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Vol.156 築年数経ってる戸建。リフォームされた家はどう?

不動産のアレコレ

築年数経ってるけど、フルリフォームやフルリノベーションされた物件ってどう?



不動産を探しているときに目にする「フルリフォーム済み」、「フルリノベーション済み」という物件情報。


「古い家なのに中はピカピカ!」というギャップに驚いた経験、ありませんか?



キッチンや浴室は最新モデル、床や壁も新品同様。


築30年超えでも「えっ、これ新築?」と思うほどきれいに仕上げられている物件もあります。



でも、購入を検討する立場からすると気になるのは――


「築年数が経っているのに、本当に大丈夫なの?」


「リフォーム物件って新築と比べて得なの?損なの?」



この記事では、築年数が経ったフルリフォーム・フルリノベーション物件について、


メリットとデメリット、注意すべきポイントを徹底的に解説していきます。




1. 「フルリフォーム」と「フルリノベーション」の違い


似ているようで微妙に違う「リフォーム」と「リノベーション」。


〇フルリフォームとは?


  • 老朽化した部分を新しく直す工事

  • 代表例:壁紙張り替え、床の張り替え、キッチン・浴室・トイレの交換など

  • 基本的には「マイナスをゼロに戻す」イメージ



  • 〇フルリノベーションとは?

  • 既存の間取りや設備を大幅に変更して、新しい価値を加える工事

  • 代表例:間取りを変更、耐震補強、断熱性能を高める、給排水管を交換など

  • 「ゼロをプラスにする」イメージで、物件そのものをグレードアップさせます。



  • つまり、フルリフォーム=きれいに直すフルリノベーション=新しい価値を加える、という違いがあります。


物件広告で「フルリノベ済み」と書かれている場合は、


表面の美装にとどまらず、内部の性能改善まで手が入っているケースが多いです。




2. フルリフォーム・リノベーション物件のメリット


では、こうした物件を購入するメリットは何でしょうか?


(1) 新築より価格を抑えられる

築年数が経っているため、新築に比べると価格は安め。
それでいて室内は新品同様にきれいなので、コストパフォーマンスが高いのが魅力です。

住宅ローンとして借入も出来るので、工事費を別途…と考えるとお得になります。


(2) 入居後すぐに快適に暮らせる

中古物件を購入してから自分でリフォームする場合は、工事期間が必要です。
しかし「リフォーム済み物件」なら完成済みなので、契約後すぐに入居可能。
引っ越しを急いでいる人にとって大きなメリットです。



(3) 設備が最新式になっていることが多い

新しいシステムキッチン、浴室乾燥機付きのお風呂、節水型トイレなど、

最新設備が導入されていることも多いです。
築年数は古くても、生活の利便性は新築同様に味わえます。



(4) デザイン性が高いことも

リノベーション物件は、デザイナーや建築士が関わっていることもあり、
「おしゃれなカフェ風」、「ホテルライクな内装」など、センスの良い仕上がりが期待できます。




3. デメリット・注意点

もちろんメリットばかりではありません。購入前に理解しておくべきデメリットもあります。


(1) 建物の“中身”は古い

いくら室内を新しくしても、建物自体の築年数は変わりません。
基礎や柱、外壁、配管などが古いまま残っている可能性もあります。
「見た目は新品、中身はベテラン」というのが実情です。



(2) 耐震性能に注意

1981年6月以降に建築確認を受けた建物は「新耐震基準」で建てられています。
それ以前の建物は耐震性能が不十分なことが多いため、

フルリノベ済みとあっても、耐震補強されていなければ注意が必要です。



(3) 管理状況で寿命が変わる(マンションの場合)

マンションなら、共用部分はリフォームの対象外。
いくら専有部分がピカピカでも、外壁やエレベーター、配管など共用部が古いままだと、

将来的に大規模修繕で負担が発生します。



(4) リフォームの質にバラつきがある

工事の品質は施工会社次第。見た目はきれいでも、
「実は安い材料を使っている」「施工が雑で数年で劣化」なんてことも。
信頼できる売主・施工会社かどうかの見極めが大切です。




4. 向いている人・向いていない人


では、どんな人にフルリフォーム・リノベーション物件が向いているのでしょうか?


【向いている人】

  • ■新築は高いけど、きれいな家に住みたい

  • ■入居を急いでいる

  • ■おしゃれな内装にこだわりたい

  • ■立地重視で、中古でも問題ない


  • 【向いていない人】

  • ■建物の“中身”まで新築同様を求める

  • ■長期的な資産価値を重視する

  • ■自分でリフォーム内容を自由に決めたい




  • 5. 購入前にチェックすべきポイント


フルリフォームやリノベーション済み物件を検討する際は、次の点を確認しておきましょう。


  • ■工事内容はどこまでやっているか?(表面だけ?配管や断熱まで?)

  • ■施工会社や売主の信頼性

  • ■耐震補強はされているか?

  • ■マンションなら管理状況・修繕積立金の状態

  • ■保証やアフターサービスはあるか?



  • 築年数が経っていても、フルリフォームやフルリノベーションされた物件は、


  • 新築より価格を抑えながら快適な生活を手に入れられる魅力的な選択肢です。


ただし、「見た目は新築、中身は築古」である点は忘れてはいけません。



購入前には、工事内容や建物の構造的な部分、マンションなら管理状況をしっかりチェックすることが重要です。



賢く選べば、リノベーション物件は「お得で快適な住まい」になり得ます。


不動産選びの候補のひとつとして、ぜひ検討してみてください。



記:宅地建物取引士 原田

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