
Vol.349 銀行も完璧ではないという現実がある。
銀行が客を潰す?
少し刺激的なタイトルですが、まずお伝えしたいのは、、
銀行が意図的にお客様を困らせているわけではありません。
ただし、現実として、
「銀行の判断をそのまま信じた結果、
というケースは、一定数存在します。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?
それは、銀行も人間が運営している組織であり、
そして、もう一つ重要なのは、借りる側も“知識を持たないと守られない”という現実です。
今回は、住宅ローンにおける銀行の立場と限界、
1.「銀行が言うなら安心」という思い込み
住宅ローンの相談をしていると、よく聞く言葉があります。
「銀行が大丈夫と言ったので安心です」
「この金額で審査が通りました」
確かに銀行は審査のプロです。
しかし、ここで一度立ち止まって考えてみてください。
その“安心”は誰目線のものなのか?
銀行の審査は、年収×勤務先×勤続年数×信用情報などをもとに行われます。
ですがこれはあくまで、「貸しても問題ないか」の判断であって、
「その人が無理なく生活できるか」の保証ではありません。
2.銀行の判断基準は「回収できるか?」
住宅ローンの本質は「貸し借り」です。
銀行にとって重要なのは、貸したお金をきちんと回収できるかどうか?です。
そのため、担保(不動産)の価値や万が一のときの回収可能性といった要素も強く見られます。
つまり極端に言えば、
「生活が多少苦しくなっても返済が続くならOK」という判断になることもあり得るのです。
3.「借りられる」と「返し続けられる」は別物
ここが最も大切なポイントです。
例えば、
銀行が提示した借入可能額:4,500万円
実際に無理なく返せる額:3,500万円
この差は1,000万円。この1,000円の差が、
■毎月の生活費
■教育費
■老後資金
に大きな影響を与えます。
それでも銀行の審査は通る可能性があります。
なぜなら、銀行は“最大値”を見ているからです。
一方で、私たちの生活は、“余裕”があることで成り立っています。
4.銀行も「人」で動いているという現実
ここで少し現実的な話をします。
銀行も組織であり、その中で働いているのは人間です。
【担当者による違い】
■提案の仕方
■商品の説明
■リスクの伝え方
これらは、担当者によって差が出ます。
【ミスや見落としの可能性】
■説明不足
■条件の認識違い
もちろん極めて稀ですが、こうした“人為的なズレ”がゼロとは言い切れません。
よって、「銀行だから絶対に間違いがない!」と思い込むのは危険ということです。
【実際に起きる「すれ違い」】
ケース①:変動金利のリスク理解不足
「今は金利が低いのでお得です」と説明され、変動金利を選択
→ 数年後、金利上昇
→ 返済額が増加し家計が圧迫
ケース②:借入額の上限で購入
「この金額まで借りられます」と言われ、そのまま購入
→ 想定外の支出(教育費・車・医療費)
→ 貯蓄ができない状態に
ケース③:団信の誤解
「万が一のときは安心」と思っていたが、
→ 実際には条件付きで対象外
→ 想定していた保障とズレ
これらはすべて、銀行の説明を“なんとなく理解したつもり”で進めてしまった結果です。
5.借りる側に求められる「最低限の知識」
では、どこまで理解すればいいのでしょうか?
難しい金融知識は不要です。
ただし、最低限として以下は押さえておきたいポイントです。
① 金利の違い
■変動金利
■固定金利
→それぞれのメリット・デメリット
② 総返済額の考え方
毎月の返済額だけでなく総額でいくら払うのか?
③ ライフプランとの関係
■教育費
■車の買い替え
■老後資金
④ 団信の内容
■どこまで保障されるか?
■条件は何か?
これらを理解しているだけで、判断の質は大きく変わります。
6.不動産会社として伝えたいこと
私たちは日々、多くの住宅ローン相談に関わっています。
その中で感じるのは、「知っている人」と「知らない人」の差が非常に大きいということです。
いや、「知ろうとしている人」と「努力しない人」の差が出てくるとも言えます。
同じ年収でも、無理なく生活できる人、ギリギリの生活になる人に分かれるのは、借り方と考え方の違いです。
銀行はパートナー、でも主導権は自分。
銀行は、住宅購入において欠かせない存在です。
信頼できるパートナーであることに間違いはありません。
しかし同時に、すべてを任せる存在ではないということも理解しておく必要があります。
住宅ローンは、数十年にわたる長い付き合いになります。
その中で大切なのは、誰かに任せることではなく自分で理解し、納得して選ぶことです。
銀行も人間が運営しています。
だからこそ、完璧ではない前提で向き合うこと、そして、自分自身も学ぶこと。
これが、住宅ローンで後悔しないための一番の方法です。
なぜ、ココまでの事を言うのか?
本審査承認後に、否決にしてくる事もあるからです。←経験あり。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池