
Vol.287 なぜ不動産会社は「違和感」を大事にするのか?
なぜ不動産会社は「違和感」を大事にするのか?
― 不動産取引は数字より“空気”で守られている ―
説明しにくいけれど、確実に存在するもの
不動産会社が打ち合わせや商談の中で、よく口にする言葉があります。
「なんか、違和感があるんですよね」
これを聞いて、曖昧だ・感覚論だ・プロなのに適当
そう感じる方もいるかもしれません。
しかし、不動産業界ではこの説明しにくい「違和感」こそが、
1.不動産取引は「一発勝負」
不動産は、
■金額が大きい
■やり直しがきかない
■失敗したときのダメージが大きい
という特徴があります。
しかも、売主・買主・仲介会社・金融機関など多くの人が関わるため、
一つのズレが全体崩壊につながることも珍しくありません。
だからこそ、書類や数字だけでは測れない部分を重視します。
2.「違和感」はどこから生まれるのか
違和感は、決して勘や思い込みではありません。
【よくある違和感の例】
■説明が毎回微妙に変わる
■大事な話になると急に話題を変える
■不自然に急がせてくる
■こちらの説明を聞かず、自分の主張だけする
■「普通はこうでしょ?」と決めつける
■記載する字が殴り書き
一つひとつは些細です。
しかし、それが積み重なると、「何かおかしい」という感覚になります。
3.なぜ数字や書類だけではダメなのか
もちろん、不動産会社は様々な関係書類を徹底的に確認します。
ただし、書類は“整えられる”ものでもあります。
一方で、話し方や反応、態度、間の取り方など、こうしたものは無意識に出てしまう。
ここにこそ、違和感の正体があります。
【違和感は「事故の予兆」】
過去のトラブルを振り返ると、ほぼ例外なく言えることがあります。
「あの時、違和感はあった」
■契約後に揉めた
■引き渡し直前で破談
■後から事実が発覚
こうしたケースの多くは、事前に“兆し”がありました。
違和感は、トラブルの予兆なのです。
4.不動産会社は「人」を何百人も見てきている
不動産会社は、毎日、多くの人と話し、様々な立場の人と接する中で、成功例も失敗例も見ています。
この蓄積によって、危ないパターンや揉めやすい人、途中で破綻しやすい取引などが、自然と見えてきます。
前のブログでも書いた、地面師も同じ。
これはマニュアルでは教えられません。
とは言え、「違和感=疑っている」ではないんです。
目的はただ一つ。
最後まで、問題なく取引を終えること
そのために、念のため確認すること、一度立ち止まること、条件を整理し直すこと
常に、そうした行動を取ります。
5.違和感を消す一番の方法
この内容、少し前にも書きましたね。実はとてもシンプルです。
それは「正直に話すこと」
■不利なことも最初に伝える
■分からないことは分からないと言う
■状況を整理して説明する
これだけで、
■不要な疑念が消える
■確認作業が減る
■取引がスムーズになる
違和感は、情報不足やズレから生まれることが多いのです。
話が通じる人ほど、違和感は出ないです。
不思議なことに、
■話を聞く
■質問に答える
■修正を受け入れる
こうした姿勢の方には、ほとんど違和感が生まれません。
結果として、スピードも条件も良くなる
不動産ではよくある話です。
6.最後に、違和感はプロの防御本能
不動産会社が「違和感」を大事にするのは、
■経験から学んできた
■失敗を繰り返してきた
■多くの取引を見てきた
その結果、生まれた防御本能です。
感覚ではなく、積み重ねた現場の知恵。
この関係性こそが、最も安全で、最短の近道です。
難しいですね。。。
記:ライフプランナー 武井