
Vol.316 アパートやマンションに自販機がある理由
アパートやマンションに自販機がある理由
〜収益だけじゃない?節税と消費税還付まで関係する“戦略設備”
アパートやマンションの敷地内にある自動販売機。
これは、入居者のサービスの一つなのか?
一見すると小さな設備ですが、不動産会社の視点で見ると、
「しっかり計算された存在」であることが分かります。
特に近年は、
・収益性
・節税効果
・消費税の仕組み
まで絡んでくることもあり、
単なる便利設備ではなく“経営ツール”の一つとして活用されています。
今回は、アパート・マンションに自販機が設置される理由と、
節税・
自販機が置いてあるのは、入居者向けだけではない!
①安定した副収入になる
まず基本として、自販機は設置するだけで収益が発生する可能性がある設備です。
契約形態としては、
・売上歩合(売れた分の数%が入る)
・固定賃料(設置料として毎月一定額)
などがあります。
つまり、土地の一部を“貸している”感覚に近いビジネスです。
②使い道のない土地をお金に変える
アパートやマンションには、
・中途半端な空きスペース
・建物が建てられない部分
が必ずと言っていいほど存在します。
そこに自販機を設置することで、“何も生まない土地”が“収益を生む場所”に変わるのです。
③節税効果がある
ここからが本題の一つです。
自販機は、節税にもつながる可能性があります。
■減価償却による所得圧縮
自販機をオーナー自身が購入・設置する場合、それは減価償却資産として扱われます。
つまり、
・購入費用を一括ではなく
・数年に分けて経費計上
することができ、課税所得を抑える効果が期待できます。
まぁ、自販機を自ら設置する方も少ないですけどネ。
■関連費用も経費化できる
自販機に関する費用として、
・電気代
・設置工事費
・メンテナンス費
などが発生します。
これらも条件に応じて必要経費として処理できるため、
利益の圧縮 → 税負担の軽減につながります。
④消費税還付の可能性
ここが少し専門的ですが、重要なポイントです。
■そもそも住宅賃貸は非課税
アパートやマンションの家賃収入は、基本的に消費税がかからない(非課税)です。
つまり、通常は、
・消費税を預かることがない
・還付も受けられない
という構造です。
■自販機収入は課税対象になる
一方で、自販機による収入は、課税売上(消費税がかかる取引)となるケースが多いです。
これにより、オーナーは「課税事業者」になる可能性が出てきます。
■還付が発生するケースとは
課税事業者になると、
・支払った消費税(仕入れ・設備)
・受け取った消費税(売上)
の差額で税額が決まります。
ここで、
・設備投資(建物・自販機など)で大きな消費税を支払う
・自販機などで課税売上がある
という状況になると、消費税の還付を受けられる可能性が出てきます。
【ただし注意が必要】
この消費税還付については、
・制度改正
・要件の厳格化
が進んでおり、簡単にできるものではありません。
また、
・意図的なスキーム
・短期的な対策
は税務上問題になる可能性もあります。
そのため、必ず税理士など専門家と相談することが前提です。
⑤防犯・付加価値としての役割
税務面だけでなく、物件としての価値向上にもつながります。
・夜間の照明効果
・人の出入りが増える
・入居者の利便性向上
これにより、空室対策の一部として機能することもあります。
アパートやマンションに自販機がある理由は、
・副収入の確保
・空きスペースの活用
・入居者サービス
・防犯効果
そして、節税や消費税の仕組みまで関係しているケースもあります。
もちろん、入居者のためでもあるのですが、オーナー側としての事情もそこにはあるものです。
普段、何気に素通りしている心象風景も、そこには意味がありましたね。
不動産は、知れば知るほど面白い。
記:ライフプランナー 武井