✖「本当は売りたくないんですけどね」
✖「いい人にしか売りたくないんですよね」
これ、よくあるんです。
まるで娘を嫁に出す親のようなコメント。
…が、これ、買主からすると非常にプレッシャーになります。
「なんか、こっちが試されてる…?」
「選ばれる側って…何者なの自分…?」
さらに、
「まだ迷ってるのかな?」
「取引成立しても面倒なことにならない?」と、疑念すら抱かれます。
商談の場では、「前向きに売却している姿勢」を見せましょう!
内見タブー③:「部屋が散らかっている」
これはもう言わずもがな。でも、意外と多いんです。
「生活感=リアルで良いでしょ?」と勘違いされるケース。
違います。
内見者は夢を見たいんです。
未来の暮らしを想像したいんです。
-
・洗濯物が干しっぱなし
-
・台所の生ゴミが見えている
-
・トイレのフタが開けっ放し
こういった“生活の残り香”があると、夢どころか「現実に引き戻され」ます。
片付けのコツは、「ホテルの部屋」をイメージすること。
モデルルームみたいに、とは言いません。
でもせめて、物を隠す・照明をつける・カーテンを整える、くらいは意識しましょう。
そして、物が多いから収納を見せたくないという方もいます。
これも、気持ち、分かります!
ですが、買主の立場になった時、見ていない部分がある中で決めませんよね???
内見タブー④:ペットと一緒に登場
ペット愛好家の方、怒らないでください。でもこれ、現実的な話です。
-
・内見中に犬がワンワン吠える
-
・猫がずっと足元をうろついている
-
・ケージから強めのにおいが…
ペットが好きな人には好印象でも、そうでない人には「この家、大丈夫かな?」という不安につながります。
しかも、ペット=においや傷のリスクを連想させるため、買主の価格交渉材料にもなりがち。
対策はシンプル
内見中は、できればペットを外に預けておく
もしくは、
ケージに入れておく
こと!
更なるコツとしては、ペットのアレルギーを持たれている方に向けて、
物件資料に飼育している旨、記載する
飼っている方からすれば、その一言があるだけで、想像する人間性はプラスです。
内見タブー⑤:「ここはこう使ってます」主張が強すぎる
✖「この部屋、子ども部屋が一番いい」
✖「このスペースにテレビ置くのが一番いいんです」
これは完全に「良かれと思って」が裏目に出るパターン。
買主は、自分の暮らし方をイメージしたいのです。
「この人の暮らしの型に自分を当てはめなきゃいけないのか…」と感じると、
途端にテンションが下がります。
使い方の提案は控えめに、言うとしても、
「今はこう使ってますが、いろんな使い方ができると思いますよ」
という、“余白のある言い方”がベスト。
内見タブー⑥:「無言すぎる or 喋りすぎる」
これも、どちらも要注意。
-
無言すぎる → 怖い、気まずい、会話のキャッチボール不可
-
喋りすぎる → プレッシャー、疲れる、自由に見学できない
ベストなのは「程よい距離感」
不動産会社の担当者に任せて、売主さんはニコニコしている程度がちょうどいいです。
“印象”で価格が変わる実例
当社の実例から、ちょっとだけ。
似た条件の2軒、違ったのは“売主の印象”
-
Aさん:元気で明るく、程よい距離感。質問には丁寧に回答。
-
Bさん:部屋は散らかり気味、不愛想、買主に契約に関する注文が多い
→ Aさんの物件は満額に近い価格で即売。
→ Bさんの物件は、3か月後に200万円値下げでようやく成約。
物件の差はほぼなし。違ったのは“人”だけでした。
最後に:「人の印象」も資産です
物件のスペックや立地は変えられません。
でも、「売主としての印象」は自分次第で変えられます。
買主に「ここに住みたい」と思ってもらうには、
「ここに住んでいた人が良かった」と思ってもらうことが近道。
内見時のちょっとした気遣いが、数十万円、数百万円の違いを生むこともあるんです。
家を“高く、気持ちよく”売りたいもの。
内見ひとつにしても、神経を使う事は必要です。
記:ライフプランナー 武井