Vol.80 売れ残ってる=悪い物件とは限らない!“訳あり”の真相
「この物件、売れ残ってる…やめとこうかな?」
物件探しをしていると、ふと目につくアノ存在。
「駅徒歩7分」「築浅」「価格もまあまあ」
……でも、ず〜っとポータルサイトに載っている。
「あれ? なんで売れてないの?」
「何かヤバい事情でもあるのかしら?」
そう思って候補から外してしまう方、多いんじゃないでしょうか。
でもちょっと待った!
“売れ残り物件”=ダメ物件って、本当にそうでしょうか?
実は、その「売れ残り」、思いがけない“お宝物件”だった!なんてことも。
この記事では、売れ残り物件にまつわるよくある誤解と、その“訳あり”の正体を分かりやすくお届けします!
そもそも「売れ残り」って、どのくらい放置されたらそう呼ばれるの?
不動産の世界では、掲載後6ヶ月以上売れなかった物件を「売れ残り」と呼ぶ傾向があります。
もちろん、立地や価格帯にもよりますが、1ヶ月以内で買い手がつく人気物件がある一方で、
半年、1年…と静かに在庫になっていく物件も存在します。
でもここで大事なのは、“売れない=悪い物件”という思い込みを手放すこと。
例えるなら、「奥手なイイ人が婚活市場で目立たない」みたいなもので、
派手じゃないけど中身はイイ物件もあるんです。
タイミングもありますしね。
売れ残りの“ありがちな誤解”3選
① 「事故物件なんじゃないの?」
もちろん、そういうケースもゼロではありません。
でも、事故物件なら明記する義務がある(告知事項)ので、だいたい掲載時に記載されています。
むしろ「事故じゃないけど売れてない物件」がほとんど。
しかも近年は事故物件の人気すら高まっていて、
「安く買えるなら気にしない」なんて強者も増えているとか…!(※自己責任で)
② 「欠陥住宅じゃ…?」
これもよくある誤解。
でも現代の住宅は、建築確認や検査体制が整備されていて、
致命的な欠陥があれば再建築不可や販売NGになることがほとんど。
もちろん、
-
水回りが微妙だったり
-
日当たりがちょっと…
という「生活上のクセ」はあるかもしれません。
が、それは“欠陥”ではなく“個性”と呼びましょう。
③ 「人気がない=住みにくいってこと?」
これ、完全に“空気読みすぎ”問題。
たとえば、
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・隣の家が異様に近い
-
・近くに墓地がある
-
・道が細くて車の出入りが面倒
といった「好みが分かれる条件」で敬遠されてるだけ、というケースも。
むしろこういう物件は、気にしない人にとっては“超お買い得”です。
売れ残りの“訳あり”にはパターンがある!
パターン①価格設定ミス
「最初にちょっと高く出しすぎた」パターンです。
特に相続物件などでは、売主が「思い入れ価格」をつけがち。
そのまま数ヶ月が経ち、下げどきを逃して埋もれていく…。
でも!こういう物件は【交渉しやすい】というメリットあり!
パターン②広告や写真が残念
内見に行ったら「めっちゃ良いじゃん!」という物件でも、
ネット上の写真が、暗い・狭い・古臭い…で台無しなことも。
▶写真が悪い=中身が悪い、ではない!
家も人間も、「第一印象って大事だけど、それがすべてじゃない」。
パターン③間取りやクセが強い
・LDKが妙に狭い
・和室の真ん中に謎の柱
・お風呂とトイレが向かい合わせ(緊張感あり)
こういう“クセ間取り”は、敬遠されがち。でも、ハマる人にはハマる。
しかもリフォームで改善できることも多く、「変な間取り」=「安くなる交渉材料」になることも!
パターン④近隣施設や環境が「人を選ぶ」
・線路が近い(電車マニアにはたまらん)
・坂が多い(健康志向にはありがたい)
・ちょっとにぎやか(都会的ととらえるか、うるさいと感じるか)
つまり、“人によってメリットにもデメリットにもなる要素”なんです。
むしろ「売れ残りだからこそイイ」ことも!
ここまで読むと、「あれ?売れ残り物件ってアリじゃん」と思えてきた方、鋭いです。
実は、売れ残り物件の方が“お得に買いやすい”という現実もあります。
◎ 値引き交渉がしやすい!
長く売れていない物件は、売主側も「そろそろ決めたい…」と感じているもの。
そこに良い買主が現れれば、値下げにも応じやすくなるのが常です。
✅ 通常より数十万円~数百万円安く買えた!
✅ オプション付きで引き渡してくれた!
なんてこともよくあります。
◎ ライバルが少ない!
人気エリアの“出たて物件”は内見予約で即満杯
気づいたら「申込済」…なんてこともザラ。
その点、売れ残り物件はじっくり内見して考えられます。
心理的にもプレッシャーが少ない!
◎ 売主の事情をつかみやすい
長期間売れていないと、
・売主が相続で早く現金化したい
・空き家で固定資産税がかさむ
・管理が面倒で手放したい
などの“本音”が見えやすく、交渉の材料になります。
実例紹介:こんな「売れ残り」が“掘り出し物”に!
▶最初の価格:3,200万円
→ リフォーム済み&立地も悪くないのに、写真がイマイチ+少し割高でスルーされ続け…
▶あなた:「この立地でこの状態なら2,800万ならアリ!」
→ ダメ元で交渉 ⇒ 成立!
売主:「実はそろそろ固定資産税の通知が…助かります…(泣)」
あなた:「こちらこそ、ありがたや…」
注意点:なんでもかんでも“お得”ではありません!
もちろん、「売れ残り」には注意すべきポイントもあります。
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・法律上の制限が厳しい(再建築不可、都市計画区域外など)
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・境界が曖昧・隣地とのトラブルあり
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・インフラが未整備(上下水道、ガスなど)
こうした「致命的な訳あり」は、いくら安くても避けるべき。
不安な点は、不動産会社に正直に聞いてみるのが一番です。
良い業者は、ちゃんとリスクも説明してくれます。
「売れ残り」=「チャンス」になる時代
よくある誤解 | 実際の真相 |
---|---|
売れ残ってる=事故物件? | ほとんどは価格やクセの問題 |
写真が暗い=ダメ物件? | 実物が意外といいことも |
値引きはムリ? | むしろチャンスあり |
見る目を変えれば、“売れ残り”は“光る原石”!
物件選びにおいて、「掲載期間が長いから不安」と感じるのは当然のこと。
でもその中にも、“タイミング”や“目利き”次第で出会えるチャンスがあります。
あえて言いましょう。
「売れ残ってるからって、あなどるなかれ。」
中古車にだって掘り出し物があるように、不動産にも“寝かせて美味しいヴィンテージ”があるんです。
「なんで売れてないの?」じゃなく、
「なぜ自分には合うのか?」を見つけた時、
その物件はあなたにとって唯一無二の“ベスト物件”になるかもしれませんよ!
記:ライフプランナー 武井