
Vol.129 突然の通行止め!通行料請求!何が起きている???
突然の通行止め!いきなり通行料が掛かる!
「昨日まで普通に通れていた道が、急にバリケードで塞がれた!」
「近道として使っていた私道にゲートが設置され、通行料を請求された!」
そんな声を、近年耳にすることが増えてきました。
特に戸建を検討している方にとって「道路問題」は意外な落とし穴。
建物や土地の価格だけでなく、「その土地に辿り着くまでの道路」がどんな権利関係なのかを確認しないと、
思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
本記事では、実際に起こっている「突然の通行止め・通行料トラブル」の背景を解説していきます。
1.通行止めトラブルはなぜ起こるのか?
突然の通行止めや通行料請求の背景には、大きく分けて次の理由があります。
私道を所有する人の権利行使
一般に「道路」と呼ばれているものの中には、
公道(行政が管理する道路)と私道(個人や法人が所有する道路)があります。
公道であれば自由に通行できますが、私道はあくまで所有者の財産。
第三者が勝手に通ることは原則として認められていません。
例えば、分譲地開発時に「住民のために使う前提」で私道が整備され、その後に所有者が変わった場合、
新しい所有者が「ここは私の土地だから、通るならお金を払ってください」と主張するケースが出てくるのです。
トラブルや管理負担への不満
私道を利用する住民が多いにも関わらず、維持費を誰も負担しない場合、所有者が不満を募らせることもあります。
道路の補修、清掃、除雪、街灯の電気代など、維持管理にはコストがかかります。
「勝手に通るだけ通って、誰も負担してくれない」
そんな不公平感から、ゲートを設置して通行料を徴収することも。
通行権利関係の不備
本来なら土地購入時に「通行地役権」や「位置指定道路」など、法的に通行が保証される形を取っておくべきですが、
古い土地や相続で分けられた土地では、権利関係が不明確なままになっていることがあります。
その場合、所有者が変わると「通行の権利がない」と主張され、いきなり通行止めになることもあるのです。
2.実際に起きている事例
ここでは、ニュースや相談事例で実際に報告されているケースをいくつかご紹介します。
事例1:分譲地の私道が封鎖された
ある分譲地では、私道が一人の地主の名義のまま放置されていました。
何十年も住民が自由に使っていたのですが、
地主が代替わりしたタイミングで「この道は私の土地だから、通りたければ契約金を支払え」と要求。
支払いを拒んだ住民がいると、その一角がバリケードで封鎖され、生活道路が使えなくなる事態に発展しました。
事例2:通行料を請求されるようになった
近隣住民が通学路や買い物の近道として使っていた私道に突然ゲートが設置され、
「通行証明ステッカー代」として年間数万円の請求が発生。
納得できない住民と所有者の間でトラブルが続いています。
事例3:相続人が「通行禁止」を宣言
長年誰も文句を言わずに使っていた道が、所有者の相続で新しい持ち主に。
新しい所有者が「勝手に使われて迷惑」と主張し、完全通行止めに。
住民は代替ルートを探す羽目になりました。
3.法律的には「合法」?「違法」?
気になるのは、こうした「通行止め」や「通行料請求」が違法なのかどうかです。
結論から言えば――場合による、です。
通行権が明確に設定されている場合
土地の権利証や登記に「通行地役権」などが設定されていれば、所有者が勝手に封鎖することはできません。
これは違法です。
位置指定道路の場合
開発時に「道路」として行政から位置指定を受けている場合、所有者が変わっても住民の通行は確保されます。
封鎖は認められません。
通行権が不明確な場合
逆に、権利関係が曖昧で、単に「昔から使っていただけ」というケースでは、
所有者が「通るな」と言えば、通行止めも通行料請求も法律上は可能です。
つまり、違法か合法かは、土地購入時にどういう契約・権利設定をしているかによって変わるのです。
4.購入者が気をつけるべきチェックポイント
戸建て購入を検討する際、道路の権利関係を確認することはとても大切です。
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■その土地が接している道路は、公道か私道か?
■私道なら、誰の所有か?
■通行権利は登記上きちんと設定されているか?
■維持管理費の分担はどうなっているか?
このあたりをしっかり確認しないと、購入後に「生活道路を塞がれた!」という最悪の事態になりかねません。
5.もし通行止めに遭ったら?
実際に「通行止め」や「通行料請求」が起きた場合、どう対応すべきでしょうか?
■まずは話し合いで解決を目指す
■過去の利用実績を元に「通行権がある」と主張できるか調べる
■弁護士に相談して法的に通行権を認めてもらう(必要なら裁判)
■不動産会社や管理組合を通して、住民全体で交渉する
個人で解決するのは難しいため、専門家や業者を頼るのが現実的です。
6.まとめ:道路の権利は「見えない地雷」
突然の通行止めや通行料請求は、決して珍しい話ではありません。
特に古い住宅地や相続で複雑になった土地では、現実に起こっています。
土地や家を購入する際には、
建物や価格だけに目を奪われず、ぜひ「その土地に行くまでの道路」にも注目してください。
そして、もし購入検討中で不安がある方は、不動産会社にぜひご相談を。
「道が通じてこそ家は生きる」
これが、全てと言っても過言ではありません。。。
記:宅地建物取引士 原田