
Vol.361 敷金・礼金ゼロゼロ物件のからくり
退去時のクリーニング費用や短期解約違約金のトラップ
─ 不動産会社が教える「安い物件ほど高くつく」理由 ─
結論
ゼロゼロ物件は“入居時が安い”だけ。
退去時に高額請求される仕組みで成り立っている。
敷金・礼金ゼロの物件は魅力的に見えますが、実際には以下のような“隠れコスト”が潜んでいます。
高額なクリーニング費用
エアコンクリーニング代
消臭・除菌代
24時間サポート費
更新料が高い
短期解約違約金
原状回復費の上乗せ
つまり、入居時の安さ → 退去時の高額請求で回収するビジネスモデルという構造です。
数年前には、賃料滞納で、鍵を勝手に交換されて部屋に入れないようにした悪徳不動産会社もいました。
部屋を貸すではなく、鍵の貸与とする契約書内容だったようです。
【真実】敷金ゼロ・礼金ゼロの“本当の意味”
敷金ゼロ
→ 退去時の修繕費を預けていない → 退去時に“実費請求”される
礼金ゼロ
→ オーナーへの謝礼が不要 → その分、別の名目で費用が上乗せされる
ゼロゼロ物件の特徴
入居しやすい
若年層向け
回転率が高い
その分、退去時の費用で回収するというワケです。
【本題】ゼロゼロ物件で実際に起きた“退去時の高額請求”事例
事例①:クリーニング費用10万円
入居時に「クリーニング費用は退去時に請求」と書かれていた。
→ 1Kでも 5万円程度が相場 → エアコン洗浄代(約2万円)が追加されることも
事例②:短期解約違約金2ヶ月分
1年未満で退去したら…「家賃2ヶ月分の違約金です」
→ ゼロゼロ物件は 短期退去が多いため違約金が重い
事例③:消臭・除菌代2.2万円
入居時に必須オプションとして追加。
→ 実際には1本1,000円程度のスプレーを吹きかけるのみ
事例④:原状回復費8万円
敷金ゼロのため、クリーニング費用とは別に壁紙・床の修繕費がすべて実費請求。
→ 国交省ガイドラインを無視した請求も多い
【重要】ゼロゼロ物件に潜む“契約書のトラップ”
トラップ①:クリーニング費用の「定額制」
→ 退去時に必ず請求 → 相場より高いことが多い
→タバコのヤニや壊してしまった部分は、別途実費になります。
トラップ②:短期解約違約金
1年未満 → 家賃2ヶ月
2年未満 → 家賃1ヶ月
→ 転勤・同棲・結婚で退去すると大損
トラップ③:24時間サポート費
→ 月1,000〜1,500円 → 実際にはほぼ使わない
トラップ④:鍵交換費用
→ 4〜5万円 → 実費より高い
トラップ⑤:消臭・除菌代
→ 実質的に“礼金の代わり”
不動産会社としてのアドバイス
ゼロゼロ物件は、初期費用が安い代わりに、退去時に高額請求される仕組みです。
初期費用の無い方には、助かる仕組みですが、それは将来の自分へツケているだけです。
どの物件にも限った話ではありますが、必ず契約書の内容を細かくチェックして下さい。
特に、初めて賃貸を借りると言う方からすると、その善し悪しが分からないと思います。
経験ある方や、他の不動産会社などでチェックしてもらった方がベターです。
とは言え、不動産会社でのチェックにしても基本的には受け付けてくれません。
契約をしないと手数料がもらえない仕組みになっているからです。
つまり、初めまして~の方に対して、タダ仕事はしません。
その会社で他の物件を探しつつも、ついでにチェックしてもらう体裁で聞いてみましょう。
この世は、騙し合いです。
記:宅地建物取引士 原田
敷金ゼロ