Vol.12 住宅ローンが通らない物件?何気に知られていない現実
記:住宅ローンアドバイザー 菊池
住宅購入を検討する際、資金計画は非常に重要です。特に住宅ローンを利用する場合、物件選びがローンの審査結果に大きく影響します。本記事では、住宅ローンが通る物件の条件や、現金購入のメリットについて解説します。
住宅ローンが通る物件の特徴
住宅購入を検討する際に、住宅ローンの審査が通るかどうかは非常に気になるポイントです。では、どのような物件が住宅ローン審査に通りやすいのでしょうか。まず、一般的に重要視されるのは物件の築年数や構造です。新築や築浅の物件は、建物の耐久性や資産価値が高いと見なされるため、ローン審査において有利になることが多いです。特に耐震基準を満たしているかどうかは、審査の際にしっかりと確認されます。
また、建築基準法の範囲内に収まっている物件(建蔽率・容積率等)である事が前提となり、前面道路の状況が良好である事、不随する書類が揃っている事、投資物件になりにくい物件等様々なポイントがあります。
以下に、住宅ローン審査において重要視される物件の特徴を表にまとめました。
物件の特徴 | 重要度 | 理由 |
---|---|---|
築年数・床面積 | 高 | 資産価値や耐久性に影響 |
法的範囲内に収まっている | 高 | 遵法性の確保 |
耐震基準 | 中 | 安全性の確保が求められる |
このように、住宅ローンが通る物件にはいくつかの特徴があります。選ぶ際にはこれらのポイントをしっかりとチェックし、自分の条件に合った物件を見つけることが大切です。慎重に選んだ物件は、長期間にわたって安心して住むことができることでしょう。
住宅ローンが通らない物件の要因
住宅を購入する際に、住宅ローンの審査が通らない物件にはいくつかの共通点があります。まず、物件が抱える法的問題は大きな障害となります。例えば、違法建築や建蔽率を超えた建物などは、金融機関から信頼を得にくく、ローン審査で不利になる事が多いです。また、再建築不可物件や敷地面積・床面積が過少の物件も審査は通りません。
次に、修繕積立金や管理費が高額な物件も要注意です。これらの費用は、月々の支払いに影響を与えるため、住宅ローンの審査においても重視されます。特に、築年数が古いマンションでは修繕積立金が高く設定されていることが多く、これがローン審査においてネックとなる場合があります。また、管理費が極端に高い物件は、管理体制に問題がある可能性があるため、購入前にしっかりと確認することが重要です。
また、マンションによっては棟の構造上の問題で融資が難しい物件もあります。地下車庫やピロティー等は耐震性の懸念があるため、一部の金融機関では土台に乗らない可能性もあります。
このように、住宅ローンが通らない物件にはいくつかの共通した要因があります。以下の表に、主な要因をまとめましたので参考にしてください。
要因 | 詳細 | 影響 |
---|---|---|
法的問題 | 違法建築、建ぺい率超過など | ローン審査において不利 |
高額な管理費・修繕積立金 | 築年数が古い、管理体制の問題 | 月々の支払い増加による審査難航 |
急傾斜・擁壁問題 | 特別警戒エリア、二段擁壁 | 審査難儀 |
以上の要因をしっかりと把握し、事前に情報収集を行うことで、住宅ローンが通りにくい物件を避けることができます。購入を検討する際は、これらの点を考慮して、慎重に物件を選ぶことが大切です。
住宅ローンが通る物件の選び方
住宅ローンを利用して家を購入する際、物件選びは非常に重要です。多くの人がローン審査の通過を目指していますが、どのような物件が審査に通りやすいかを理解することが鍵です。まず、物件選びの際に考慮すべきポイントを明確にしておくことが大切です。以下に物件選びの際にチェックすべき主な項目を表形式でまとめました。
項目 | チェックポイント | 理由 |
---|---|---|
築年数 | 新耐震基準物件が理想 | 審査上、高ポイント |
遵法性 | 法的範囲内の物件 | 違法物件と捉えられます |
再建築可能物件 | 接道間口・道路種別 | 再建築出来る=土地の価値がある判断 |
不動産会社を選ぶ際には、信頼性が高く、親身に相談に乗ってくれる会社を選ぶことが重要です。初めての住宅購入は不安がつきものですが、経験豊富な不動産会社のサポートを受けることで、安心して進められます。さらに、住宅ローン審査に通過しない物件も事前に排除等した上で提案してくれます。
また、物件選びで失敗しないためには、自分のライフスタイルや将来の計画をしっかりと考えることが必要です。物件が自分の生活に合っているかを確認することが、長期的に満足度の高い購入につながります。最終的には、しっかりとリサーチを行い、自分の条件に合った物件を見つけることが成功のカギです。
現金購入なら買えない家はない?そのメリットとデメリット
住宅を購入する際、現金一括での購入は一見理想的な選択肢に思えるかもしれません。ローンの審査を気にすることなく、欲しい物件を自由に選べるという点で、現金購入には確かに大きな魅力があります。しかし、現金購入にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。ここでは、現金購入のメリットとリスク、そして資金計画の立て方について詳しく解説します。
まず、現金購入の最大のメリットは、住宅ローンの審査を気にせずに済む点です。ローン審査が通らない物件でも、現金があれば購入可能です。また、ローンを組まないことで、金利の支払い負担がなくなり、総支払額を抑えることができるのも魅力です。さらに、ローンに伴う書類手続きや手数料も省けるため、購入プロセスがスムーズになります。
しかし、現金購入にはリスクもあります。一度に多額の資金を支出することになるため、資金繰りに余裕がなくなる可能性があります。突発的な出費や、将来的な資産運用の機会を失うリスクも考慮する必要があります。また、現金を不動産に固定資産として投資することで、流動性が低くなることもデメリットの一つです。したがって、資金計画を立てる際には、ライフプランを考慮し、必要な資金の流動性を確保することが重要です。
現金購入とローン購入を比較した場合、どちらが自分にとって適しているかをしっかりと考えることが大切です。以下の表で、現金購入とローン購入のそれぞれの特徴を比較してみましょう。
項目 | 現金購入 | ローン購入 |
---|---|---|
手続きの簡便さ | 楽 | 手間がかかる(審査等が必要) |
金利負担 | なし | あり |
資金流動性 | 低い | 高い(手元資金を温存可能) |
このように、現金購入には即座に物件を手に入れられるメリットがありますが、資金の流動性が低くなるというデメリットも無視できません。自分のライフスタイルや将来設計に合った購入方法を選ぶことが重要です。十分な情報収集と慎重な計画が、後悔のない住宅購入につながるでしょう。
まとめ
住宅購入は人生の大きな決断です。住宅ローンが通る物件を選ぶには、事前の情報収集と慎重な判断が不可欠です。エリア相場における不動産価格が安い=ローン返済額が低いという考えは、そもそも審査が通らない物件である可能性が高いため、現実的には現金のみで買える物件となりやすくもあります。普段考えもしなかった擁壁や道路種別、急傾斜エリアなど、様々な要因によって審査の土台に乗る金融機関に違いがありますので、物件探しや購入相談をしっかりと行い、ご検討されてみてはいかがでしょうか。