
Vol.119 防犯対策を考える。後の祭りよりも未然に防ぐ、を。
戸建、マンションの防犯対策とは?プロが教える安全な暮らしのポイント
近年、物騒な事件も多く、「我が家は大丈夫だろうか…」
誰もが一度は、自宅の防犯について考えたことがあるのではないでしょうか?
空き巣や不審者による被害は、他人事ではありません。
大切な家族や財産を守るためにも、日頃からできる防犯対策をしっかりと講じておくことが重要です。
今回は、戸建とマンション、それぞれの住まいの特性に合わせた防犯対策について、
プロの視点から詳しく解説していきます。
なぜ今、防犯対策が必要なのか?
最近の犯罪手口はますます巧妙化しており、油断はできません。
警察庁のデータによると、住宅を狙った侵入窃盗の認知件数は減少傾向にあるものの、
その手口は「鍵をかけていない無施錠」や「ガラスを割って侵入する」といったものが依然として多く、
基本的な防犯対策が十分ではない家が狙われやすいことが分かります。
また、侵入窃盗だけでなく、空き巣の下見をする「アポ電(アポイントメント電話)」や、
家にいる時に侵入される「居空き」、就寝中に侵入される「忍び込み」など、さまざまな手口が存在します。
さらに、番外編?になるかもしれませんが、盗聴器を使用されるケースもあります。
盗聴器と言うと、話している内容を聴く目的がある場合に用いられますが、
留守を確認するために使われることもあるのです。
これらの犯罪から身を守るためには、「侵入されにくい家」、
そして「狙われにくい家」という意識を持って、日頃から対策を講じることが何よりも大切です。
戸建の防犯対策:侵入経路を徹底的に封鎖する
戸建住宅は、マンションに比べて侵入経路が多くなりがちです。
特に、窓と玄関は重点的に対策を行う必要があります。
1. 窓の防犯対策
侵入窃盗犯の約6割が窓から侵入すると言われています。
窓の対策は、戸建の防犯対策において最も重要です。
補助鍵(二重鍵)の設置
窓に補助鍵を付けることで、窓を破られても開けるまでに時間がかかります。犯行を諦めさせる効果が期待できます。
防犯ガラス、防犯フィルムの活用
ガラスを割って侵入する手口は多いため、防犯ガラスに交換したり、既存のガラスに防犯フィルムを貼ったりすることで、ガラスを破るのに時間がかかり、侵入を困難にします。
面格子の設置
特に風呂場やトイレの窓など、外から見えにくい場所には、面格子を設置することで侵入を物理的に防ぐことができます。
窓センサーの設置
窓が開けられたり、ガラスが割られたりした際に警報音が鳴る窓センサーを設置することで、犯行を未然に防ぐ効果があります。
2. 玄関の防犯対策
玄関の鍵は、ピッキングに強い鍵に交換しましょう。
最近では、ディンプルキーやカードキー、スマートロックなど、さまざまな種類の鍵があります。
ワンドア・ツーロック(一つのドアに二つの鍵)
鍵が一つしかない場合は、補助鍵を付けてワンドア・ツーロックにしましょう。
犯行に時間がかかるため、侵入を諦めさせる効果があります。
鍵の管理
鍵を玄関マットの下や植木鉢の中など、安易な場所に隠すのは絶対にやめましょう。
また、鍵を紛失した場合は、すぐに鍵を交換することが大切です。
インターホンの活用
来客時に相手の顔を確認できるモニター付きインターホンに交換することで、不審な訪問者に対応することができます。
3. 外周りの防犯対策
家の周りの環境も、防犯対策には重要です。
庭の手入れ
家の周りの植木や生け垣を低く剪定し、見通しを良くしましょう。
隠れる場所をなくすことで、侵入犯は身を隠すことができず、犯行を諦めやすくなります。
防犯砂利の活用
踏むと大きな音が出る防犯砂利を敷くことで、侵入者の存在に気づきやすくなります。
センサーライトの設置
人感センサーで点灯するセンサーライトを設置することで、夜間の侵入者を威嚇し、防犯効果を高めます。
マンションの防犯対策:共有部分と専有部分の両方を意識する
マンションは、オートロックや管理人などのセキュリティが整っている物件が多いですが、
それでも油断は禁物です。共有部分と、自分の住む専有部分、両方の対策を講じましょう。
1. 共有部分の防犯対策
オートロックの過信は禁物
オートロックがあるからといって安心せず、見知らぬ人には安易にエントランスの鍵を開けないようにしましょう。
エレベーターの防犯
エレベーターに乗る際は、不審者がいないか確認し、怪しいと感じたら無理に乗らないようにしましょう。
また、エレベーター内での不審者対策として、防犯カメラの有無も確認しましょう。
郵便受けの対策
郵便受けには、個人情報が載った郵便物が投函されることがあります。鍵付きの郵便受けを利用し、個人情報が盗まれないようにしましょう。
2. 専有部分の防犯対策
玄関ドアの鍵
戸建と同様に、ワンドア・ツーロックにすることで防犯性を高めることができます。
窓の対策
マンションの高層階は大丈夫と思われがちですが、最近では配管やベランダを伝って侵入する手口もあります。
補助鍵や防犯フィルムを貼るなど、窓の対策も怠らないようにしましょう。
ベランダの対策
ベランダに面した窓は、特に注意が必要です。
物干し竿を足場にされないよう、使用しないときは取り外すなど、工夫をしましょう。
表札の工夫
表札には、名字だけを表記するなど、家族構成が分からないように工夫することも防犯対策の一つです。
留守だと悟られないための工夫
空き巣は、留守の家を狙います。
以下のような工夫をすることで、犯人に「留守ではない」と思わせることができ、被害を未然に防ぐことができます。
タイマー付き照明の活用
留守中にリビングなどの照明が点灯するように設定することで、在宅を装うことができます。
長期不在の際には新聞や牛乳配達を停止する
郵便物が溜まっていたり、新聞が溜まっていたりすると、留守であることが一目瞭然です。
SNSでの投稿に注意する
旅行に行くことなどをSNSに投稿すると、留守であることが知られてしまう可能性があります。
戸建、マンション、それぞれの防犯対策について解説してきました。
「完璧な防犯対策」というものはありませんが、
複数の対策を組み合わせることで、犯罪を未然に防ぐ効果は格段に上がります。
今回ご紹介した対策を参考に、ぜひご自身の住まいの防犯性を見直してみてください。
「うちは大丈夫だろう」と安易に考えるのではなく、
「もしかしたら狙われるかもしれない」という意識を持つことが、ご家族の安全を守る第一歩です。
記:防犯設備士 菊池