
Vol.87 高齢化社会に強い家の条件とは???
高齢化社会に強い家の条件
〜「老後のため」は“先送り”ではなく“今こそ”考える〜
「まだ若いし、バリアフリーなんて関係ないよ」
そう思っているあなた。未来のあなたが小さく咳き込んでいますよ!
超高齢化社会を迎えた日本では、いまや65歳以上の人口が4人に1人どころか、
3人に1人に迫る勢い。
「長く快適に暮らせる家」を買うには、“高齢化社会に強い家”の視点がとても大切になってきています。
今回は、「将来、住みにくい家だった…」と後悔しないために、
若いうちから知っておきたい“高齢化に強い住まいの条件”をご紹介します!
そもそも「高齢化社会に強い家」ってどういう意味?
✅ 年を重ねると、家の中の“当たり前”が凶器に!?
若いときは何でもなかった段差、階段、ドアの開閉が、高齢になると「つまづき」「転倒」「事故」のもとに。
実は、家庭内の事故死の多くが65歳以上で起きているのです。
「家の中が一番危険」――なんて、シャレになりませんよね。
✅ ずっと住み続けるなら、将来の自分にも優しく!
今は元気でヒールも履けるけど、10年後にはスリッパ、20年後には室内用の手すりと杖が相棒になっているかもしれません。
家は一度買ったら長い付き合い。
だからこそ、「高齢化に強い=未来の自分に優しい家」という視点が大切なんです。
高齢化社会に強い家の“7つの条件”
【1】段差ゼロ or 段差に配慮された設計
高齢者にとって最も怖いのが“つまづき”。
5cmの段差が“地雷”になる世界へようこそ!
床の段差はゼロが理想。
どうしても必要なら、スロープや目印となる色分けを。
【プチ豆知識】
段差の有無は、「要介護認定」の判断項目にもなります!
【2】階段は“敵”か“味方”か
「階段がある家=運動になるしいいじゃん!」という声もありますが、
高齢になると1日5回の2階移動が修行レベルになります。
おすすめは…寝室は1階に!
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階段があるなら、勾配はゆるやかに、手すりは必須!
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“将来的にホームエレベーターを設置できるスペース”があると◎
【3】トイレと風呂が“地続き”の安心感
いざというとき、寝室からトイレまで5歩で行ける設計は神。
深夜にモゾモゾ起きて、廊下で冷えてつまずいて…なんて地獄は回避したい!
また、ヒートショック対策として、脱衣所・浴室の暖房対応も重要です。
【4】玄関は“広くて明るく”
高齢者は荷物を持っての出入りが苦手になりがち。
玄関にちょっとした椅子や手すりがあると、靴の脱ぎ履きも安全&快適。
自転車やシルバーカー(高齢者用の押し車)も置けると尚よし!
【5】スマート家電との親和性
「うちのおばあちゃんはリモコン3つで混乱する」
でも、スマート家電なら“声で操作”できる未来がある!
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・照明やエアコンのON/OFF
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・カーテンの開閉
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・室内カメラによる見守り
高齢化社会の強い味方は“息子”ではなく“GoogleとAlexa”かもしれません。
【6】近隣に病院・スーパー・交通機関がある
これは言うまでもなく最重要。
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・バス停まで徒歩5分以内
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・徒歩圏内に内科・整形外科
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・徒歩10分以内にスーパー or ドラッグストア
こういった条件がそろうと、通院と買い物”のストレス激減!
車が運転できなくなった後も安心して暮らせます。
【7】将来的に“人を呼べる”家
介護サービスやヘルパーさんが来る可能性も。
玄関・廊下・トイレが車椅子で回れる広さかどうかもチェックしましょう。
また、“子ども世帯が泊まれる部屋”があると、サポート体制も強化されます!
マンションならここをチェック!
マンションでも、「高齢化に強い」ポイントはあります!
✅ エレベーターの有無と場所
5階建て“エレベーターなし”マンションは、若いうちはお得感ありますが、
老後の“買い物袋チャレンジ”が地獄になります。
また、エレベーターが“玄関から遠い”のも意外と不便。
内見時には動線チェックをお忘れなく。
✅ 管理組合の“住人構成”
高齢者ばかりで構成されている管理組合は、将来の維持・管理に不安が残る場合も。
若年層とのバランスや、活発な管理体制があるかも要確認!
✅ 共用部の活用性
最近のマンションは、共用スペースにカフェスペースや見守りカメラがあるところも!
「地域の福祉センターか!?」と思うような手厚いマンションも出現しています。
将来の「売りやすさ」にも直結する!
高齢化社会に強い家は、単に“老後にやさしい”だけでなく、売るとき・貸すときにも有利になります。
高齢の親と住む家、二世帯住宅、介護のための間取り変更――
今後ますます、バリアフリー・安心動線は“物件価値”として重視されていきます。
未来の自分に感謝される家を選ぼう!
「まだ若いからバリアフリーは早い」
「今は階段もスキップできるし」
――確かに、その通り。
でも、家は“今”だけじゃなく“30年後の自分”の住処でもあります。
高齢化社会に強い家は、
“万が一”にも強く、“毎日”にも優しい、そんな住まい。
自分と家族の未来に、ちょっと先回りした選択をしてみませんか?
記:ライフプランナー 武井