Vol.23 病気があると住宅ローンは借りられない?もう一つの審査「団体信用生命保険」
住宅を購入する際、多くの方が利用する住宅ローン。その際に重要となるのが団体信用生命保険です。しかし、持病や病歴がある場合、ローンの審査や保険の加入に不安を抱える方も多いでしょう。この記事では、病気がある場合の住宅ローンの借り方や、フラット35を利用した方法について詳しく解説します。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池
病気があると住宅ローンは借りられないのか?
住宅を購入する際、多くの方がまず頭に浮かべるのは住宅ローンの審査でしょう。特に、持病や治療を抱えている場合、その不安は一層増すことかもしれません。では、病気があると本当に住宅ローンは借りられないのでしょうか。
まず、ポイントになるのは審査書類の一部でもある「問診票」です。これは、過去・現在の病歴等を告知する書類となっており、その内容次第では健康診断書の提出等を求められます。ここでのポイントは、病歴があるからといって必ずしも否決されるわけではないということです。生命保険会社によっては柔軟な判断基準を持っているところもあります。
まずは、健康状態が審査に与える影響は、他の要素と比べてどの程度なのかを理解することが重要です。以下の表は、持病がある場合の住宅ローン審査におけるポイントをまとめたものです。
審査項目 | 影響度 | 内容 |
---|---|---|
持病 | 中 | 持病の診断書が必要の可能性はあり |
治療中 | 高 | 治療期間や症状によって差が出る |
経過観察 | 高 | 観察期間や現在の状況によりけり |
このように、不安がある場合でも他の要素を強化することで、住宅ローンの審査を乗り越えることが可能です。大切なのは、事前に情報を集め、自分の状況をしっかりと把握した上で、適切な金融機関やプランを選ぶことです。健康状態に関しても、正確な情報を金融機関に提供することで、より良い条件でのローン契約が可能になるかもしれません。ただし、申告内容の虚偽は決して行ってはならず、最悪、保険がおりないということもあります。
団体信用生命保険のしくみと特徴
住宅を購入する際、多くの人々が利用する住宅ローン。その際に重要な役割を果たすのが団体信用生命保険です。この保険は、万が一の事態が発生した際に、残された家族がローンの返済に苦労しないよう残債が免責になるものです。万が一の事態は、加入時の保障範囲により、中には7大疾病まで対応しているもの、女性ならではの特約等様々とあります。
次に、保険の加入条件と病気による影響について見ていきましょう。通常、団体信用生命保険に加入するためには、健康状態に関する告知が必要です。この告知は、過去の病歴や現在の健康状態についての質問に正直に答えることが求められます。持病がある場合、審査が厳しくなることが一般的です。具体的には、病歴によっては、保険の加入が難しい場合や、特定の条件が付くこともあります。
つまり、基本的には団体信用生命保険に加入できないと判断された場合、住宅ローンそのものを組むことが出来なくなります。
項目 | 内容 |
---|---|
団体信用生命保険とは | 住宅ローン利用時に加入する生命保険で、死亡や高度障害時に残りのローンが保険にて返済される |
加入条件 | ローン借入時のみ。健康状態の告知が必要で、病歴により審査が異なる |
特約・代替プラン | 持病者向けの特約付きプランが増加中。商品によって住宅ローン金利がup |
このように、団体信用生命保険は住宅ローンを利用する際に非常に重要な役割を果たしています。保険に加入することで、安心して家族を守ることができる一方、持病がある方にとっては、特約や代替プランを活用することで、選択肢を広げることが可能です。住宅ローンの利用を検討する際には、自分に合ったこうした保険の内容もキチンと考えることで、将来への安心を手に入れましょう。
保険に加入しない住宅ローンの借り方
住宅ローンを組む際に、団体信用生命保険への加入が一般的ですが、すべての方がこの保険に加入する必要はありません。特に、持病があり保険の加入が難しい場合や、保険料を節約したいと考える方には保険に加入せずに住宅ローンを借り入れ出来る方法もあります。まず、保険に加入しない方法のメリットとしては、月々の支払額を抑えることができる点が挙げられます。団体信用生命保険の保険料は、ローンの金利に含まれていることが多いため、保険に加入しなければその分支払額が減ります。しかし、デメリットとして、万が一の事態に備えた保障がないため、リスクが高まる点に注意が必要です。
次に、保険加入が不要なローン商品について見てみましょう。代表的な商品は、フラット35は団体信用生命保険の加入が必須ではないため、保険に加入しない選択肢を提供しています。以下に、保険に加入しない住宅ローンを利用する際のポイントを表にまとめました。
ポイント | メリット | デメリット |
---|---|---|
保険料節約 | 月々の支払額が減る | 保障がないためリスクが増える |
フラット35の利用 | 保険加入が不要 | 特になし |
民間の生命保険にて代用 | ローンを進めやすい | 掛金が団信よりも高くなる可能性あり |
保険に加入しない住宅ローンの選択肢は、各々の経済状況や家族構成、健康状態によって異なります。自分にとって最適な方法を慎重に選び、リスクとメリットをしっかりと理解した上で決断することが大切です。自分に合った住宅ローンを見つけるためには、金融機関との相談や専門家のアドバイスを活用するのも一つの手段です。
フラット35を利用した住宅ローンの選択肢
住宅ローンを検討する際、フラット35という選択肢が注目されています。このローンは、長期固定金利が特徴で、金利が変動しないため、返済計画を立てやすいのが魅力です。利用条件としては、基本商品では借入期間が15年以上35年以下であることや、融資金額が8,000万円以下であることなどが挙げられます。また、住宅のエネルギー効率や耐震性能など、一定の技術基準を満たす必要があります。
フラット35が持病をお持ちの方におすすめの理由は、団体信用生命保険への加入が任意である点です。通常の住宅ローンでは、保険加入が条件となることが多く、持病がある場合には審査が厳しくなることがあります。しかし、フラット35では保険の加入が任意のため、持病によるローン審査への影響を軽減できます。
特徴 | 内容 |
---|---|
金利タイプ | 長期固定金利、変動金利より高め |
保険加入 | 任意 |
技術基準 | 適合証明書の取得できる物件に限られる |
フラット35の利用時は、まず適合証明書を取得する必要があります。これは、物件がフラット35の技術基準を満たしていることを証明するものです。。注意点として、適合証明書の取得には時間がかかる場合がある、物件によっては適合証明書が取得不可となるため、事前に確認しておくと安心です。
まとめ
住宅ローンを利用する際には病気の有無に関わらず、自身にとって最適なプランを選ぶことが重要です。団体信用生命保険の仕組みや保険に加入しない方法、さらにはフラット35の活用など様々な選択肢を比較し、自分に合ったローンを見つけましょう。